222 / 336
また出た
しおりを挟む
「ラド君は成長早いから、あと1年もすれば大人の姿になっても問題なくなってるんじゃないかな。それまでは、じっくり子ども時代堪能しとかないと」
「……やだ。そのあいだに、とられるもん」
「1年そこらで、簡単になびく娘なら僕も楽だったんだけどね。多分無理だよ。いくらアピールしても、全然手応えないもの。長期戦覚悟してるよ、みんな」
「でも……」
「……仕方ないなあ。敵に塩を送るのは不本意だけど、ラド君に僕がとっておきのアドバイスをしてあげよう」
そう言ってパックさんは、ラドに向かって人が悪~~~い、笑みを向けた。
「子どもの姿でいられるってことは、嘆くことじゃないよ。利用することだよ。無防備な相手につけ込んで、どこまでも距離を縮められるからね」
「…………」
「今のうちに近くにいるのが当たり前なポジションを確立してれば、後々手放せない存在になれるでしょ? ……聡明なラド君なら、これくらい言えば理解できるはずだよ」
……なんか、よく分からないけど、黒い感じのアドバイスをしている雰囲気なことはよく分かった。
相変わらずパックさん、腹黒いのかそうじゃないのか、よく分からない人だ。こうやってアドバイスすることで、ラドの気持ちを静めようとしてくれているのは、ありがたいんだけど。
「…………」
ラドはパックさんの言葉に少し考えこんだあと、とてとてと私に近づいてきて、ぎゅっと服の端をつかんだ。
「りっか……いちねんかん、まっててくれる?」
「うん?」
「ぼくが、おとなのすがたでずっといられるようになるまで、えらばないでまっててくれる?」
うるうる涙目の上目遣いでこちらを見上げながら、小首をかしげるラド。
……うっ、あざと可愛い。
幼児化ラドが、本当天使みたい美少年なだけに、なおさら。
→【はい】
【いいえ】
……そしてここで出て来るのね。例の選択肢。
「……やだ。そのあいだに、とられるもん」
「1年そこらで、簡単になびく娘なら僕も楽だったんだけどね。多分無理だよ。いくらアピールしても、全然手応えないもの。長期戦覚悟してるよ、みんな」
「でも……」
「……仕方ないなあ。敵に塩を送るのは不本意だけど、ラド君に僕がとっておきのアドバイスをしてあげよう」
そう言ってパックさんは、ラドに向かって人が悪~~~い、笑みを向けた。
「子どもの姿でいられるってことは、嘆くことじゃないよ。利用することだよ。無防備な相手につけ込んで、どこまでも距離を縮められるからね」
「…………」
「今のうちに近くにいるのが当たり前なポジションを確立してれば、後々手放せない存在になれるでしょ? ……聡明なラド君なら、これくらい言えば理解できるはずだよ」
……なんか、よく分からないけど、黒い感じのアドバイスをしている雰囲気なことはよく分かった。
相変わらずパックさん、腹黒いのかそうじゃないのか、よく分からない人だ。こうやってアドバイスすることで、ラドの気持ちを静めようとしてくれているのは、ありがたいんだけど。
「…………」
ラドはパックさんの言葉に少し考えこんだあと、とてとてと私に近づいてきて、ぎゅっと服の端をつかんだ。
「りっか……いちねんかん、まっててくれる?」
「うん?」
「ぼくが、おとなのすがたでずっといられるようになるまで、えらばないでまっててくれる?」
うるうる涙目の上目遣いでこちらを見上げながら、小首をかしげるラド。
……うっ、あざと可愛い。
幼児化ラドが、本当天使みたい美少年なだけに、なおさら。
→【はい】
【いいえ】
……そしてここで出て来るのね。例の選択肢。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,456
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる