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ラドーラドラドーラ

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「ラドーラドラドー……もう、君だけが私の癒しだよ」

 パックさんに通信機でメッセージ入れて、癒しを求めてトリスの元に行って無理矢理羽毛に顔を埋めたら、めちゃくちゃブチ切れて殺られかけたので、現在静かなラドのもとに癒されに来てます。

 ……まあ、トリスのあれも、あれはあれで癒されたけどね! コカトリスは凶暴である程、可愛いのです。

「……もー、ハートの色がどうとか、訳が分からないよねー? ラド。許可なくほっぺにちゅーとか……普通にセクハラ案件だしさあ」

 私が抱きつくと、嬉しそうに脈打ちながら、そのぽかぽか玉肌を預けてくれたラドだけど、頬ずりしながら愚痴を零した途端、一瞬すんと冷たくなって脈動をやめた。

「……ラド? どうしたの? 機嫌悪い?」

 おそるおそる表面を撫でると、再び戻る温度と、脈動。

 ……あー、よかった。機嫌戻ったみたい。

「ん……? 今、ぴきって言わなかった?」

 おそるおそる、卵をひっくり返してみると、何てことでしょう。
 つるつるの殻に、まるで稲妻の如きヒビが入っているではありませんか。

 ……ぴき……ぴきぴきぴきっ……

「ちょ、ま、え」

 どんどん深く、そして複数に入っていく亀裂。そして、手の中で感じるラドの暴れる感覚。

 まずい、いやまずくないけど、どうしよう。

 これ、明らかにラドが卵から孵るフラグですやん。

「ちょ、待って! 孵るの、待って!」

 ーーせめて、卵を藁の上に置かせて!

 そんな私の叫びを丸無視で、ますます割れていく、卵の殻。

 ……あ、なんか、青っぽい口見えた。

 掌からこぼれ落ちる、卵の殻のかけら。
 露わになっていく、青い空のように美しい鱗で覆われた肌。
 
 ……はは……なんか生温い液体がめちゃくちゃ手に溢れて来たんだけど。
 これ、白身というか、羊水?

 あ、やばい。出る、全部出る。

「……ぴぎゃあ!」
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