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第39話 最高機密機関(2)
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「異世界だと?」
国防長官はそれを聞いて、最初は冗談だと思った。宇宙人のほうがまだマシだとも。
だが、冗談として笑い飛ばす訳にはいかない。
目の前には国防長官という立場にありながら名前1つ聞いたことのない組織から来た男とニューヨークの惨状があるからだ。
「えぇ、異世界の産物でしょう。ニューヨークの奴以外にも我々の常軌を覆すものもいます。何故地球にいるのか、どうやって地球に来たのかは全くと言っていいほど未知の領域です」
「研究をしているのだろう?少しでも分かったことはあったのではないか?」
「中世イギリス。魔女狩り真っ最中の時に人間がいたとのことです。異世界の。その人間はまさしく魔女だったとも。性別は男らしいですがね」
フォードはその後国防長官が何か聞いてくるの待たずに静かに語る。
「我々には辿り着けない領域とも言えます。時のCIA長官によって行われた極秘の計画が外部に漏れ出したこともある。ほんの一部に過ぎないし、我々が魔法を使えるようになるためにそれを行ったと言うことをおそらく平和な気でいる人々は知らない」
「魔法だと?」
「えぇ、中世イギリスの記録を見る限り、異世界の人間は魔法が使えるとの結論です。具体的に言えば魔法学校があって鼻のない灰色の人間の皮を被った悪魔を倒す物語がありますでしょう。そこに出てくる魔法は現実にもありえるということです」
「このことは大統領には伝えているのか?話を聞く限りこの国だけの問題ではないはずだ」
「大統領にはまだ伝えていません。私があなたにこの事を伝えた理由は、東シナ海に在留している第7艦隊を撤退させ、第三次世界大戦の勃発を防ぐためです。国際連合が役に立たなくなれば我々の組織の壊滅も意味するのでね」
「それがここに来た理由という訳か」
「それもありますが…ここからは極秘中の極秘の情報です」
フォードは頭を少し掻いたあと
「ニューヨークの地下鉄。正確にはウォールストリート駅の防犯カメラに映っていた映像です。2022年7月11日の」
フォードはそう言うと手に持っていた大きな黒のバッグから銀色のノートパソコンを取り出す。言わずもがなという感じでパソコンを開きファイルをクリックする。
その映像は無造作に止めてある車と誰もいない道路が映し出され、ウォールストリート駅の入口が瓦礫に埋まっているところから始まる。
そこに1人の男がやってくる。周りでは既に爆音の協奏曲が始まっている。
その男はジャージ姿の男だ。茶色味がかかった髪をしていてまだ若い。
だが、特筆すべきはそこではない。
その男は手から紫色の光を発していた。瓦礫に手をかざして何かをしている。
すると瓦礫は少しくらいだろうか。宙に浮いていた。
よく見なければ分からないが瓦礫の下には瓦礫の影があった。
その男は数分間瓦礫と格闘したようだが、やがて諦めたかのように見える。
だが不意に顔を上げ、再び紫色の光を発すると、無造作に散らばった瓦礫が1つの瓦礫へとまとめられる。
そこにまた1人の人間が来る。女だろうか。紫色の髪と魔女が着るような黒の服を来ている。そしてその女は浮いていた。字の如く地面に足をつけていなかった。そしてこの女もまだ若い。二人とも10代くらいだろうか。
男と女は何か話すとその場を立ち去って行く。映像はここで終了する。
「…ニューヨークが火の海になる前にかろうじて回収したデータです」
「これは一体…」
「中世イギリスに現れた魔女男。それが今この世界に再び現れたということです。ニューヨークの化け物、いい加減名前をつけたいですが、それの迎撃を任されたF-22のパイロットが4人の人間を見たと答えています。1人は紫色の髪だったとも思うと」
「そんな事が本当に…」
「我々もこれには驚きました。ですが我々の新しい方針もできました。彼らを生け捕りにするという方針を」
フォードは不吉な笑みを浮かべた。
国防長官はそれを聞いて、最初は冗談だと思った。宇宙人のほうがまだマシだとも。
だが、冗談として笑い飛ばす訳にはいかない。
目の前には国防長官という立場にありながら名前1つ聞いたことのない組織から来た男とニューヨークの惨状があるからだ。
「えぇ、異世界の産物でしょう。ニューヨークの奴以外にも我々の常軌を覆すものもいます。何故地球にいるのか、どうやって地球に来たのかは全くと言っていいほど未知の領域です」
「研究をしているのだろう?少しでも分かったことはあったのではないか?」
「中世イギリス。魔女狩り真っ最中の時に人間がいたとのことです。異世界の。その人間はまさしく魔女だったとも。性別は男らしいですがね」
フォードはその後国防長官が何か聞いてくるの待たずに静かに語る。
「我々には辿り着けない領域とも言えます。時のCIA長官によって行われた極秘の計画が外部に漏れ出したこともある。ほんの一部に過ぎないし、我々が魔法を使えるようになるためにそれを行ったと言うことをおそらく平和な気でいる人々は知らない」
「魔法だと?」
「えぇ、中世イギリスの記録を見る限り、異世界の人間は魔法が使えるとの結論です。具体的に言えば魔法学校があって鼻のない灰色の人間の皮を被った悪魔を倒す物語がありますでしょう。そこに出てくる魔法は現実にもありえるということです」
「このことは大統領には伝えているのか?話を聞く限りこの国だけの問題ではないはずだ」
「大統領にはまだ伝えていません。私があなたにこの事を伝えた理由は、東シナ海に在留している第7艦隊を撤退させ、第三次世界大戦の勃発を防ぐためです。国際連合が役に立たなくなれば我々の組織の壊滅も意味するのでね」
「それがここに来た理由という訳か」
「それもありますが…ここからは極秘中の極秘の情報です」
フォードは頭を少し掻いたあと
「ニューヨークの地下鉄。正確にはウォールストリート駅の防犯カメラに映っていた映像です。2022年7月11日の」
フォードはそう言うと手に持っていた大きな黒のバッグから銀色のノートパソコンを取り出す。言わずもがなという感じでパソコンを開きファイルをクリックする。
その映像は無造作に止めてある車と誰もいない道路が映し出され、ウォールストリート駅の入口が瓦礫に埋まっているところから始まる。
そこに1人の男がやってくる。周りでは既に爆音の協奏曲が始まっている。
その男はジャージ姿の男だ。茶色味がかかった髪をしていてまだ若い。
だが、特筆すべきはそこではない。
その男は手から紫色の光を発していた。瓦礫に手をかざして何かをしている。
すると瓦礫は少しくらいだろうか。宙に浮いていた。
よく見なければ分からないが瓦礫の下には瓦礫の影があった。
その男は数分間瓦礫と格闘したようだが、やがて諦めたかのように見える。
だが不意に顔を上げ、再び紫色の光を発すると、無造作に散らばった瓦礫が1つの瓦礫へとまとめられる。
そこにまた1人の人間が来る。女だろうか。紫色の髪と魔女が着るような黒の服を来ている。そしてその女は浮いていた。字の如く地面に足をつけていなかった。そしてこの女もまだ若い。二人とも10代くらいだろうか。
男と女は何か話すとその場を立ち去って行く。映像はここで終了する。
「…ニューヨークが火の海になる前にかろうじて回収したデータです」
「これは一体…」
「中世イギリスに現れた魔女男。それが今この世界に再び現れたということです。ニューヨークの化け物、いい加減名前をつけたいですが、それの迎撃を任されたF-22のパイロットが4人の人間を見たと答えています。1人は紫色の髪だったとも思うと」
「そんな事が本当に…」
「我々もこれには驚きました。ですが我々の新しい方針もできました。彼らを生け捕りにするという方針を」
フォードは不吉な笑みを浮かべた。
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