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パックイベント5
しおりを挟む「いやあー、大量でしたね。こんだけあれば、しばらくは生き餌に困らなさそうです」
結局、網を入れれば簡単にうじゃうじゃ採れるという状況じゃ、採った数なんて数えてる余裕もなく。どっちが多く採れたかなんて分からないまま、ただひたすら収納魔具に詰め込むだけ詰め込む型で、作業は終了した。
……体感的には私の方が多かった気がするけど、パックさんの場合は網に魔ガマガエルが自ら飛び込んで来てたもんなー。やっぱりパックさんの体質って色々考えものだわ。いくら懐かれ、好かれたとしても、魔ガマガエルをコカトリスの生き餌にするって目的は変わらないもん。その辺り情でぶれるパックさんじゃないし。
「リッカちゃんが頑張ってくれたから、仕事が早く終わって良かったよ。あんまり遅くなると、この辺りは危ないからね」
「危ないって……なんか、危険な魔物でもでるんですか?」
「危険な魔物は出ないけど……この辺りはトレントの生息地だからね。日が暮れたら、なかなか出れなくなるんだ」
「ああー……」
トレントは、生命を持った木の魔物だ。
夜行性で、日が沈むと活動をはじめ、自分の生息地に入った生き物を森の中に閉じ込めようとする。
……朝になって眠りにつけば、普通に出られるようになるし、伐採とかで人間に悪意を持っていない種ならそれ以外は特に害はないんだけどね。閉じ込めるのも、悪戯半分だし。
「この辺りのトレントは、どんな感じですか?」
「人語を解す子は少ないかなー。悪戯好きで、人懐っこいから、見慣れない客人は大喜びで閉じ込めて一晩観察したがるだろうね。その分、葉や幹で寝床とかも用意してくれるかもだけど」
「それでもやっぱり野宿は遠慮したいですよねー。日が暮れる前に早く帰りましょう」
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