167 / 336
やっぱりこの人も
しおりを挟む
……急に、何を言いだすんだ。この人は。
だけどルートさんの表情は至って真面目だった。
「うん。想像してみたが、やはり悪くないな。リッカ、特に親から来ている縁談とかがなければ、俺と結婚する未来も視野に入れてみないか?」
「……………はあ?」
「俺は給料もそれなりにもらっているし、一応貴族ではあるが次男で家のしがらみも薄い。結婚相手としては悪くない条件だと思うが」
それって……それってもしかしなくても……。
「ーーどう考えても、ラド目当てですね。分かります」
「リッカの飯も、美味い」
「ラドと、私のご飯目当てということですね。大して変わらない気もしますが、とても腑に落ちます」
ーーーーほんっっっと、予想を裏切らない人だなあ! いっそ、もう、清々しいぞ!
「…………セルドアといい、パックさんといい、本当結婚相手に求めるハードル低くないですかね。私の周りの人達」
「セルドアやパックは知らんが、俺は結婚相手に求める条件はなかなか厳しいと思うぞ。リッカのように、ドラゴンに懐かれる特異な体質の女なんてそうそういないからな。そこまででなくても、ドラゴンを怖がるような女じゃ、とても夫婦になれるとは思えん」
「…………いや、仕事とプライベートはまた別の話でしょう。奥さんは、別にドラゴン嫌いでもいいじゃないですか。庭にドラゴン住ませるわけじゃないんだし」
「たとえ直接関わりがなかろうが、俺が至宝と尊ぶものに対して、負の感情を持つような女は好かない」
……まあ、分からなくもないかな。どんなに人間性がよかったとしても、コカトリス嫌いな相手とは私も仲良くなれる気がしないし。個人の嗜好はそれぞれとはいえ、なんかムカつくもん。
いや、でもそういう問題でもなくて。
「……まず、異性として愛せるかとかそういうことは気にしないんですか」
私の言葉に、ルートさんは心底不思議そうに首をかしげた。
「…………それって、結婚においてそんなに大事なものか?」
……案の定といえば、案の定の答えだな。ちょっとデジャヴだし。
だけどルートさんの表情は至って真面目だった。
「うん。想像してみたが、やはり悪くないな。リッカ、特に親から来ている縁談とかがなければ、俺と結婚する未来も視野に入れてみないか?」
「……………はあ?」
「俺は給料もそれなりにもらっているし、一応貴族ではあるが次男で家のしがらみも薄い。結婚相手としては悪くない条件だと思うが」
それって……それってもしかしなくても……。
「ーーどう考えても、ラド目当てですね。分かります」
「リッカの飯も、美味い」
「ラドと、私のご飯目当てということですね。大して変わらない気もしますが、とても腑に落ちます」
ーーーーほんっっっと、予想を裏切らない人だなあ! いっそ、もう、清々しいぞ!
「…………セルドアといい、パックさんといい、本当結婚相手に求めるハードル低くないですかね。私の周りの人達」
「セルドアやパックは知らんが、俺は結婚相手に求める条件はなかなか厳しいと思うぞ。リッカのように、ドラゴンに懐かれる特異な体質の女なんてそうそういないからな。そこまででなくても、ドラゴンを怖がるような女じゃ、とても夫婦になれるとは思えん」
「…………いや、仕事とプライベートはまた別の話でしょう。奥さんは、別にドラゴン嫌いでもいいじゃないですか。庭にドラゴン住ませるわけじゃないんだし」
「たとえ直接関わりがなかろうが、俺が至宝と尊ぶものに対して、負の感情を持つような女は好かない」
……まあ、分からなくもないかな。どんなに人間性がよかったとしても、コカトリス嫌いな相手とは私も仲良くなれる気がしないし。個人の嗜好はそれぞれとはいえ、なんかムカつくもん。
いや、でもそういう問題でもなくて。
「……まず、異性として愛せるかとかそういうことは気にしないんですか」
私の言葉に、ルートさんは心底不思議そうに首をかしげた。
「…………それって、結婚においてそんなに大事なものか?」
……案の定といえば、案の定の答えだな。ちょっとデジャヴだし。
0
お気に入りに追加
2,464
あなたにおすすめの小説
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
私の婚約者は6人目の攻略対象者でした
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
王立学園の入学式。主人公のクラウディアは婚約者と共に講堂に向かっていた。
すると「きゃあ!」と、私達の行く手を阻むように、髪色がピンクの女生徒が転けた。『バターン』って効果音が聞こえてきそうな見事な転け方で。
そういえば前世、異世界を舞台にした物語のヒロインはピンク色が定番だった。
確か…入学式の日に学園で迷って攻略対象者に助けられたり、攻略対象者とぶつかって転けてしまったところを手を貸してもらったり…っていうのが定番の出会いイベントよね。
って……えっ!? ここってもしかして乙女ゲームの世界なの!?
ヒロイン登場に驚きつつも、婚約者と共に無意識に攻略対象者のフラグを折っていたクラウディア。
そんなクラウディアが幸せになる話。
※本編完結済※番外編更新中
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
悪役令嬢が死んだ後
ぐう
恋愛
王立学園で殺人事件が起きた。
被害者は公爵令嬢 加害者は男爵令嬢
男爵令嬢は王立学園で多くの高位貴族令息を侍らせていたと言う。
公爵令嬢は婚約者の第二王子に常に邪険にされていた。
殺害理由はなんなのか?
視察に訪れていた第一王子の目の前で事件は起きた。第一王子が事件を調査する目的は?
*一話に流血・残虐な表現が有ります。話はわかる様になっていますのでお嫌いな方は二話からお読み下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる