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第46話 ヴュルツブルクの戦い(2)
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「ゴブリン、オーク。そして…あとは何 だ?アナリス」
「ヒカルがなんで分かるんだよ」
「え?お前らの世界でもそう呼ぶのか。じゃああれはダンジョンだったり?」
「マジか。当たってるよ」
ヴュルツブルクは俺達がいた街並みと似ていてまるで俺達がもとの世界で突如として現れたダンジョンを攻略しようとしている図に見える。だが俺はダンジョンに入ったことはなく、名前だけは知っている程度だ。
「あの中には何かあったりするのか?」
「魔物の中枢が潜んでいて…」
そこまで言った時だ。拳銃の発砲音が辺りに響く。咄嗟に俺達は地面にしゃがみ込んでその音がした方を見ると警察官二人がパトカーの影に隠れて魔物達に銃を向け、発砲している。二人共相当焦っているのか一番近い魔物に向けて手当たり次第に発砲している。
撃たれた魔物ことゴブリン、緑色で耳が尖った例のアレは緑色の体液を出しながら倒れる。だがそのことが刺激となったのかそれまでは自由奔放だった魔物達は一斉に警察官の方へと向かう。
警察官二人もマガジン内の弾丸がなくなったのか急いでマガジンを入れ替えようとするが、その間に魔物達はどんどん近づいてくる。
そして再び銃を向けた時には目の前には人間大の魔物のオーク、茶色味を浴びた毛皮をし、豚を人間化したようなその怪物は手に持った斧を振り落とす。
警察官達は咄嗟に躱して難を逃れたがオークの一撃によりパトカーの天井は潰され、座席に無造作に散らばる。警察官二人は敵わないと悟ったのか走って逃げ出す。というか拳銃で倒せないほどのゴブリンがパトカーの影から飛び出しているからこの判断は当然である。
そして俺達は警察官二人に気を取られ、後ろにいた一つ目の灰色の巨人に気がつかなかった。その巨人はダンジョンのトンネルに入るギリギリのサイズであり、手にはその巨体に見合った大きくてゴツゴツした鉄のこん棒を持っている。
「危ない!」
アナリスが何かの魔法で巨人の動きを止める。そしてアナリスが手を横に振るとその巨人は地面へバターンと音をたてて倒れる。
「まずいなぁ。カノン今から装備出すよ![物体召喚]!」
アナリスはそう言うとカノンがニューヨークでつけていたソードベルト(そう言えばいつの間にかつけていなかったな)と鎧を目の前に出現させる。
「鎧着てる暇ないから剣だけで今はお願い。とりあえず襲ってくるやつは全部倒す、いいね!?」
「あわわ…あたしどうすれば」
「アナリス、奴らの弱点とかある?なければ目を狙う」
「ちょっ!?俺はどうすればいいのさ?」
「ガイムは下位魔法で援護して。[炎]くらい出せるでしょ!?ゴブリンやオークになら効くからよろしく。あと奴らに弱点はないし、目を撃っても復活するから足を撃って」
「了解。足を狙うのね」
「下位魔法が効くか分からないけどやってみる」
「えーい、こうなればヤケクソだあ!あたしだって大盗賊って言われてるんだよ!」
「巨人は私に任せてください」
かくして戦闘は始まった。まずヒカルは手際よくゴブリンの足に狙いを定め発泡する。ゴブリンはバランスを崩し、地面へと倒れる。
カノンは[物体収集]で預かってもらっていた剣を使い、巨人の腕を斬り刻んでいく。
アナリスは巨大な炎の玉を手の平に造り、それをダンジョンの方に向けて撃つ。炎はうねりながら辺りを燃やし尽くしていく。それにより足を撃たれたゴブリンやオーク達が巻き込まれ次々と灰に変わっていくが、巨人の体には効いていないようだ。
「ジャイアントには[焔]は効かないんだよなぁ」
アナリスは独り言を言っているが、その焔は車を溶かすほどの熱を持っている。だがジャイアントには効いていないということはあいつは相当の化け物となる。
そして俺はというと下位魔法の[炎]や[風]で建物に登っている奴に当てて落としたり、近づかせないようにしてるがぶっちゃけヒカルと同じことをしているし、あと地味すぎる。
期待の新戦力、キルアはというと…手に持ったサバイバルナイフの柄を右手の人差し指と中指の間に挟み、そして他の指の間、つまり7本のナイフがそれぞれの指の間に挟まる。なんだそれ!?そのナイフどっから出てきた!?
「喰らえ!」
キルアはそう言うと、ナイフを奴らの頭目掛けて投げる。投げたナイフはゴブリンやオークの頭、そしてジャイアントの目に直撃し、ゴブリンやオークはそのままバタリと倒れ動かなくなるが、ジャイアントは目を抑えてうずくまり、まだ死んでいないのであった。だがキルアは素早く巨人に近づくと、巨人の頭に飛び乗り目に刺さったナイフを押し出す。すると目に刺さったナイフは貫通し、巨人もバターンと倒れる。
「クソ!多いなぁ」
アナリスが声を発した時、ダンジョン内から大量のゴブリンとオークが現れる。うじゃうじゃした群団が出てきた後は巨人が顔を覗かせながら外に出てくる。
「第2ラウンドかな」
ヒカルはそう言うと弾倉を入れ替える。
「ヒカルがなんで分かるんだよ」
「え?お前らの世界でもそう呼ぶのか。じゃああれはダンジョンだったり?」
「マジか。当たってるよ」
ヴュルツブルクは俺達がいた街並みと似ていてまるで俺達がもとの世界で突如として現れたダンジョンを攻略しようとしている図に見える。だが俺はダンジョンに入ったことはなく、名前だけは知っている程度だ。
「あの中には何かあったりするのか?」
「魔物の中枢が潜んでいて…」
そこまで言った時だ。拳銃の発砲音が辺りに響く。咄嗟に俺達は地面にしゃがみ込んでその音がした方を見ると警察官二人がパトカーの影に隠れて魔物達に銃を向け、発砲している。二人共相当焦っているのか一番近い魔物に向けて手当たり次第に発砲している。
撃たれた魔物ことゴブリン、緑色で耳が尖った例のアレは緑色の体液を出しながら倒れる。だがそのことが刺激となったのかそれまでは自由奔放だった魔物達は一斉に警察官の方へと向かう。
警察官二人もマガジン内の弾丸がなくなったのか急いでマガジンを入れ替えようとするが、その間に魔物達はどんどん近づいてくる。
そして再び銃を向けた時には目の前には人間大の魔物のオーク、茶色味を浴びた毛皮をし、豚を人間化したようなその怪物は手に持った斧を振り落とす。
警察官達は咄嗟に躱して難を逃れたがオークの一撃によりパトカーの天井は潰され、座席に無造作に散らばる。警察官二人は敵わないと悟ったのか走って逃げ出す。というか拳銃で倒せないほどのゴブリンがパトカーの影から飛び出しているからこの判断は当然である。
そして俺達は警察官二人に気を取られ、後ろにいた一つ目の灰色の巨人に気がつかなかった。その巨人はダンジョンのトンネルに入るギリギリのサイズであり、手にはその巨体に見合った大きくてゴツゴツした鉄のこん棒を持っている。
「危ない!」
アナリスが何かの魔法で巨人の動きを止める。そしてアナリスが手を横に振るとその巨人は地面へバターンと音をたてて倒れる。
「まずいなぁ。カノン今から装備出すよ![物体召喚]!」
アナリスはそう言うとカノンがニューヨークでつけていたソードベルト(そう言えばいつの間にかつけていなかったな)と鎧を目の前に出現させる。
「鎧着てる暇ないから剣だけで今はお願い。とりあえず襲ってくるやつは全部倒す、いいね!?」
「あわわ…あたしどうすれば」
「アナリス、奴らの弱点とかある?なければ目を狙う」
「ちょっ!?俺はどうすればいいのさ?」
「ガイムは下位魔法で援護して。[炎]くらい出せるでしょ!?ゴブリンやオークになら効くからよろしく。あと奴らに弱点はないし、目を撃っても復活するから足を撃って」
「了解。足を狙うのね」
「下位魔法が効くか分からないけどやってみる」
「えーい、こうなればヤケクソだあ!あたしだって大盗賊って言われてるんだよ!」
「巨人は私に任せてください」
かくして戦闘は始まった。まずヒカルは手際よくゴブリンの足に狙いを定め発泡する。ゴブリンはバランスを崩し、地面へと倒れる。
カノンは[物体収集]で預かってもらっていた剣を使い、巨人の腕を斬り刻んでいく。
アナリスは巨大な炎の玉を手の平に造り、それをダンジョンの方に向けて撃つ。炎はうねりながら辺りを燃やし尽くしていく。それにより足を撃たれたゴブリンやオーク達が巻き込まれ次々と灰に変わっていくが、巨人の体には効いていないようだ。
「ジャイアントには[焔]は効かないんだよなぁ」
アナリスは独り言を言っているが、その焔は車を溶かすほどの熱を持っている。だがジャイアントには効いていないということはあいつは相当の化け物となる。
そして俺はというと下位魔法の[炎]や[風]で建物に登っている奴に当てて落としたり、近づかせないようにしてるがぶっちゃけヒカルと同じことをしているし、あと地味すぎる。
期待の新戦力、キルアはというと…手に持ったサバイバルナイフの柄を右手の人差し指と中指の間に挟み、そして他の指の間、つまり7本のナイフがそれぞれの指の間に挟まる。なんだそれ!?そのナイフどっから出てきた!?
「喰らえ!」
キルアはそう言うと、ナイフを奴らの頭目掛けて投げる。投げたナイフはゴブリンやオークの頭、そしてジャイアントの目に直撃し、ゴブリンやオークはそのままバタリと倒れ動かなくなるが、ジャイアントは目を抑えてうずくまり、まだ死んでいないのであった。だがキルアは素早く巨人に近づくと、巨人の頭に飛び乗り目に刺さったナイフを押し出す。すると目に刺さったナイフは貫通し、巨人もバターンと倒れる。
「クソ!多いなぁ」
アナリスが声を発した時、ダンジョン内から大量のゴブリンとオークが現れる。うじゃうじゃした群団が出てきた後は巨人が顔を覗かせながら外に出てくる。
「第2ラウンドかな」
ヒカルはそう言うと弾倉を入れ替える。
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