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第31話 アフガニスタン(2)
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オスカー3というオスプレイが謎の砂ぼこりを見つけたことを管制室に伝えた時
管制室でも、とある騒ぎが起きていた。
事の発端は10分前、無人偵察機グローバルホークが敵組織の基地の偵察を行った時から始まる。
「大佐。グローバルホークの偵察で問題が発生しました」
1人の兵士がこの基地の指揮官でもあるアルフレッド大佐を呼ぶ。
「どれだ?見せろ」
大佐は近くに駆け寄ると、まだ若い兵士にそう言う。
そこには山岳地帯を飛行する無人機からのカメラの映像が映し出される。やがて無人機ことグローバルホークは旋回すると山岳に囲まれたとある基地が映る。
その基地には、目立った建物はなく、滑走路すらないものだが、何より以上なのはその基地の中から黒炎があちこちであがっていることだ。
アルフレッド大佐はこの様子を見た後、その若い兵士に「続けてその辺りを偵察してくれ」と命じた後、記録保管室へと向かいながら、そこにいる若い兵士達に再び声をかける。
「偵察地点A13への攻撃記録はあるか?すぐに調べてくれ!」
若い兵士達は数ある記録用紙の中からアルフレッド大佐が求める記録用紙を探す。
やがて1人の兵士が分厚いとも薄いとも言えないファイルを手にして中を調べる。
アルフレッド大佐はその兵士のもとへと駆け寄る。
「偵察地点A13への攻撃は記録にある限り行っていません」
「ならその地点での武器の流れや敵組織の動きも調べてくれ。ニューヨークの件もあるからな」
この頃になるとニューヨークの件は、この辺境の地でも届いていたが、現場の兵士の多くは知らないままだ。指揮を維持するためだ。
若い兵士は再びファイルへと目を通す作業に映った。
そして…
「大佐。着陸準備中のオスカー3が謎の砂ぼこりを確認。偵察機を要求しています」
「砂ぼこり?砂漠だから当たり前に起こることじゃないか?」
「いえ、中心部に何かがいそうだと言うことです」
「何か?レーダーの反応はないのか?」
「いえ、今のところレーダーに異常はありません」
別の兵士がレーダーのことを答える。
「ふむ。まぁ分かった。念の為ということもあるからな。すぐに現場にコマンチを送れ。方角と距離も確かめさせろ」
「分かりました」
アルフレッド大佐はこの時嫌な予感を感じていた。まず敵組織の基地の壊滅。
あちこちで炎上していたその基地は、事故による自爆ではないということを物語っていた。何故なら建物自体はほぼ無傷だったからである。
そして車両が乱雑に置かれているのを鮮明ではないが、わずかながらに確認した。まるで何かと戦闘をしていたような…
「何か情報は入ったか?無人機は?」
「いえ、ありません。現在赤外線による操作を行っていますが、生きている人間は今1人として見つけていません。」
「現在リッター1が発進。現場へ向かわせます!」
別の兵士が大佐に向かってだろうか大きい声でそう言う。
____________________
その地点の砂ぼこりは常軌を逸していた。砂ぼこりは一点にではなく四方八方に散らばっており、ヘリコプターから見える視界を悪くさせていた。
「こちらリッター1。凄まじい砂ぼこりだ。探索航行装置を機能させる」
パイロットは管制室にそう言うと、装置を起動させる。
現在は生産が中止になったRAH-66 コマンチだったがその性能としては上の方を行くため、中東諸国の米軍基地では今も使われている。
予算の都合という意見もあるが。
「こちらリッター1。観測できない。砂ぼこりの様子も特には…」
その時だ。砂ぼこりがスピードをあげて基地へと向かい出したのだ。
「おいまずいぞ!こちらリッター1。砂ぼこりが移動のスピードを上げた。速いぞ!」
『リッター1。現在の状況は?』
「現在高度250mで観測中。あのスピードだったらもうすぐ基地につく!何か指示を!」
するとオペレーターの声とは違った別の声が発せられる。
『すぐに地上部隊に基地の防衛をさせろ!急げ!』
アルフレッド大佐の声が無線越しにコマンチの中に響いた。
____________________
コックピットから見える景色でコマンチが砂ぼこりに向かうのをアレックスは座って見ていた。
「もうすぐ着陸するぞ!」
オスプレイのパイロットはそう言うと、機体を降下させる。
それに合わせてアレックス達も降りる準備をする。
機体が完全に地面についた時には、既に準備を整えており、やがてオスプレイの後部ハッチが開くと、ぱっと外に出る。
アレックス達が外に出た時と同じくらいだろうか。
突如として敵の接近を知らせる警報が基地内に響き渡る。
それに気づいた兵士達は、すぐに銃に弾をこめ、徒歩もしくはハンヴィーでF-16が配置されてある場所の近くへと向かう。
「おい!何があったんだ!?」
アレックスは近くを走っていた若い兵士にそう聞くと、兵士は答える。
「あの砂ぼこりのスピードが上がってこっちへ向かって来ています!あと5分後には到着とのこと!」
それを聞いたアレックスは表情に変えずに
「俺達もすぐに行く!皆敵襲だ!すぐに向かうぞ!」
「アレク!こっちだ!」
ロイドの声の方にアレックス達はすぐに向かった。
管制室でも、とある騒ぎが起きていた。
事の発端は10分前、無人偵察機グローバルホークが敵組織の基地の偵察を行った時から始まる。
「大佐。グローバルホークの偵察で問題が発生しました」
1人の兵士がこの基地の指揮官でもあるアルフレッド大佐を呼ぶ。
「どれだ?見せろ」
大佐は近くに駆け寄ると、まだ若い兵士にそう言う。
そこには山岳地帯を飛行する無人機からのカメラの映像が映し出される。やがて無人機ことグローバルホークは旋回すると山岳に囲まれたとある基地が映る。
その基地には、目立った建物はなく、滑走路すらないものだが、何より以上なのはその基地の中から黒炎があちこちであがっていることだ。
アルフレッド大佐はこの様子を見た後、その若い兵士に「続けてその辺りを偵察してくれ」と命じた後、記録保管室へと向かいながら、そこにいる若い兵士達に再び声をかける。
「偵察地点A13への攻撃記録はあるか?すぐに調べてくれ!」
若い兵士達は数ある記録用紙の中からアルフレッド大佐が求める記録用紙を探す。
やがて1人の兵士が分厚いとも薄いとも言えないファイルを手にして中を調べる。
アルフレッド大佐はその兵士のもとへと駆け寄る。
「偵察地点A13への攻撃は記録にある限り行っていません」
「ならその地点での武器の流れや敵組織の動きも調べてくれ。ニューヨークの件もあるからな」
この頃になるとニューヨークの件は、この辺境の地でも届いていたが、現場の兵士の多くは知らないままだ。指揮を維持するためだ。
若い兵士は再びファイルへと目を通す作業に映った。
そして…
「大佐。着陸準備中のオスカー3が謎の砂ぼこりを確認。偵察機を要求しています」
「砂ぼこり?砂漠だから当たり前に起こることじゃないか?」
「いえ、中心部に何かがいそうだと言うことです」
「何か?レーダーの反応はないのか?」
「いえ、今のところレーダーに異常はありません」
別の兵士がレーダーのことを答える。
「ふむ。まぁ分かった。念の為ということもあるからな。すぐに現場にコマンチを送れ。方角と距離も確かめさせろ」
「分かりました」
アルフレッド大佐はこの時嫌な予感を感じていた。まず敵組織の基地の壊滅。
あちこちで炎上していたその基地は、事故による自爆ではないということを物語っていた。何故なら建物自体はほぼ無傷だったからである。
そして車両が乱雑に置かれているのを鮮明ではないが、わずかながらに確認した。まるで何かと戦闘をしていたような…
「何か情報は入ったか?無人機は?」
「いえ、ありません。現在赤外線による操作を行っていますが、生きている人間は今1人として見つけていません。」
「現在リッター1が発進。現場へ向かわせます!」
別の兵士が大佐に向かってだろうか大きい声でそう言う。
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その地点の砂ぼこりは常軌を逸していた。砂ぼこりは一点にではなく四方八方に散らばっており、ヘリコプターから見える視界を悪くさせていた。
「こちらリッター1。凄まじい砂ぼこりだ。探索航行装置を機能させる」
パイロットは管制室にそう言うと、装置を起動させる。
現在は生産が中止になったRAH-66 コマンチだったがその性能としては上の方を行くため、中東諸国の米軍基地では今も使われている。
予算の都合という意見もあるが。
「こちらリッター1。観測できない。砂ぼこりの様子も特には…」
その時だ。砂ぼこりがスピードをあげて基地へと向かい出したのだ。
「おいまずいぞ!こちらリッター1。砂ぼこりが移動のスピードを上げた。速いぞ!」
『リッター1。現在の状況は?』
「現在高度250mで観測中。あのスピードだったらもうすぐ基地につく!何か指示を!」
するとオペレーターの声とは違った別の声が発せられる。
『すぐに地上部隊に基地の防衛をさせろ!急げ!』
アルフレッド大佐の声が無線越しにコマンチの中に響いた。
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コックピットから見える景色でコマンチが砂ぼこりに向かうのをアレックスは座って見ていた。
「もうすぐ着陸するぞ!」
オスプレイのパイロットはそう言うと、機体を降下させる。
それに合わせてアレックス達も降りる準備をする。
機体が完全に地面についた時には、既に準備を整えており、やがてオスプレイの後部ハッチが開くと、ぱっと外に出る。
アレックス達が外に出た時と同じくらいだろうか。
突如として敵の接近を知らせる警報が基地内に響き渡る。
それに気づいた兵士達は、すぐに銃に弾をこめ、徒歩もしくはハンヴィーでF-16が配置されてある場所の近くへと向かう。
「おい!何があったんだ!?」
アレックスは近くを走っていた若い兵士にそう聞くと、兵士は答える。
「あの砂ぼこりのスピードが上がってこっちへ向かって来ています!あと5分後には到着とのこと!」
それを聞いたアレックスは表情に変えずに
「俺達もすぐに行く!皆敵襲だ!すぐに向かうぞ!」
「アレク!こっちだ!」
ロイドの声の方にアレックス達はすぐに向かった。
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