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パックさんの罠

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「……まあ、確かにドラゴンの状態でも、ラド君はリッカちゃんにべったりだったけどね。多分、今日の理由はそれだけじゃないよね?」

「え?」

 パックさんの言葉の意味を推し量ろうとした瞬間、またラドの手で後ろから耳をふさがれた。

「……よけいなこと、いうな。ばっく」

「よけいなことじゃなくて、必要なことだよね? その顔色見てると」

「……うるさい……」

「本当……セルドア魔術師長の言ってた通り、歪でアンバランスだなあ。まあ、魔力の発達と脳の発達と、身体の発達。全部が全部ばらばらだから仕方ないと言えば仕方ないんだろうけど」

「あのー、パックさん……やっぱり、ラドの今の体調って良くないんですか」

「良くはないね。最悪ではないけど」

 ……あー、なんか体重のかかり方からして、もしかしたら普通に身を起こしてるのが辛いんじゃないかなとか薄々思ってたけどやっぱりか。
 ラドに聞いても、全力で否定してきたから、確信には至らなかったんだけど。

「やっぱり人化って、ドラゴンの体に負担が大きいんですか?」

「普通の人化なら全く問題はないんだけどね。ラド君の場合は、状況が特殊……あ」

「え?」

「……?」

 不意にハッとした表情で、明後日の報告を向いたパックさんにつられて、私とラドの視線が同時にそちらを向く。 

 次の瞬間。

「……はい、ラド君。隙あり~」

「っ!?」

 一瞬でラドのすぐ近くまで距離をつめたパックさんが、にっこり笑いながら首元に首輪をはめていた。

「--うううっ!!!」

「ラド!?」

「大丈夫、大丈夫。心配しないで。すぐ済むから」

 い、いや心配しないでと言われても……なんか、とっても苦しそうなんだけど!

「ほら、効果出てきた」

 パックさんがそう言った瞬間、私の背から離れて一人苦しげに呻いていたラドの体がぴたりと動きを止めた。

 そして、変化は訪れた。

「……ち、縮んだ……?」
 

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