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あれ……セルドアの様子が
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「……そうなんですか」
「そうなんですよ」
「…………セルドア様が窮屈でないなら、良いです」
「はい。お気遣いありがとうございました」
……な、なんかとても気まずい。落ち着かない。
「……あ、そ、そうだ。セルドア様。放牧魔法はどうなりました?」
「すみません。理論構築はできたのですが、リッカが使いやすいように改良して、可能なら魔具化して渡したいので、もう少し待ってください」
「あ、はい。それはもちろん。お待ちします。ありがとうございます」
おおー……私、魔法についてよく知らないけど、全く新しい魔法を理論構築するって、普通そんなに簡単にできないよね。やっぱり、セルドアって天才ー。
……て、うわ、なんか話終わってしまった。セルドアも、ご飯食べ終わってしまった。気まずい。なんか、新しい話題。
「あ……あー、私、お皿片付けますね」
「ああ、じゃあ一緒に片付けますよ」
「あ……大丈夫です。大丈夫です。食器少ないですなら。すぐに終わりますんで、セルドア様はくつろいでいてください」
なんか、一緒に皿洗いなんかしたら、さらに気まずい雰囲気になりそうな気がする!
しゅぱっと空いた皿を奪うと、セルドアが何か手を出す前に素早く洗ってしまうことにする。
素早く! それでいて、洗い残しなく! よし完璧……ってしまった。もうちょっと、間を持たせればよかった。
「セ、セルドア様。お時間はまだ大丈夫ですか?」
「今日は午後から大きな予定は入ってないので。まだしばらくは大丈夫ですよ」
か、帰る気配もない。
ど、どうしよう。何か話題、話題……気まずい際どい方向に繋がらない奴!
「あ……そうだ、牧場の結界!あれ、ハルクも入れるようにしてもらえませんか? 頼まれたんです」
ーー次の瞬間、セルドアの笑顔がぴきりと固まった。
「そうなんですよ」
「…………セルドア様が窮屈でないなら、良いです」
「はい。お気遣いありがとうございました」
……な、なんかとても気まずい。落ち着かない。
「……あ、そ、そうだ。セルドア様。放牧魔法はどうなりました?」
「すみません。理論構築はできたのですが、リッカが使いやすいように改良して、可能なら魔具化して渡したいので、もう少し待ってください」
「あ、はい。それはもちろん。お待ちします。ありがとうございます」
おおー……私、魔法についてよく知らないけど、全く新しい魔法を理論構築するって、普通そんなに簡単にできないよね。やっぱり、セルドアって天才ー。
……て、うわ、なんか話終わってしまった。セルドアも、ご飯食べ終わってしまった。気まずい。なんか、新しい話題。
「あ……あー、私、お皿片付けますね」
「ああ、じゃあ一緒に片付けますよ」
「あ……大丈夫です。大丈夫です。食器少ないですなら。すぐに終わりますんで、セルドア様はくつろいでいてください」
なんか、一緒に皿洗いなんかしたら、さらに気まずい雰囲気になりそうな気がする!
しゅぱっと空いた皿を奪うと、セルドアが何か手を出す前に素早く洗ってしまうことにする。
素早く! それでいて、洗い残しなく! よし完璧……ってしまった。もうちょっと、間を持たせればよかった。
「セ、セルドア様。お時間はまだ大丈夫ですか?」
「今日は午後から大きな予定は入ってないので。まだしばらくは大丈夫ですよ」
か、帰る気配もない。
ど、どうしよう。何か話題、話題……気まずい際どい方向に繋がらない奴!
「あ……そうだ、牧場の結界!あれ、ハルクも入れるようにしてもらえませんか? 頼まれたんです」
ーー次の瞬間、セルドアの笑顔がぴきりと固まった。
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