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ルートイベント14

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 ……つまり、逆に考えれば、万が一野生のドラゴンに遭遇してれば大変危険な状況だったということだよな。絶対ルートさん、私の存在忘れて大興奮してただろうし。
 ドラゴンがめちゃくちゃ稀少種で、まずめったにそんな事態には陥らないだろうとは言え、よくよく考えたらとても恐ろしい。帰りは絶対寝ないようにしよっと。

「……どうかしたか? リッカ。急に黙り込んで」

「いえ、何でも」 

「そうか。なら、屋敷に案内しよう」

 馬を馬小屋に繋いだルートさんは、そう言って建物に向かって歩きだした。
 そこで初めてルートさんの屋敷をまともに直視した私は、思わず息を飲んだ。

「……でっか」

 なんか、私の少ない語彙力じゃうまく言い表せないけど、めちゃくちゃ美麗で歴史的価値がある文化遺産って感じがする建物がそびえ立っているのですが。見学料取れそうな感じの!

「そうか? 貴族が住むなら、こんなものだろう。本邸はもっとでかいぞ」

「ほ、本邸!? これ、違うんですか」

「俺は次男だと、以前も話しただろう。いつまでも実家に居座るのも居心地が悪いから、亡くなった祖父母が使っていた屋敷を相続して移り住んでいるんだ」

 うお……ルートさん、思ってた以上にボンボンだった。貴族って言っても、ハミルさんくらいの規模だと勝手に思ってたよ。私に結婚持ちかけるくらいだし。
 このでっかい屋敷に一人で住んでいるとか、ありえん。

「……管理とか、ちゃんとできてるんですか」

「それはちゃんと俺の給金から使用人を雇っているから、問題はない」 

「へー、騎士ッテ儲カルンデスネ」

「休日には、実家の仕事も手伝わされているからな。金の使い道もドラゴンに関する資料集めくらいしかないから、貯まる一方だ」

 ……改めて本当、この人、ドラゴンにしか興味ないよね。うん。知ってたけど。
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