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やばいやばいぞ
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…………やばい。やばい。やばいぞ。
私、侍女をやっていることになっているのに。
いや、待てよ。今の段階ではまだ、侍女な感じで誤魔化せるか? こう「セルドア様に頼まれて、子ドラゴン様をお連れしました」とか、そんな感じで。
うん、いける。その方向で……。
「ハミル先輩。この娘が、牧場でドラゴンの卵の孵化に成功させた、リッカです。こう見えて、一人でコカトリスを育ててる、猛者なんですよ」
ーーってルートさん!!!! 空気、空気読んで!
貴方がドラゴン以外本当興味ないことは、重々承知しているけど!
「……ふうん。リッカちゃん、ね」
すっと目を細めるハミルさんに、血の気が引く。
「私の義理の妹と、同じ名前だね。コカトリスが好きな所とか、そっくりだ」
…………今、別人みたいな服装とメイクと髪型してるし、同名別人で通らせられないかなー。押し通したいなー。
「あ、先日ハミル先輩、結婚されたんでしたよね」
「……だから妻の牧場を継ぐ名目で退職したのに、その辺り忘れているのがお前らしいよな。相変わらずドラゴン馬鹿か」
「はい!」
「………自信満々に答えるなよ」
ルートさんに苦笑いをしながら、ハミルさんは冷ややかな目をセルドアに向けた。
「……で、セルドア魔術師長。どういうことなんですか。うかがっていた業務内容とは、ずいぶん違うようなんですが」
…………やっぱり、誤魔化されてくれませんよねー。
「……別に嘘はついてませんよ。侍女業務内容のうちに、ドラゴンの卵の世話があっただけです」
「そんな最重要事項を隠しておいて、何が嘘じゃないですか! しかも、コカトリスまで飼っているですって? 私が妻の牧場を何のために継いだと思っているんですか!」
「……奥さんの願いを叶える為でしょう。リッカの為ではなく。私はあくまでリッカの意思を尊重しただけですよ」
私、侍女をやっていることになっているのに。
いや、待てよ。今の段階ではまだ、侍女な感じで誤魔化せるか? こう「セルドア様に頼まれて、子ドラゴン様をお連れしました」とか、そんな感じで。
うん、いける。その方向で……。
「ハミル先輩。この娘が、牧場でドラゴンの卵の孵化に成功させた、リッカです。こう見えて、一人でコカトリスを育ててる、猛者なんですよ」
ーーってルートさん!!!! 空気、空気読んで!
貴方がドラゴン以外本当興味ないことは、重々承知しているけど!
「……ふうん。リッカちゃん、ね」
すっと目を細めるハミルさんに、血の気が引く。
「私の義理の妹と、同じ名前だね。コカトリスが好きな所とか、そっくりだ」
…………今、別人みたいな服装とメイクと髪型してるし、同名別人で通らせられないかなー。押し通したいなー。
「あ、先日ハミル先輩、結婚されたんでしたよね」
「……だから妻の牧場を継ぐ名目で退職したのに、その辺り忘れているのがお前らしいよな。相変わらずドラゴン馬鹿か」
「はい!」
「………自信満々に答えるなよ」
ルートさんに苦笑いをしながら、ハミルさんは冷ややかな目をセルドアに向けた。
「……で、セルドア魔術師長。どういうことなんですか。うかがっていた業務内容とは、ずいぶん違うようなんですが」
…………やっぱり、誤魔化されてくれませんよねー。
「……別に嘘はついてませんよ。侍女業務内容のうちに、ドラゴンの卵の世話があっただけです」
「そんな最重要事項を隠しておいて、何が嘘じゃないですか! しかも、コカトリスまで飼っているですって? 私が妻の牧場を何のために継いだと思っているんですか!」
「……奥さんの願いを叶える為でしょう。リッカの為ではなく。私はあくまでリッカの意思を尊重しただけですよ」
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