転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

つながった人間関係

｢ち、因みにルートさんや、ハミルさんとも実はお知り合いだったり……？｣

｢ああ、勿論。二人とも、先輩だけどね。ほら、僕はこの体質でしょう？　国営家畜場の方に正式に所属する前は、ドラゴンの飼育の方に一時期仮所属してた時期もあったんだよ。ルートさんからは、『ドラゴンに気に入られないまでも、ここまで刺激しないなら十分優秀だ！』って、残ることを切望されてたんだけど、僕としてはドラゴンには特別思い入れないし。やっぱり体質を最大限に生かせる、家畜場のが良いかなって｣

　……おお、人間関係がつながった。
　なるほど、そんな風になってたのね。パックさんと、ハルクが同年代の友達で、セルドアとルートさんが友達と言わないまでも、それなりに親しくて。ドラゴン関係で、ハミルさんと、ルートさんと、パックさんが繋がりがある、と。
　……うん？　でもそのわりに、ハルクはセルドアに普通にタメ口きいてなかったか。一応、役職としても、国に所属した時期からしても上のはずなんだが。
　だけど、まあ……ハルクだしな。誰に対しても、あの態度でもおかしくない気はする。そう言えば、年齢だけはセルドアと同じって言ってたし。
　…………そう考えると、ハルクは本当にパックさんより年上なんだな。なんか、身長差とか精神年齢の差とか考えるとちびっと物悲しい気持ちになるよ。だからこそ、接しやすいんだけど。

｢とにかく、今日か明日の朝のうちにでも、ハルクを叱っておくから、リッカちゃんは今後は安心して種を買いに行ってね｣

　それじゃあ、改めてごちそう様でした。
　そう言って、爽やかに去って行くパックさんの背中を見送る。

　うーん……パックさんって腹黒いのか、天然爽やかさんなのか、ちょっと判断つきかねるよね。なんか、どっちもただただ素な気がして。

｢いい人なのは間違いないんだけど……怒らせたら恐そう｣