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ラドイベント3

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 一年はかかるって言ったでしょ。そう言ってほっぺをつつくパックさんを、ラドは涙目で睨む。

「……いちねんは、りっかとらないっていったのに」

「取ってません。不可抗力の結果、屋外で一晩過ごすことになっただけです。ハルクも同様に」

「でも……ずるい」

「だから、子どもの姿最大限に利用すべきだって、あの時も言ったし、実際それでラドくんは毎日リッカちゃんと一緒に寝られてるわけでしょ? さっきも言ったけど、僕からすればラドくんの方がずるいよ」

 パックさんの言葉に、ラドはしゅんとして、首につけられた魔力制御の首輪を握った。

「……でも、ぼく、おおきくなったよ?」

「うん?」

「おとうさんと、おかあさんにもまけないくらい、おおきくなった。……それでも、だめ?」

 ラドの言葉に、私とパックさんは二人して顔を見合わせた。

 ええと……つまり、は。

「……しょーこ、みせる。ぱっくも、りっかも、そとにでて」 



「……うわあ。本当めちゃくちゃ大きくなってる」

 確かに、ラドの言葉に嘘はなかった。
 隣のパックさんも、感心したようにほおっとため息を吐いた。

「本当、城にいる大人ドラゴンと負けないくらいの大きさになっているねえ。魔力制御してるのに。……というか、ラドくん、知らない間に自分でドラゴン化できるようになってたんだねー」

 城であった親ドラゴンより、せいぜい一回り小さい程度の姿にドラゴン化したラドを前に、私の口からもため息が漏れた。

 ……パックさん、本当、それ。私も今の今まで知らなかった。
 私と一緒にいる時はずっと人化状態だったのに、いつの間に習得したのだか。

【え、とねー。りっかが、ぱっくととれんとにつかまったよる、むかえにいきたくて、がんばったらできた】

 ……おまけに念話まで習得している、だと?

 どれだけ成長が早いんだと、末恐ろしくなる。(そして、ラドがうっかり家の中でドラゴン化試さなくてよかった。本当よかった。……そうされてたら、今ごろ色々破壊されてる)
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