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14 杏樹のしたたかさ
しおりを挟む蓮と桜が杏樹を連れて王城に戻るための準備中に
蘭華が信頼に値する者達だと連れてきた獣人達を紹介され
私の前に並び膝を付いた。
「王女杏樹様! お初にお目通りします。
私はヒョウ族の空牙くうがと申します。
王女様は覚えておいでかは分かりませんが
以前王都の城下町でお会いしております。あの時は 大変失礼いたしました。
王女様とは知らず お身体に触り あなた様を危険に晒してしまいました。
申し開きもありません。
今回 蘭華様の計らいでお近づきになれたことを光栄に思います。
これを機にお側にお仕えする栄誉を私に頂きとうございます。」
漆黒の黒色の髪の色と頭に出ている丸みがある黒い耳
そして長くヒョウ柄特有の斑点が色濃く出ている黒い尻尾を持ち
エメラルドグリーンの瞳をした者が最初に話しかけてきた。
この時の私は まだ知るよしもなかった。
遠くもなく近くもない未来に私にとって空牙は愛してやまない
3人目の旦那様になることを・・・・
他の獣人達がその後 型にはまったような挨拶をし 私の護衛に徹した。
昂牙によって軟禁されていた屋敷を出ると
外にはエルフの長 二ノ森 然 が待機していた。
「王女杏樹様! ご無事で何よりです。
少しばかり私目に時間の猶予をお与え下さい。」と膝を付きながら告げた。
私は無言で頷いた。
「ありがとうございます。 では! 失礼します。
桜花! 私が言いたいこと分かっているだろう!?
抜かるな!と伝えたつもりだが? どう言うことか聞かせてもらうぞ!
良い言い訳でも考えておくんだな!!」と いきなり桜に激昂を放った。
威厳に満ちた態度で立つエルフの長 二ノ森 然 に
私は
「待ってっ!! 何で? 桜が怒られてるの?
私が拐われたのは 私の不注意だから!!
その事で桜と蓮が 責められるのは 私! 納得いかない!!
怒られるのはむしろ私の方でしょ? ねぇ!違う?
私!分からないから 教えて!」と
満面の笑みを浮かべエルフの長に詰め寄った。
「これは けじめでして・・・
桜花の認識の再確認みたいなもので・・・つまり その・・・」
エルフの長の返答を聞きながら 長の腕に自分の腕を絡ませ
顔を除き込んでいた。
「だったらもう桜のこと怒らない?
今回は私が悪いの!! 分かってくれたかしら? 叔父さま!」
クスクス笑いながら私は長を見た。
「杏樹様の仰せのままに。」
「ありがとうございます。叔・父・さ・ま!」 伝えた。
その光景を見ていた蓮と桜は 呆気にとられていた。
蘭華は優しい眼差しを私に向けていた。
空牙と他の獣人達は驚愕していた。
杏樹の一言で長の顔色や言動が一瞬にして変わったことを。
なぜならエルフの長の冷酷非道な言動をよく知っていたためだ。
「杏樹様! 私は心配です。 大能森 一嗣様はいえ ヴァンパイアの長様は
私ほど甘くはありませんよ! 一嗣様を怒らすことがあったら一大事です。
杏樹様!お気をつけくださいまし。」
「分かったわ! 叔父さま!ありがとうございます。」と答えた。
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