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手遅れだった
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「…………親子?」
ルートさん、目おかしいんじゃないかと思ってしまった私は、恐らく間違っていない。
行動は幼児そのものであるが、人型ラドの見かけは立派な成人男性。さすがにルートさんより年上には見えないけど、いいとこ弟。息子だって言ったって誰も信じるはずがない。
ましてや、私は自他共に認めるチビの童顔。(ハルクほどじゃないとは、思ってるけど)母親ポジションは無理があり過ぎると思う。
「ちがう! おやこ、ちがうもん!」
しゃーと歯を出してルートさんに威嚇しながら(歯のかたちはわりとドラゴンの時の名残が残ってる)、私に抱きつくラド。
そーだ。そーだ。言ったれー。今の状態じゃ親子なんか、誰が見たってあり得ないって。
「りっか、ぼくのつがい! おや、ちがうもん! ルート、きらい!」
……………………………。
「…………ラド。番って意味分かってる?」
私の問いかけに、ふんすと得意げに鼻を鳴らしてうなずきながら、スリスリと頬を寄せるラド。
「ゆいいつ! ずーっと、ずーっと、しぬまで、だいすきなひと。……りっかの、こと」
…………おかしいな。母親代わりとして、その思想は軌道修正していたはずなのに。何故、ラドさんそんな認識なんだ。
「……あのね、ラド。そういうのはね、もっと慎重に選ばないといけないんだよ。軽々しく認定しちゃ、いけない……」
「かるく、ないもん!」
「……ぐぇっ」
内臓が、また内臓が、口から出そうな感じで抱き締められているんですが……!
「あって、すぐ、わかった。りっかだって。りっかしかいないって。……かるく、ないもん!」
「ラド……」
「だいすき、だもん! りっかだけが、ずーっと、だいすきだもん!」
……ラドのお母さんの念話を聞いて以来、可能性としては一応心にとめていたけど、いざ言葉でしっかり番認定されるとどうすれば良いか分からなくなるな。
見かけは成人男性でも、ラドの精神は幼い感じだからなおさら。
ルートさん、目おかしいんじゃないかと思ってしまった私は、恐らく間違っていない。
行動は幼児そのものであるが、人型ラドの見かけは立派な成人男性。さすがにルートさんより年上には見えないけど、いいとこ弟。息子だって言ったって誰も信じるはずがない。
ましてや、私は自他共に認めるチビの童顔。(ハルクほどじゃないとは、思ってるけど)母親ポジションは無理があり過ぎると思う。
「ちがう! おやこ、ちがうもん!」
しゃーと歯を出してルートさんに威嚇しながら(歯のかたちはわりとドラゴンの時の名残が残ってる)、私に抱きつくラド。
そーだ。そーだ。言ったれー。今の状態じゃ親子なんか、誰が見たってあり得ないって。
「りっか、ぼくのつがい! おや、ちがうもん! ルート、きらい!」
……………………………。
「…………ラド。番って意味分かってる?」
私の問いかけに、ふんすと得意げに鼻を鳴らしてうなずきながら、スリスリと頬を寄せるラド。
「ゆいいつ! ずーっと、ずーっと、しぬまで、だいすきなひと。……りっかの、こと」
…………おかしいな。母親代わりとして、その思想は軌道修正していたはずなのに。何故、ラドさんそんな認識なんだ。
「……あのね、ラド。そういうのはね、もっと慎重に選ばないといけないんだよ。軽々しく認定しちゃ、いけない……」
「かるく、ないもん!」
「……ぐぇっ」
内臓が、また内臓が、口から出そうな感じで抱き締められているんですが……!
「あって、すぐ、わかった。りっかだって。りっかしかいないって。……かるく、ないもん!」
「ラド……」
「だいすき、だもん! りっかだけが、ずーっと、だいすきだもん!」
……ラドのお母さんの念話を聞いて以来、可能性としては一応心にとめていたけど、いざ言葉でしっかり番認定されるとどうすれば良いか分からなくなるな。
見かけは成人男性でも、ラドの精神は幼い感じだからなおさら。
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