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第82話 日常回(2)
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俺達の家には4つ部屋がある。不純異性交遊がどうだの言われそうな部屋の数だが俺とヒカルで1つの部屋を使っているから問題ない。あと和室というのものがないらしい。
家の広さとしては普通の一軒家、二階もついている。白を基調としていてヒカル曰く近代的な家だと言う。そしてこの世界における生活必需品は大体が揃ってあるから便利だ。
とまあ生まれた世界が違う俺からしたら地球での生活は快適この上ないと思う…訂正、何もなければ快適だ。訳分からん奴らに襲われたり、魔王がこっちの世界に転生してきたこと以外はな。大体なんで俺達が魔王を…
そんなことを一人浴槽で考える寂しい男が俺なわけだが。
さてそろそろかなと俺は浴槽から外に出て、パジャマに着替え、ドライヤーで髪を乾かす。
風呂とは快適なもので身をさっぱりとできる。俺達の世界では風呂はなく、魔法でどうにかしろの精神だった。魔力は一晩寝れば全回復!だから全部使っちゃえ!がモットーだったから文明が進歩しなかったのでは…?
「おーい、上がったぞー」
「もう皆入ったー」
「あー、そうだったな。風呂掃除は?」
「ガイムがしてきてー」
さてアナリスにきついことを言われたわけだが、風呂掃除ということを未経験の俺はどうするか。
答えは簡単。魔法を使えば!
「あ、そうだー。そこによく汚れがとれる洗剤置いてあるからそれ使ってねー、シャワーかければすぐとれるからー」
…………
(ヌオー)ゴシゴシ
かくして作業を終えた俺はリビングに行くとスマホをいじるアナリス、テレビを夢中で見るカノン、ボーッと上を見ているヒカル、そして…
「こいつこのままでいいの?」
「寝る時運ぶ。今9時だから…もう少ししたらね」
キルアがソファの真ん中で十の字になるように寝ていた。邪魔。
仕方ないのでフローリングの上に座る。スマホを持っているわけだが使う気にはなれずテレビを見ることにした。
「おか?オカルト?」
「……あ、秘学とか神秘的なものとかそういうの。あとは超常現象だったり未確認生物とかも入るかな」
それまでボーッとしていたヒカルが答える。こいつさっきから何を考えていたんだ?
「へえ」
そう言いながらテレビを見る。テーブルにあるチョコ棒菓子を取ろうとする。残り1本だ。
アナリスにとられた。一瞬相手の方が早かったのだ。アナリスの顔を見るが平然としたまま変わらない。
俺は顔をしかめた後再びテレビに顔を向ける。
「わあ!見てください!」
カノンが声を上げる。テレビに映ったのは白い灯台のような建造物。
「すごくないですか!?あんなに高いんですよ!」
カノンは珍しく一人はしゃいでいる。その反応が幼さがあってかわいい。
「「へえ、いいじゃん」」
アナリスとヒカルがハモるようにして言う。そしてお互い顔を見つめて
「ハモったな」
「そうだね」
と微妙な空気へと変わる。
「で、あれは…ワシントンモニュメントか。アメリカだね。でもこれオカルト番組のはずなんだが」
ふとテレビの画面が切り替わる。そのことを俺はヒカルに伝える。
「スミソニアン博物館に行くって言い出してるよ」
「スミソニアン博物館か…ああ、なるほど」
ヒカルは謎の微笑を浮かべる。そして中に入っていく映像が映し出される。
「もしかして怖かったりするか?」
俺が一応さっきの説明を聞いたことからヒカルにそう聞く。
「まあ多分大丈夫だよ」
ヒカルはそう言っているが何故か笑っている。
(ハメようとしてんのか?)
心の中でそう呟くと俺はマジマジとテレビを見る。32インチのテレビに博物館内部が映し出されていく。そして…
CM。
家の広さとしては普通の一軒家、二階もついている。白を基調としていてヒカル曰く近代的な家だと言う。そしてこの世界における生活必需品は大体が揃ってあるから便利だ。
とまあ生まれた世界が違う俺からしたら地球での生活は快適この上ないと思う…訂正、何もなければ快適だ。訳分からん奴らに襲われたり、魔王がこっちの世界に転生してきたこと以外はな。大体なんで俺達が魔王を…
そんなことを一人浴槽で考える寂しい男が俺なわけだが。
さてそろそろかなと俺は浴槽から外に出て、パジャマに着替え、ドライヤーで髪を乾かす。
風呂とは快適なもので身をさっぱりとできる。俺達の世界では風呂はなく、魔法でどうにかしろの精神だった。魔力は一晩寝れば全回復!だから全部使っちゃえ!がモットーだったから文明が進歩しなかったのでは…?
「おーい、上がったぞー」
「もう皆入ったー」
「あー、そうだったな。風呂掃除は?」
「ガイムがしてきてー」
さてアナリスにきついことを言われたわけだが、風呂掃除ということを未経験の俺はどうするか。
答えは簡単。魔法を使えば!
「あ、そうだー。そこによく汚れがとれる洗剤置いてあるからそれ使ってねー、シャワーかければすぐとれるからー」
…………
(ヌオー)ゴシゴシ
かくして作業を終えた俺はリビングに行くとスマホをいじるアナリス、テレビを夢中で見るカノン、ボーッと上を見ているヒカル、そして…
「こいつこのままでいいの?」
「寝る時運ぶ。今9時だから…もう少ししたらね」
キルアがソファの真ん中で十の字になるように寝ていた。邪魔。
仕方ないのでフローリングの上に座る。スマホを持っているわけだが使う気にはなれずテレビを見ることにした。
「おか?オカルト?」
「……あ、秘学とか神秘的なものとかそういうの。あとは超常現象だったり未確認生物とかも入るかな」
それまでボーッとしていたヒカルが答える。こいつさっきから何を考えていたんだ?
「へえ」
そう言いながらテレビを見る。テーブルにあるチョコ棒菓子を取ろうとする。残り1本だ。
アナリスにとられた。一瞬相手の方が早かったのだ。アナリスの顔を見るが平然としたまま変わらない。
俺は顔をしかめた後再びテレビに顔を向ける。
「わあ!見てください!」
カノンが声を上げる。テレビに映ったのは白い灯台のような建造物。
「すごくないですか!?あんなに高いんですよ!」
カノンは珍しく一人はしゃいでいる。その反応が幼さがあってかわいい。
「「へえ、いいじゃん」」
アナリスとヒカルがハモるようにして言う。そしてお互い顔を見つめて
「ハモったな」
「そうだね」
と微妙な空気へと変わる。
「で、あれは…ワシントンモニュメントか。アメリカだね。でもこれオカルト番組のはずなんだが」
ふとテレビの画面が切り替わる。そのことを俺はヒカルに伝える。
「スミソニアン博物館に行くって言い出してるよ」
「スミソニアン博物館か…ああ、なるほど」
ヒカルは謎の微笑を浮かべる。そして中に入っていく映像が映し出される。
「もしかして怖かったりするか?」
俺が一応さっきの説明を聞いたことからヒカルにそう聞く。
「まあ多分大丈夫だよ」
ヒカルはそう言っているが何故か笑っている。
(ハメようとしてんのか?)
心の中でそう呟くと俺はマジマジとテレビを見る。32インチのテレビに博物館内部が映し出されていく。そして…
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