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パックイベント12
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「っ?」
次の瞬間、一瞬体がふわっと浮いた。
何が起こったか分からないでいるうちに、気がつけば先ほどより近づいているパックさんとの距離。
「……いや、本当そういうのいいから。変な気を使おうとしないで」
パックさんが顔を隠したまま、ため息交じりにそうつぶやくと、お腹に巻き付いていたトレントの蔓が緩んだ。……あー、トレントがいたずらしただけか。びっくりした。
「…………よし、もう大丈夫。切り替えたから」
ぱんっと自分のほっぺたを叩いて顔を上げたパックさんは、もういつものパックさんで。先ほどまでの顔の赤みはもう見られない。
「……パックさんって、思った以上に照れやさんだったんですね?」
「また、照れさせようとしてる? ……そんなこと言っても、もうさっきみたいに動揺見せたりはしないよ。耐性ついたから」
横目で私を軽く睨んで、パックさんは深々とため息を吐いた。
「本当……リッカちゃんって色んな意味で要注意な子だよね。ズガズガと無神経に他人の領域に踏み込むわけじゃないのに、いつの間にかするりと内側に入り込んでいるんだから。気がつけば、誰にも打ち明けるつもりがなかった所まで見せちゃってたりしてさ」
「……それは、褒めているんですか。怒られているのですか」
「褒めても、怒ってもいないよ。ただ、思ったままの事実を述べているだけで」
そう言ってパックさんは、トレントによって背後に用意されていた、枝やら蔓やら葉っぱで作られた純植物性特製ベッドにごろりと寝転んだ。
……お、密かにちょっぴり身を預けるには耐久性心配だったけど、全然余裕そうだな。しからば、私も。
そうは言ってもパックさんみたいに勢いよく身を投げ出すのは怖かったので、恐る恐る耐久性を確かめながら寝転ぶ。
「……あ、なんかハンモックみたい」
次の瞬間、一瞬体がふわっと浮いた。
何が起こったか分からないでいるうちに、気がつけば先ほどより近づいているパックさんとの距離。
「……いや、本当そういうのいいから。変な気を使おうとしないで」
パックさんが顔を隠したまま、ため息交じりにそうつぶやくと、お腹に巻き付いていたトレントの蔓が緩んだ。……あー、トレントがいたずらしただけか。びっくりした。
「…………よし、もう大丈夫。切り替えたから」
ぱんっと自分のほっぺたを叩いて顔を上げたパックさんは、もういつものパックさんで。先ほどまでの顔の赤みはもう見られない。
「……パックさんって、思った以上に照れやさんだったんですね?」
「また、照れさせようとしてる? ……そんなこと言っても、もうさっきみたいに動揺見せたりはしないよ。耐性ついたから」
横目で私を軽く睨んで、パックさんは深々とため息を吐いた。
「本当……リッカちゃんって色んな意味で要注意な子だよね。ズガズガと無神経に他人の領域に踏み込むわけじゃないのに、いつの間にかするりと内側に入り込んでいるんだから。気がつけば、誰にも打ち明けるつもりがなかった所まで見せちゃってたりしてさ」
「……それは、褒めているんですか。怒られているのですか」
「褒めても、怒ってもいないよ。ただ、思ったままの事実を述べているだけで」
そう言ってパックさんは、トレントによって背後に用意されていた、枝やら蔓やら葉っぱで作られた純植物性特製ベッドにごろりと寝転んだ。
……お、密かにちょっぴり身を預けるには耐久性心配だったけど、全然余裕そうだな。しからば、私も。
そうは言ってもパックさんみたいに勢いよく身を投げ出すのは怖かったので、恐る恐る耐久性を確かめながら寝転ぶ。
「……あ、なんかハンモックみたい」
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