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ガキっていう方がガキなんですー!
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おお! なんか、ハルクが素直だ! これもまた、距離が縮まった証かな?
思わず口もとが、にへらと緩む。
「気にしないで~。友達なら、これくらい当然でしょ!」
「………………は?」
「あ、まだ、友達未満か。でもさ、うん。いずれは友達になれるよう、前向きに考えてくれるんでしょ? なら、これもまたお近づきのしるしということで」
私の言葉に、なぜかハルクは驚愕の表情で布団から顔を出した。
「とも……だち?」
「うん」
「オレと、お前とが、か?」
「うん。意外と私とハルク、相性悪くないと思うんだよね。年齢差はあるけど、あんまりその辺り気にしないで話せるし」
……あ、今の発言はちょっと恥ずかしかったかな?
いや、その友達になってと言う時点で、よくよく考えれば恥ずかしいことなんだけど、なんかその発言を擁護するようなセリフを自分で言うのって、なんかもっと恥ずかしいっというか……。
……ああ、なんか考えれば考える程、恥ずかしくなってきた! ハルクも黙り込んで何も言わないし! 頼むから、何かしら反応してくれ!
「ハ、ハルク?」
「…………ガキだな。やっぱり」
「え?」
ぼそりとそう言って、ハルクは寝返りをうって私に背を向けた。
「ハルク? ごめん、私、何か気分を害するようなことを言った?」
「別に。ただ、オレがお前のガキさ加減を舐めてただけだ。……くそっ。こんなガキ相手に、不覚にも動揺してしまったオレが馬鹿だった」
……いや、明らかに不機嫌になってるじゃん。人のこと、ガキガキって連呼してるし。
「だから、ガキでなくてリッカだって……」
「……ああ、そうだな。リッカ。これからはちゃんと名前で呼ぶようにするから、今はとりあえず寝させてくれ。何だか熱が上がって来た気がする」
思わず口もとが、にへらと緩む。
「気にしないで~。友達なら、これくらい当然でしょ!」
「………………は?」
「あ、まだ、友達未満か。でもさ、うん。いずれは友達になれるよう、前向きに考えてくれるんでしょ? なら、これもまたお近づきのしるしということで」
私の言葉に、なぜかハルクは驚愕の表情で布団から顔を出した。
「とも……だち?」
「うん」
「オレと、お前とが、か?」
「うん。意外と私とハルク、相性悪くないと思うんだよね。年齢差はあるけど、あんまりその辺り気にしないで話せるし」
……あ、今の発言はちょっと恥ずかしかったかな?
いや、その友達になってと言う時点で、よくよく考えれば恥ずかしいことなんだけど、なんかその発言を擁護するようなセリフを自分で言うのって、なんかもっと恥ずかしいっというか……。
……ああ、なんか考えれば考える程、恥ずかしくなってきた! ハルクも黙り込んで何も言わないし! 頼むから、何かしら反応してくれ!
「ハ、ハルク?」
「…………ガキだな。やっぱり」
「え?」
ぼそりとそう言って、ハルクは寝返りをうって私に背を向けた。
「ハルク? ごめん、私、何か気分を害するようなことを言った?」
「別に。ただ、オレがお前のガキさ加減を舐めてただけだ。……くそっ。こんなガキ相手に、不覚にも動揺してしまったオレが馬鹿だった」
……いや、明らかに不機嫌になってるじゃん。人のこと、ガキガキって連呼してるし。
「だから、ガキでなくてリッカだって……」
「……ああ、そうだな。リッカ。これからはちゃんと名前で呼ぶようにするから、今はとりあえず寝させてくれ。何だか熱が上がって来た気がする」
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