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ラドイベント6

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「ありがとうございます。秘密は厳守します」

 ……これって何十メートルも上空から落っこちても、本当に効果あるんだろうかとか、思わなくはないけれど。
 恋する乙女のパックさんを守護したい念を信じて、ありがたく受け取っておこう。(だからこそ、対象変われば効果がない可能性も大いにある気もするけど)

【はやく、りっか!】

「はいはい。今、行くよ」

 パックさんにぺこりとお辞儀だけして、前足で地団駄を踏み出したラドの方へ向かう。
 ラドは私が背中に乗りやすいように腹ばいになり、首をひねって私が乗るのを期待するようにじっとその瞳を私に向けていた。

「……言っておくけど背中に乗るだけで、空を飛べても大人と認定するわけじゃないからね」

【はーやーく】

「……聞いちゃいねえ」

 すっかり目的を忘れて、とにかく意地でも私を背中に乗せたい様子のラドにため息を吐く。

 ……こういうところが子どもな証拠だと、自覚しようね。ラド。

 言い聞かせを諦めて、よじよじとその背中にのぼる。

 ……おお。ドラゴンの背中ってこんな感じなのね。鱗は硬いけど、意外と乗り心地はやんわりしてて快適。

【それじゃあ、いくよ】

「ちょ、ラド。まだ、心の準備が……」

【しゅっぱーつ!】

 ……聞いちゃいねえ!(二回目)

 慌ててラドの首元辺り?にしがみつくと、途端襲いくるのは飛行機が飛び立つ時のような浮遊感。
 視界の端では、眉をハの字にして苦笑いを浮かべたパックさんがひらひら手を振っていた。

 ……うお、Gが、Gがかかってる感。

【どう!? りっか。ぼく、とべてるでしょ?】

「……うん、とべてる。とべてる。だけど、もっとゆっくり」

【もっとたかくとぶね】

「っ、だからゆっくり」

 --聞いちゃいねえ!!!!(三回目/渾身の叫び)

 油断してら吐きそうなGの感覚と、落ちるんじゃないかという恐怖に意識を飛ばしかけながら、ただ必死にラドに捕まる。

【……いたっ!】

 だけど、ラドの上昇は、だいたい五階だてのビルくらいの高さで急に止まった。







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