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ハミルさんと面談

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 セルドアの言葉に、ハミルさんは虚を突かれたように目を開いた。

「……リッカちゃんの、意思?」

「そうですよ。……新参者の貴方はともかく、他の家族はどうして気づかないのか、理解に苦しみます。誰より、リッカの傍にいたはずなのに」

 ーーしょせん、血がつながっているだけの他人ということですかね。家族なんて。

 吐き捨てるように言われた家族を知らないセルドアの言葉は、私の胸に鋭利に突き刺さった。

「……そんなんじゃ、ありません。セルドア様。家族はみんな、私を愛して大切にしてくれてます。……ただ、私が言えなかっただけで……」

「愛し、大切にするなら、もっと本人の気持ちを汲んで、意思を尊重しようとするはずでしょう。この短期間一緒にいただけの、私でも、リッカがどれほどコカトリスや牧場の仕事を愛しているか解りますよ。それなのに、一番近くにいたはずの家族が、何故、分からないのですかね」

「それは……」

 全ては言葉を惜しんだ私が悪い。
 家族を傷つけたくないから、本当の想いを押し隠すのを選んだのは、私だ。
 だから、家族は何も悪くない。

 そう言いたかったのに、言葉は胸につかえて、口にすることはできなかった。

 向けられるセルドアの瞳から、純粋に私を心配する気持ちが伝わってきて、だからこそ、よけいに胸が苦しくなった。
 
「……リッカ、ちゃん」

 戸惑いを露わにしているハミルさんを脇に、唇を噛んで、目を伏せた。

「セルドア様。ルートさん。………少し、ハミルさんと、二人きりで話させてくれませんか」



 ……結論から言えば、純粋にハミルさんと二人きりになることは叶わなかった。

「ぴぎぃ! ぴぎぃ!」

「…………二人きりにしてって言ったのに」

 セルドアやルートさんは了承して、空き部屋も貸してくれたのに、ラドがどれほど言っても、私の首元にまとわりついたまま離れてくれなかったからだ。
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