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繋がらない理由
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採れたてコカトリスの卵を使ったフレンチトーストを食べた後、ルートさんはとても名残惜し気に城へと向かった。
さて。
トリスの世話もマンドラゴラの世話も終わったし、何をしようか。
何だか、ラドがめちゃくちゃすり寄って遊んで欲しがっているし、今日はラドと遊んでようかな。
「……わっ!」
「ーーリッカ! ドラゴンが孵ったって本当ですか!?」
び……びっくりした。セルドアか。
突然転移してくるの、やめて欲しい。心臓に悪い。
「はい。この通りです」
鳥のごとく、ちょこんと私の腕に乗っているラドを見せると、セルドアは目を見開いた。
「っ、なんで私に真っ先に連絡してくれないんですか、こんな重要なこと!」
「昨日の夜も、今日の朝も連絡しましたよ。二回も。でも、まったく繋がらなかったんです」
「なっ……そんなはず」
セルドアはしばらく絶句した後、ハッとしたように回りを見渡して、口の中で何か小さな呪文を唱えた。
「……通信妨害の電波が発せられているのが、確認できますね。どうやら昨日の夜からのようです」
……そう言われれば、昨日パックさんと別れた後にトリスに会いに行ったのを連絡した時、返信がなかったな。忙しくて返事する余裕ないんだろうとばかり思っていたけど。
「……発信源は……」
セルドアの視線が、私の手元に向けられる。
「……ラド?」
「きゅー?」
何のことでしょう?とでも言うように、首をかしげて、上目遣いに私を見つめるラド。
かわいい。だが、あざとさ全開だから、私は騙されんぞ。
「ラドが、通信妨害電波を発したのかい?」
「きゅー? きゅー?」
「はいはい。かわいい、かわいい。かわいいのは認めるから、確信犯なら素直に白状なさい。怒らないから」
うりうりと、首の辺りを指でさすってやると、どうやら観念したらしい。
短い両手で顔を隠して、弱々しくきゅー……と、鳴き出した。
……うん。観念の仕方もあざといよ。かわいいけど。
さて。
トリスの世話もマンドラゴラの世話も終わったし、何をしようか。
何だか、ラドがめちゃくちゃすり寄って遊んで欲しがっているし、今日はラドと遊んでようかな。
「……わっ!」
「ーーリッカ! ドラゴンが孵ったって本当ですか!?」
び……びっくりした。セルドアか。
突然転移してくるの、やめて欲しい。心臓に悪い。
「はい。この通りです」
鳥のごとく、ちょこんと私の腕に乗っているラドを見せると、セルドアは目を見開いた。
「っ、なんで私に真っ先に連絡してくれないんですか、こんな重要なこと!」
「昨日の夜も、今日の朝も連絡しましたよ。二回も。でも、まったく繋がらなかったんです」
「なっ……そんなはず」
セルドアはしばらく絶句した後、ハッとしたように回りを見渡して、口の中で何か小さな呪文を唱えた。
「……通信妨害の電波が発せられているのが、確認できますね。どうやら昨日の夜からのようです」
……そう言われれば、昨日パックさんと別れた後にトリスに会いに行ったのを連絡した時、返信がなかったな。忙しくて返事する余裕ないんだろうとばかり思っていたけど。
「……発信源は……」
セルドアの視線が、私の手元に向けられる。
「……ラド?」
「きゅー?」
何のことでしょう?とでも言うように、首をかしげて、上目遣いに私を見つめるラド。
かわいい。だが、あざとさ全開だから、私は騙されんぞ。
「ラドが、通信妨害電波を発したのかい?」
「きゅー? きゅー?」
「はいはい。かわいい、かわいい。かわいいのは認めるから、確信犯なら素直に白状なさい。怒らないから」
うりうりと、首の辺りを指でさすってやると、どうやら観念したらしい。
短い両手で顔を隠して、弱々しくきゅー……と、鳴き出した。
……うん。観念の仕方もあざといよ。かわいいけど。
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