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第22話 VSワイバーン in ニューヨーク(7)

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「こちらラプター01。目標を見る限り全弾命中した。ダメージは確認できない。旋回する」

戦闘機のパイロットは、ペンタゴンにそう伝えると、ビル群を抜けハドソン川上空へと戻る。

「こちらラプター02。目標が動かないが死んだか分からない。そっちはどうだ?」

「ラプター03。同じく確認できない」

F-22 ラプターのパイロット同士の会話が空中で行われる。

やがて煙が晴れ、サイドワインダーミサイルを最初に打ったパイロットが声を出す。

「おいおい、マジかよ。まだ生きてやがる…」

独り言ともとれるこのセリフは、ペンタゴン、そして他のパイロットを戦慄させた。

「こちらラプター01。目標にダメージは入ってるが、まだ動いている。続けてミサイルを打つ」

『了解だ。ラプター全機、目標の顔面を吹き飛ばしてやれ』

おそらくペンタゴンにいるであろうアメリカ統合参謀本部議長の声がコックピットに響く。

3機ずつに左右に分かれた戦闘機が再び合流する。そしてまた謎の生物へと向かっていく。
そいつはまだ動いておらず、ただこっちをじっと見つめるような素振りをしていた。

次の瞬間。そいつの口の中がオレンジ色に光る。

「まずい!ラプター全機。回避しろ!」

先頭のパイロットが気づき、声を上げる。

その声に反応して、6機の戦闘機それぞれが、その謎の生物の正面から避ける。

誰もが奴が炎を吐くかと思われた。だが次の瞬間……

_________________

その空中の物体は、3機ずつに分かれて飛行していた。

「また攻撃するっぽいね…あれ?」

アナリスが何かに気づく。

「どうしたの?」

「いや、なんかさ」

アナリスは声を濁して言う。

「体若干赤くなってない?」

「えっ?」

アナリスに言われ、ワイバーンを見てみる。
確かにさっきと比べると、微妙に赤くなっている気がする。まるで何かを貯め込んでいるみたいな…
ちょっと待て。もしそうだとしたら…

「おっとぉ、やばいな。また炎吐いたらいつまで奴の羽を抑えつけられる量の魔力がいるか分からなくなるな」

「え?羽?飛べんの?」

「それさっきヒカルも言ってたけど、普通に飛べるよ。あんたワイバーン見たことないの?」

アナリスはめんどくさそうにそう言う。

「とにかくなんとか止めないと…ねぇ」

「何?」

「ガイムはさぁ。どっちがいいと思う?」

「どっちって?」

「1つ目は、魔法で串刺しにする。これだともしかしたら再生するかも。それのあれに乗っている人達に私達のことがバレる」

あれとは空を飛んでいるあれ(語彙力消失)のことだろう。
それよりあれ人が乗っているのかよ。

「倒せないなら意味ないと思うけど」

「よし、じゃあ次のプランね。それじゃあ派手にやるかぁ」

そう言うと、アナリスは両手を合わせる。
するとワイバーンの隣のビルの柱が崩れ始める。

「おいおいおいおい、一体何する気?」

「あのビルを崩して、生き埋めにする。さっきまで人がいたからできなかったけど今ならできる」

なんだ…と…?そんなことが可能なのか?てか生き埋めって…

上空では飛行機部隊(勝手にそう決めつけた)が、再び集合しようとしていた。

これは…

「また攻撃するっぽいけど。その前に炎吐かれたら終わりだね」

アナリスはそう言いながら、次々とビルの柱を破壊していく。

飛行機部隊は、ワイバーンの方へ向かっている。それに対してワイバーンは、落とす気満々のようだ。ずっと見つめている。

「よし、オッケー。間に合え」

アナリスは短くそう言うと、ビルがワイバーンの方へと倒れる。ワイバーンは為す術なく、そのままビルの下敷きとなる。


その後ワイバーンの周りには瓦礫の山ができたが、ワイバーンが生き埋めとなった場所からは、何かが動く気配が全くなかった。

どうやら俺達は…

「ふぅ。終わったぁ。私を生き埋めにしようとしたお返しだよ」

アナリスは疲れ切ったような表情でそう言う。

俺達の上空を飛行機部隊の一部が通り過ぎて行く。




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