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ラドイベント5
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「だから、精神的にもっと成長するまで許可しないってば。……それに、空なんか飛んだら町の人に姿を見られるかもしれない。今回のドラゴンの卵の育成事業は国家機密なんだ。公にするわけにはいかないんだよ」
「……あ、その辺は大丈夫だと思います」
ラドの擁護をするわけではないけど、その辺りは心配してない。
「セルドアの結界は視覚遮断効果もあって、ちゃんとしっかり上空もカバーしてるみたいですから。ラドが勝手に出ていかない対策もばっちりのはずです」
疑似ブラコンの魔術師長は大変優秀だから、その辺りは抜かりがない。ラドの子どもな性格もきっちり把握しているから、対策は万全なはず。
「……もう。リッカちゃんたら。ラドくんと僕、どっちの味方なの」
「味方とかそういう問題ではなく、こうなったからには一回くらい飛ばせてみないと、満足しないかと」
【はやく、りっか! のって!】
ね?とばかりに肩を竦める私に、パックさんは呆れたようにため息を吐いた。そしてポケットから何か取り出すと、私の首にかけた。
「これは……?」
「不死鳥の羽を加工したペンダントだよ。一度だけ、持ち主の身に危険が迫った時に、身代わりになってくれるんだ。ラドくんがリッカちゃんを落とすようなことはないとは思うけど、念のためね」
「え、あ、ありがとうございます。……いいんですか。これ、すごく貴重なものな気がしますけど……」
「いいの。いいの。……僕は家に戻れば、山ほど持ってるからさ。でも、僕がリッカちゃんに渡したことは内緒だよ。どこからか情報漏れて知られたら、後が怖いから」
……あ、ああ。例の「あの子」からのプレゼントか。
不死鳥から直接もらえるなら、そりゃあ山ほど持っているよな。聞く限り、パックさんめちゃくちゃ求愛されてるし。
「……あ、その辺は大丈夫だと思います」
ラドの擁護をするわけではないけど、その辺りは心配してない。
「セルドアの結界は視覚遮断効果もあって、ちゃんとしっかり上空もカバーしてるみたいですから。ラドが勝手に出ていかない対策もばっちりのはずです」
疑似ブラコンの魔術師長は大変優秀だから、その辺りは抜かりがない。ラドの子どもな性格もきっちり把握しているから、対策は万全なはず。
「……もう。リッカちゃんたら。ラドくんと僕、どっちの味方なの」
「味方とかそういう問題ではなく、こうなったからには一回くらい飛ばせてみないと、満足しないかと」
【はやく、りっか! のって!】
ね?とばかりに肩を竦める私に、パックさんは呆れたようにため息を吐いた。そしてポケットから何か取り出すと、私の首にかけた。
「これは……?」
「不死鳥の羽を加工したペンダントだよ。一度だけ、持ち主の身に危険が迫った時に、身代わりになってくれるんだ。ラドくんがリッカちゃんを落とすようなことはないとは思うけど、念のためね」
「え、あ、ありがとうございます。……いいんですか。これ、すごく貴重なものな気がしますけど……」
「いいの。いいの。……僕は家に戻れば、山ほど持ってるからさ。でも、僕がリッカちゃんに渡したことは内緒だよ。どこからか情報漏れて知られたら、後が怖いから」
……あ、ああ。例の「あの子」からのプレゼントか。
不死鳥から直接もらえるなら、そりゃあ山ほど持っているよな。聞く限り、パックさんめちゃくちゃ求愛されてるし。
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