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いざ、ラドのご両親のもとへ

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「……王が不在ということなら仕方ありませんね。面会は後日にして、今日はとりあえず親ドラゴンのもとへ参りましょうか」

 お。とりあえず、王との面会という胃が痛い行為は先延ばしになった。ラッキー。
 まあ、どうせいつかは面会しないといけないんだけど、それまで王の正体とかも含めて、色々心の準備をしておきたいからね。
 ………そうかー。王様、私とお仲間かもしれないのかー。あのきらっきらの映像とか、謎の声とか、私にしか見えない選択肢とか、同じようにみえてるのかな。だとしたら心強いような、そうでもないような……。

「ぴぎぃ! ぴぎぃ!」

 私が遠い目をしていたのがご不満だったのか、肩乗りのラドから、口の先でほっぺたを突かれた。

 痛……くはないけど、くすぐったい。

「はいはい。今は、君との両親との面会が先決ですね。……ドラゴン舎って、遠いんですか?」

「少し歩きますが、同じ敷地内ですからね。でもリッカが歩きたくないなら、転移しますよ?」

「いいえ。歩きたい、私、とても歩きたいので結構です!」

 ……さっきからセルドアと話しているだけで、すれ違う人達にギョッとした目で見られているのに、一瞬だけとはいえ、抱き上げられるのは御免被りたい。城の豪華さを堪能する為にも、ここは是非とも歩かせてもらおう。

「……ああ、でもこんな豪華な服でドラゴン舎になんて行っても大丈夫ですかね。汚れたりなんかは……」

「気にしないで下さい。王宮ではほとんど普段着のようなものですし」

 ……と、言われてもなあ。
 そりゃあ、魔術師長なんていう大層な地位に着いているセルドアには普段着みたいなものかもしれないけど。
 躊躇う庶民の私の姿に、セルドアは微笑ましげに目を細めた。

「大丈夫ですよ。万が一汚れたとしても、魔術で何とでもできますから」

 ……まあ、それもそうか。
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