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そういう人のはずなのに
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……あー、まあ、そりゃそうだろうな。
「……思いっきり、嫌いって言われてましたもんね」
ドラゴンを愛するルートさんにとって、あれはさすがにきついだろう。
たとえ、言葉にされなくても、態度で好悪が明確でも!
卵の時点から今に至るまで、ルートさんに対してラドがデレを見せることが一切なかったとしても!
やっぱり、いざ言葉にされたら傷つくよなあ。正直傍から見てれば、今さらな案件だったとしても。
「…………違う」
……って、あれ?
「……いや、確かにはっきりとラドから拒絶されたことはショックはショックなんだ。だが、それが、理由ではなくて。それなら、まだ理由が明白なのだが……」
ルートさんは、眉間にくっきりと皺を寄せながら、戸惑ったように呟いた。
「--嫌だと、そう思ったんだ。そんな風に思う道理など、ないのに。寧ろ、喜ばしい事態のはずなのに」
「何をです?」
「リッカが……お前が、ドラゴンの番に選ばれるということを」
…………て、はい?
「…………喜ぶべきことなんだ。ドラゴンは他種族とでも繁殖可能であるが、好き嫌いが異常に激しく、それこそが繁殖の妨げになっていることを、俺は理解している。だからこそ、稀少な幼ドラゴンが生まれてすぐに番を見つけだしたことは、本来は俺にとっては朗報だ。それこそ、リッカに無理やりでも、ドラゴンの番になることを承諾させてもおかしくないくらいに」
…………ああ、うん。ルートさんはそういう男だよね。
私の意思〈〈〈【超えられない壁】〈〈〈ドラゴンの繁殖って図式になるのが、当然だよね。
呆れとか通り越して、意外と自分を客観視できてるな、と感心してしまったよ。
「………それなのに、嫌だと思った。否、今も嫌だ。リッカが、ドラゴンの番になると考えたら、何故か胸の辺りが苦しくなる」
「え………」
「なんで、こんな感情が湧き上がってくるのか--俺は、俺自身が理解できない」
「……思いっきり、嫌いって言われてましたもんね」
ドラゴンを愛するルートさんにとって、あれはさすがにきついだろう。
たとえ、言葉にされなくても、態度で好悪が明確でも!
卵の時点から今に至るまで、ルートさんに対してラドがデレを見せることが一切なかったとしても!
やっぱり、いざ言葉にされたら傷つくよなあ。正直傍から見てれば、今さらな案件だったとしても。
「…………違う」
……って、あれ?
「……いや、確かにはっきりとラドから拒絶されたことはショックはショックなんだ。だが、それが、理由ではなくて。それなら、まだ理由が明白なのだが……」
ルートさんは、眉間にくっきりと皺を寄せながら、戸惑ったように呟いた。
「--嫌だと、そう思ったんだ。そんな風に思う道理など、ないのに。寧ろ、喜ばしい事態のはずなのに」
「何をです?」
「リッカが……お前が、ドラゴンの番に選ばれるということを」
…………て、はい?
「…………喜ぶべきことなんだ。ドラゴンは他種族とでも繁殖可能であるが、好き嫌いが異常に激しく、それこそが繁殖の妨げになっていることを、俺は理解している。だからこそ、稀少な幼ドラゴンが生まれてすぐに番を見つけだしたことは、本来は俺にとっては朗報だ。それこそ、リッカに無理やりでも、ドラゴンの番になることを承諾させてもおかしくないくらいに」
…………ああ、うん。ルートさんはそういう男だよね。
私の意思〈〈〈【超えられない壁】〈〈〈ドラゴンの繁殖って図式になるのが、当然だよね。
呆れとか通り越して、意外と自分を客観視できてるな、と感心してしまったよ。
「………それなのに、嫌だと思った。否、今も嫌だ。リッカが、ドラゴンの番になると考えたら、何故か胸の辺りが苦しくなる」
「え………」
「なんで、こんな感情が湧き上がってくるのか--俺は、俺自身が理解できない」
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