82 / 336
予想の斜め上に着地したぞ
しおりを挟む
発した人がどれほど腹立たしい嫌な奴だろうと、それでも必ずしも間違った言葉を口にするとは限らない。
正論であればあるほど、余計にムカつくとは思うけどね。だからって頭ごなしに言葉そのものを否定しちゃいけないと思うんだよね。そもそも、くるりんひげのおっさん、そんな悪い人にも見えなかったし。
……と、まあ、私の持論でお説教してみたは良いけど、多分セルドアは受け入れないだろーな。
基本的にプライドは高い人だし、私のことを妹扱いして兄さんぶりたい人だし。
良いのさ。これで嫌いになるなら、嫌ってくれても。
変な夢見られてた方が、厄介だ。
「……………」
しかし、セルドアは私の予想に反して、特別気分を害する様子もなかった。
ただ驚いたように、長い睫毛をばさばささせて瞬きをしていた。(睫毛頑丈で攻撃力高そうだから、モノクル落ちないか地味に心配)
「……驚きました。リッカは、随分大人びた考えを持っているんですね」
おうともさ! こちらはこう見えて、前世と通算すればセルドアよりも(多分)年上だ!
あとセルドア、私のこと随分幼い子扱いしてる節あるけど、私今世でもこっちの世界じゃ一応ぎり結婚できる年齢だからね? ……ちゃんと牧場勤務する上で説明したし、覚えてるよね? ね?
「可愛いくないって、幻滅しました?」
「いえ。全く。……寧ろ、惚れ直しました」
……ハートの色が緑のまんまで変化ない辺り、残念ながら嘘はなさそうだ。
てか、あーた。惚れるとかそういう言葉、さらりと口にするのやめて下さい。お願いだから。
「リッカの言うとおりですね。……私が間違っていました」
うんうんと肯きながら、セルドアはとんでもない言葉を続けた
「ーー今度、リッカに貴族の娘が着るような、豪華な衣装を贈りますね。私が、リッカを上流階級の場にも相応しい淑女に変身させてみせます」
……わっつ?
正論であればあるほど、余計にムカつくとは思うけどね。だからって頭ごなしに言葉そのものを否定しちゃいけないと思うんだよね。そもそも、くるりんひげのおっさん、そんな悪い人にも見えなかったし。
……と、まあ、私の持論でお説教してみたは良いけど、多分セルドアは受け入れないだろーな。
基本的にプライドは高い人だし、私のことを妹扱いして兄さんぶりたい人だし。
良いのさ。これで嫌いになるなら、嫌ってくれても。
変な夢見られてた方が、厄介だ。
「……………」
しかし、セルドアは私の予想に反して、特別気分を害する様子もなかった。
ただ驚いたように、長い睫毛をばさばささせて瞬きをしていた。(睫毛頑丈で攻撃力高そうだから、モノクル落ちないか地味に心配)
「……驚きました。リッカは、随分大人びた考えを持っているんですね」
おうともさ! こちらはこう見えて、前世と通算すればセルドアよりも(多分)年上だ!
あとセルドア、私のこと随分幼い子扱いしてる節あるけど、私今世でもこっちの世界じゃ一応ぎり結婚できる年齢だからね? ……ちゃんと牧場勤務する上で説明したし、覚えてるよね? ね?
「可愛いくないって、幻滅しました?」
「いえ。全く。……寧ろ、惚れ直しました」
……ハートの色が緑のまんまで変化ない辺り、残念ながら嘘はなさそうだ。
てか、あーた。惚れるとかそういう言葉、さらりと口にするのやめて下さい。お願いだから。
「リッカの言うとおりですね。……私が間違っていました」
うんうんと肯きながら、セルドアはとんでもない言葉を続けた
「ーー今度、リッカに貴族の娘が着るような、豪華な衣装を贈りますね。私が、リッカを上流階級の場にも相応しい淑女に変身させてみせます」
……わっつ?
0
お気に入りに追加
2,464
あなたにおすすめの小説
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
rita
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラや攻略不可キャラからも、モテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。
櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。
兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。
ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。
私も脳筋ってこと!?
それはイヤ!!
前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。
ゆるく軽いラブコメ目指しています。
最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。
小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる