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ルートイベント8

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 思わず噴き出しそうになった。
 ……ルートさんは、むっつりスケベそうって共通認識なんだろうか。分からなくもない気がするけど。

「まあ、仮にも騎士の称号を持っている奴が、変なことをするとは思わないが、お前は鈍くて色々考えなしな所があるから一応気をつけろよ? 何かあってからじゃ、遅いんだからな」

「鈍くなんかないもん!」

「鈍いよ。激鈍だ」

 だから、ルートさんの変化には一応ちゃんと気づいてるって。(言ってないけど)……ただ、あんまり深く考えないようにしてるだけで。
 あと、考えなしとか、家出して野良猫生活送ってたハルクには言われたくないんだけど?

「……それと、機会があれば、また……」

「また?」

「…………いい。何でもない」

 ハルクは小さくため息を吐いて、何らかを勝手に自己完結すると、マンドラゴラに向き直った。

「……来週辺りが、収穫時だな。マンドラゴラ」 

「結構伸びたもんねー。当然ハルクは収穫手伝いに来てくれるんでしょ?」

「当然と断言されるのは腹が立つが、まあ手伝い来てやるよ。お前一人に任せるのは心配だし、生育具合も気になるからな」  

「だよねー。ありがとう!」

 やっぱりハルクって、何だかんだでいい奴だよね! 
 そう思ったら、思わずにへらと表情が緩んだ。
 ちょうど、私の方に太陽があるせいか、ハルクは少しだけ眉間に皺を寄せて、眩しげに目を細めた。

「……鈍いよ。……激鈍だ」

 …………なんで、今ここで繰り返したし。
 


 別に時間かぶりが関係ないハルクさんには特別報告するでもなく、そのまま約束の翌日を迎えた。
 いつも朝一でやって来るルートさんは、今日は遠慮したのか来なかったので、ラドと二人きりの朝ごはんだ。  

「なんか、ルートさんいないと変な気がするねー」 

「……まいあさ、これでいいのに」 

 本当、ルートさんには辛辣ね。ラド。あんなに愛されてんのに。

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