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拾った家出猫

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 そう言ってパックさんは苦笑いを浮かべながら、呆れたように肩を竦めた。

「……相当、拗ねてたから。種の独占のこと僕に怒られて」

 …………ああ、なるほど。そういうことか。

「でも、正直その点に関しては自業自得かと思いますが」

「うん。僕もそう思う。ただハルク、相変わらずその辺りはお子様なんだなーって思って。もう良い年齢なんどから、しっかりして欲しいよね」

 ため息を吐きながら、お茶をすするパックさん。
しかし、その目は何というか……慈愛に満ちた父性のようなものが垣間見えるのは気のせいだろうか。

「まあ、セルドア魔術師長に結界緩和してもらったなら、そのうちマンドラゴラの成育具合確かめずにはいられなくなって勝手に出て来ると思うけど。もし、町の方に顔を出す機会があったらリッカちゃん様子を見に行ってあげてよ。あんまり拗らせると、意地になってよけい面倒なことを引き起こしかねないからさ」

「何というか……パックさん、本当ハルクの保護者って感じですね。パックさんの方が年下なのに」

「まあ、最初に家出猫を拾って世話したのは、僕だからね。やっぱり拾ったからには、ちゃんと責任持って世話しないと」

 思わず食べかけのシフォンケーキを吹き出しそうになった。……保護者というか、もはや飼い主!? 

 なんてか……みょうにしっくり来るから、困る。確かにハルクは凶暴な猫っぽい。パックさんは、動物大好き人間だし、世話したくなる気持ちは分かる。

「……面倒くさい性格してるけどね。あれで、結構良いとこもあるんだよ。ハルク」

「ああ、それはなんか分かります」

 泣いている私を、慰めてくれたしね。
 根は良い奴なんだと思うよ。面倒くさいけど。

 一人頷いていると、なぜかパックさんが驚いたように目を見開いてた。

「……どうしました?」

「いや……まさか、リッカちゃんが同意してくれると思わなくて」

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