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何かが変わった

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「……待ってても、その結果私がラドを選ばない可能性もあるって、わかってるんだよね」

「うん。……でも、いつかえらんでくれるってしんじてる」

「私以外の誰かを、番に選ぶことは絶対にないの?」

「りっかじゃない、りっかなら、えらぶよ。つぎか、つぎのつぎか、そのつぎだとしても」

 ……つまり、来世か来来世か、来来来世の私なら、ということか。
 ああ、うん。……これ、もう軌道修正とかしようがないや。しようがないなら、もうどうしようもない。

「……まあ、うん。そのいつかが来ない保障はない訳だしね」

 私ができるのはただ、向けられるラドの想いを、「そういうもの」として受け止めることだけだ。

 ……なんで私なの? とか、趣味悪いな、とは思わなくもないけどね。

「とりあえずラドさん……まずは、ホットケーキこぼさず食べれるようになろうな」

「ほっとけーきをじょうずにたべれるようになったら、ぼくをえらんでくれる?」

「そんな単純なもんじゃないのよ……まあ、でも君を異性として見る確率は上がるね。今は見た目は大人、頭脳はこどもな逆名探偵だからさ」

「めいたんてい?」

「いや……何でもない」

 ……うん。通じるわけないって知ってたよ。言ってみただけさ。

「……早く見かけ相応に大人になりな、ってことよ」

 そのままくしゃくしゃと頭を撫でてやると、ラドは嬉しそうなくやしそうな複雑な顔をして、むーっと口をへの字にした。

 ……まあ、こんな顔をしているうちは、ラドを異性として見ることはないわな。お子様丸出しだもん。

「……ルートさんもそう思いますよね?」

 すっかり存在を忘れていたルートさんに、同意を求めて振り返ると、何故かラド以上に複雑な……いや、不機嫌そうな?顔をしたルートさんの姿が。

「ルートさん? どうかしました」

「……何だか……胸の辺りが、ひどくもやもやする」
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