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ハルクイベント18

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 翌朝。腕の中から響き渡る絶叫で目を醒ました。

 ……ふむ。要望に応えて、抱き締めた状態で朝を迎えての、この展開ということは、だ。

「……おはよう。ハルク。元に戻ったの?」

「っそれを察していて、何故第一声がそんなにのんきなんだ、お前はっっっ!!! まず、この手を離せっっっっっ!!!!!!」

「はいはい」

 パッと体を離した瞬間、閃光の速さでベッドから抜け出して、そのまま壁に額を押し付けるように私から背を向けて前かがみになるハルク。
 焦っているせいか、非常に息も荒い。とても苦しそうだ。

「……大丈夫? ハルク」

「--黙れ。しばらく、口を利くな。オレに話し掛けるな。落ち着くまで、オレのことは放っておけ」

「もしどこか苦しいなら、背中とか撫でるけど」

「だ ま れ。……オレに指一本でも触れてみろ。後悔させてやるから」

 ひどい。……いくら精神退行しているとはいえ、ハルク本人の要望に応えたのに。

 ……しかし、ハルク本当に苦しそうだな。なんか、顔が耳まで真っ赤になってるし。
 こんだけ苦しそうな人が、放っておいてくれって言っているんだから、しばらくそっとしといてやるか。



「……落ち着いた」

 10分ほど放置しておくと、ようやく体調が回復したらしきハルクが壁から離れた。

「よかった。ちょうど朝ごはんのお粥ができたとこだよ」

 まだ寝ているラドと、そのうちやってくるだろうルートさんの分のお粥を別にして、ハルクの分だけ器に盛る。……私も、まあ、後でで良いか
 
「はい、どうぞ」

「…………」

 ハルクはしばらく無言でお粥を眺めた後、縁に口をつけて熱々のそれを一気に煽った。

「あ、あぶな」

「っ熱!」 

「できたてだもん。もっとゆっくり食べないと」

 悶絶するハルクの為に、コップに水を入れて持って行ってやると、コップを受け取るなりそれを一気飲みした。
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