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パックイベント14

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「……うん。星が綺麗だねえ。本当に」

 私のそんな過去への改装なんぞ知るよしもないパックさんは、しみじみと星を見上げた。

「転げ落ちたあげく、トレントに捕まって野宿する羽目になったけど、こんな綺麗な星空をリッカちゃんと眺められるなら、これはこれで悪くないかも」

 トレントの用意してくれたベッドも快適だしね。と、にっこり微笑むパックさんの姿に、事態の元凶である私はホッと安堵のため息を吐く。

「……そうですよね! なんか、めったにできないアウトドア体験しているというか……なんか童心に返った気になってワクワクします!」

「まあ、でもあくまでリッカちゃんといるからだけどね。一人でこんな目に遭ったなら、いくら安全だとわかってても、こんな風にリラックスはできなかっただろうな。今までの経験からしても」

「あ、ああー……」

 ……今は一応私と猫かわいがり状態分散されてはいるけど、パックさんの体質考えたら一人ならもうそれこそ熱烈に歓迎されてそうだもんな。それこそ、二度と解放してもらえないんじゃないかってくらいに。
 同じく一晩拘束されて過ごすなら、そりゃあ誰かが一緒の方が良いよね。

「……私も、パックさんと一緒で良かったです」

 最大限の笑顔で微笑み返すと、パックさんの口元が一層緩んだ。
 そのまま、しばらく二人で見つめ合ったまま、えへへと笑いあう。……うーん。なんか、癒やされる。

「……ねえ。リッカちゃん」  

「はい?」

「君はさ、前に僕は恋を知らないって言ったよね」

「……言いましたね」

 確かにそんなことを話した覚えはあるけど……何故いきなり?

「確かに僕は、本で見るような激しい恋愛感情は今まで抱いたことはないよ。それは確かだ」

「はあ」

「でも……日常も非日常も引っくるめて、この娘と過ごしたいなあ、って思うのは……毎日この娘と一緒に朝を迎えられたら幸せだろうな。なんて感じるのは……それは恋とは言わないのかな?」
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