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一途な種族

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 つまり簡単に言えば、まあ、私は謎のゲームの主人公で。
 私の動きに周囲は色々振り回されることになるけど、正解も目指す場所もないから、好き勝手に動いても良いってことだろう。

 世界は私を中心に回ってる☆……が、まさに真実だと。
 そんな、壮大なポジション要らなかったんだけどなー。
 ……ああ、牧場はじめて以来、周囲にハートマークついたイケメンが見えるのも、結局はそういうことだと。あの人たちも、ゲーム的な運命背負わされているわけね。かわいそうに思うけど、私だって被害者だから、謝罪はしないぜ。

【全ては、この世界を作った神が定めたこと。君には何の責任もない。だから、そう気負うことはないんだ】

 ……ほら。ドラゴンさんも、こう言ってるし。

 そーだ。そーだ。私は悪くねーど。文句は全て神様にお願いします。

【……まあ、母親の気持ちとしては、息子の心を奪った責任を取って、番になって欲しいところだけどね】

 …………うん? なんか今、不穏というか、何というか、あんまり聞きたくない、聞いちゃいけない言葉が頭の中に流れてきた気がするのだけど。

 恐る恐る青ドラゴンへと視線をやると、うっすら開かれた瞳と、ばっちり目があった。
 わ、笑ってない。なんか、目の奥が笑ってない気がするのは、気のせいでしょうか。気のせいであってください。

【……ドラゴンはね、なかなか繁殖しない。これは、長寿なせいも、孵化の時期を卵自身の判断に任せるというのもあるけれど、最大の理由は、ドラゴンは一度番と認定した相手に対して、一途過ぎるということにあるんだ】

 え………て、ちょっと待って。ラドさん。このタイミングで、私にすりよって来ないで。尻尾を首に巻き付けないで。貴方のお母さんの目が怖い。

【ふられようが、相手に他に番がいようが諦めないし、たとえ先立たれたとしても他の相手には目もくれずに、ただ再び転生して相まみえることだけを信じて何百年も待ち続ける。……そんな特性だから、よほど幸運なカップル以外は、なかなか繁殖まで至れない訳だ。私達番が百年も経たずに出会えたのは、本当奇跡だったと、今も思ってる】

「……あ、あの、それドラゴン同士の話ですよね? 多種族関係ないですよね?」
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