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脅しと本音
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「なんなら、私が魔法を使って直々に調ky……躾てあげましょう。せいぜい良い子になるように教育してあげますよ」
「ぴぎゃあ! ぴぎゃあ!」
黒オーラ全開でラドに微笑みかけるセルドアと、脅えたように鳴き暴れるラド。
……うーん。セルドア。なかなか、大人げない。
「……セルドア様。本気でそんなことする気ないのに、あまりラド脅かすのやめてあげてください。そろそろ本気で敵認定されますよ」
ため息まじりで告げた私の言葉に、セルドアは小さく眉を寄せた。
「……何故、本気でないと思うのですか」
「何故も何も、普通に考えてセルドア様がそんなことするはずないですもの。……下手したら、親ドラゴンも敵に回すようなこと」
ドラゴンは、自分が産んだ卵に対しては、確かにあまり関心を持っていないかもしれない。
……だからと言って、生まれた子どもにも同様に無関心だとは、必ずしも言いきれない。
ラドのことで分かったように、ドラゴンは卵の段階から高い知性を持ち、自らの意志で孵化するかどうかを選べる。故に、卵の段階では親ドラゴンが面倒をみる必要はない。
だが、卵から孵ったばかりの幼体に対してはどうなのだろうか?
それに面倒をみないからといって、そこに愛情がないとは限らない。下手にラドを粗雑に扱えば、親ドラゴンが怒り、契約を破棄して暴れる可能性もある。
ドラゴンの生態が分かっていない今の段階では、軽はずみな行動はできないのだ。
「まあ、城に連れて行くこと自体は反対はしませんけどね。王への報告に加えて、ラドの両親にも生まれたラドを見せておいた方が良いと思いますし。セルドア様も、そのおつもりで来たのでしょう?」
「……子ドラゴンが気にしないのなら、ルートに全部任せたいと思っているのも事実ですが」
「気にしないのは、無理そうですね。……セルドア様。ちょっと手を離してあげて下さい」
「ぴぎゃあ! ぴぎゃあ!」
黒オーラ全開でラドに微笑みかけるセルドアと、脅えたように鳴き暴れるラド。
……うーん。セルドア。なかなか、大人げない。
「……セルドア様。本気でそんなことする気ないのに、あまりラド脅かすのやめてあげてください。そろそろ本気で敵認定されますよ」
ため息まじりで告げた私の言葉に、セルドアは小さく眉を寄せた。
「……何故、本気でないと思うのですか」
「何故も何も、普通に考えてセルドア様がそんなことするはずないですもの。……下手したら、親ドラゴンも敵に回すようなこと」
ドラゴンは、自分が産んだ卵に対しては、確かにあまり関心を持っていないかもしれない。
……だからと言って、生まれた子どもにも同様に無関心だとは、必ずしも言いきれない。
ラドのことで分かったように、ドラゴンは卵の段階から高い知性を持ち、自らの意志で孵化するかどうかを選べる。故に、卵の段階では親ドラゴンが面倒をみる必要はない。
だが、卵から孵ったばかりの幼体に対してはどうなのだろうか?
それに面倒をみないからといって、そこに愛情がないとは限らない。下手にラドを粗雑に扱えば、親ドラゴンが怒り、契約を破棄して暴れる可能性もある。
ドラゴンの生態が分かっていない今の段階では、軽はずみな行動はできないのだ。
「まあ、城に連れて行くこと自体は反対はしませんけどね。王への報告に加えて、ラドの両親にも生まれたラドを見せておいた方が良いと思いますし。セルドア様も、そのおつもりで来たのでしょう?」
「……子ドラゴンが気にしないのなら、ルートに全部任せたいと思っているのも事実ですが」
「気にしないのは、無理そうですね。……セルドア様。ちょっと手を離してあげて下さい」
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