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やっぱりこの人も

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 ……急に、何を言いだすんだ。この人は。
 だけどルートさんの表情は至って真面目だった。

「うん。想像してみたが、やはり悪くないな。リッカ、特に親から来ている縁談とかがなければ、俺と結婚する未来も視野に入れてみないか?」

「……………はあ?」

「俺は給料もそれなりにもらっているし、一応貴族ではあるが次男で家のしがらみも薄い。結婚相手としては悪くない条件だと思うが」

 それって……それってもしかしなくても……。

「ーーどう考えても、ラド目当てですね。分かります」

「リッカの飯も、美味い」

「ラドと、私のご飯目当てということですね。大して変わらない気もしますが、とても腑に落ちます」

 ーーーーほんっっっと、予想を裏切らない人だなあ! いっそ、もう、清々しいぞ!

「…………セルドアといい、パックさんといい、本当結婚相手に求めるハードル低くないですかね。私の周りの人達」

「セルドアやパックは知らんが、俺は結婚相手に求める条件はなかなか厳しいと思うぞ。リッカのように、ドラゴンに懐かれる特異な体質の女なんてそうそういないからな。そこまででなくても、ドラゴンを怖がるような女じゃ、とても夫婦になれるとは思えん」

「…………いや、仕事とプライベートはまた別の話でしょう。奥さんは、別にドラゴン嫌いでもいいじゃないですか。庭にドラゴン住ませるわけじゃないんだし」

「たとえ直接関わりがなかろうが、俺が至宝と尊ぶものに対して、負の感情を持つような女は好かない」

 ……まあ、分からなくもないかな。どんなに人間性がよかったとしても、コカトリス嫌いな相手とは私も仲良くなれる気がしないし。個人の嗜好はそれぞれとはいえ、なんかムカつくもん。

 いや、でもそういう問題でもなくて。

「……まず、異性として愛せるかとかそういうことは気にしないんですか」

 私の言葉に、ルートさんは心底不思議そうに首をかしげた。

「…………それって、結婚においてそんなに大事なものか?」

 ……案の定といえば、案の定の答えだな。ちょっとデジャヴだし。
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