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パックさんのハート
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ーーまさかの、カマかけ!?
思わず、あんぐりと口を開く私に、パックさんはわざとらしくため息を吐いてみせた。
「リッカちゃんは、本当にセルドア魔術師長相手には気を許しててるんだね。なんか、妬けるなあ」
……あ、でも、涙を見せたのはセルドアだと思ってるのか。そりゃそうか。パックさん、ハルクの存在自体知っているのか怪しいもんな。
ほっとしたような、それはそれでなんかもやもやするよーな……。
ああ、でもハルクの前で泣いたことがばれるよりは、まだ良い……のかな。セルドアのがハルクより精神年齢高そうな感あるから、まあね。
「…………あれ、複雑そうな顔してるけど、もしかしてセルドア魔術師長じゃなかった?」
「い、いや、セルドア様ですよ! はい、セルドア様でした! セルドア様の前で、うっかり泣いちゃいました!」
なんか再びあっさり見透かされそうになったので、反射的に謎のセルドア推しをしてしまった。
「……ふうん」
パックさんは疑わしそうな目でしばらく私を見た後、再び大きくため息を吐いて肩を落とした。
「リッカちゃんは、随分モテるんだね。あーあ、ライバルがたくさんで、前途多難だなあ」
…………ライバル?
「ライバルって、何の……」
「それはもちろん、リッカちゃんを巡る恋の……」
「いや、ないでしょう。それは」
パックさんの背後に見える、ハートを思わず見つめる。
……緑色。確かに緑色なんだけどさ。
「パックさんって……人間の女の子を好きになるんですか?」
やっぱり恋愛の指標って思うには、このハート、限りなく怪しいよね。これ。
私の言葉に、パックさんはキョトンとした表情っで首をかしげた。
「…………僕って、そんな人間嫌いに見える?」
「いや、パックさんが人間嫌いだとは、全然思いませんよ。寧ろ、好きな方だと思ってます」
……だけど、さ。
「だけど……パックさんの人間に対する『好き』と、他の生き物に対する『好き』は、同じなんじゃないかな、って」
思わず、あんぐりと口を開く私に、パックさんはわざとらしくため息を吐いてみせた。
「リッカちゃんは、本当にセルドア魔術師長相手には気を許しててるんだね。なんか、妬けるなあ」
……あ、でも、涙を見せたのはセルドアだと思ってるのか。そりゃそうか。パックさん、ハルクの存在自体知っているのか怪しいもんな。
ほっとしたような、それはそれでなんかもやもやするよーな……。
ああ、でもハルクの前で泣いたことがばれるよりは、まだ良い……のかな。セルドアのがハルクより精神年齢高そうな感あるから、まあね。
「…………あれ、複雑そうな顔してるけど、もしかしてセルドア魔術師長じゃなかった?」
「い、いや、セルドア様ですよ! はい、セルドア様でした! セルドア様の前で、うっかり泣いちゃいました!」
なんか再びあっさり見透かされそうになったので、反射的に謎のセルドア推しをしてしまった。
「……ふうん」
パックさんは疑わしそうな目でしばらく私を見た後、再び大きくため息を吐いて肩を落とした。
「リッカちゃんは、随分モテるんだね。あーあ、ライバルがたくさんで、前途多難だなあ」
…………ライバル?
「ライバルって、何の……」
「それはもちろん、リッカちゃんを巡る恋の……」
「いや、ないでしょう。それは」
パックさんの背後に見える、ハートを思わず見つめる。
……緑色。確かに緑色なんだけどさ。
「パックさんって……人間の女の子を好きになるんですか?」
やっぱり恋愛の指標って思うには、このハート、限りなく怪しいよね。これ。
私の言葉に、パックさんはキョトンとした表情っで首をかしげた。
「…………僕って、そんな人間嫌いに見える?」
「いや、パックさんが人間嫌いだとは、全然思いませんよ。寧ろ、好きな方だと思ってます」
……だけど、さ。
「だけど……パックさんの人間に対する『好き』と、他の生き物に対する『好き』は、同じなんじゃないかな、って」
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