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パックイベント21

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 ……って、このタイミングでラドとルートさんの登場!?
 なんて最悪のタイミング……いや、悪ではあるが、最ではないかな。さっきの唇の脇に何か柔らかいもの当てられている場面だったらもっと悪かったし。どう考えても、変な誤解は避けられないし。

「!? きのうの……なんか、なかみ、ちがう! きのうとちがう!」

「っ……ハルク・ニーフェイ!? なんで、リッカの家に……?」

「……あー。なんか面倒くさそうな奴らが来たな」

 明らかにピリッとした空気を発しはじめたラドとルートさんを横目に見ながら(てか、ラド、中身の違いとか一瞬で分かるの!?)、ハルクは雑に頭を掻いた。

「それじゃあ、オレは新種のマンドラゴラについて考察を纏めたいから、そろそろ帰るな。朝飯、ごちそう様」

「……あ、うん」

「それと」

 ハルクは騒ぐ二人を完全に無視して、ふんと鼻を鳴らして私に不敵な笑みを向けた。

「さっきのオレの警告……くれぐれも、忘れるなよ」

 ……え、ちょっと待って。
 
 ちょっと待って。ちょっと待って。

 今、一瞬見えたハルクのハートの色……。

「それじゃあ、な」

「ちょ、待ってハル……ぐえっ」

「りっか! なんで!? なんで、あいつ、きのうと、ちがう!? あれなら、ぼく、ゆるさなかった!!!」

「おい、待て。ハルク・ニーフェイ! 何があったのか説明を……」

 ハルクに突っ込む前に、私は泣いて怒るラドに抱き着かれ、ハルクはその背中を追いかけるルートさんを振り払うようにさっさと家を出て行ってしまった。

 ……いや、突っ込む前に行ってくれて逆によかったのかもしれない。

「……なんでハートの色、オレンジに変わってるのなんて、言われても、ハルクが分かるわけないしね」

 どうしよう。……なんか、ハルクをただの友達じゅく異性としてカテコライズしてしまいそうで……とても、困る。

 泣き喚くラドを適当に宥めながら、一人そのまま、しばらく放心していたのだった。


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