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……おや、パックさんのハートの色が
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凶暴な、生き物が好きだ。
それは、その媚びない生き方を美しいと思うからというのもあるけれど、向こうが歯向かってくれれば歯向かってくれるほど、こちらも遠慮なく命のやり取りができるからという部分が大きい。
家畜は、ペットじゃない。利益をもたらしてこそ、なんぼな生き物だ。
利益が維持費より下回るようになれば、処分しなければならない。
遠い遠い昔はそんな人間の残酷な原罪に苦悩したこともあったけど、今はそれこそが「生きる」ことだと思っている。
命を奪い、命を食らい、私達は生きている。その事実を身に染みて知れたことを、私は寧ろ誇りに思う。
だからこそ、私はパックさんに同情を抱かずにはいられない。
育てたコカトリスを、「僕は食べるけど」と言える人だから。
「……まいったな」
パックさんは少しの沈黙の後、パックさんは小さく苦笑いを浮かべて、頬をかいた。
「僕、リッカちゃんのこと、すごく好きになっちゃいそうだ」
………………え。今の流れで、何でそうなるの。
てか、ハート。
ハートの色が、青く変わってない!?
「……えーと。パックさんに気に入ってもらえるのは(家畜のランクを上げてもらう為にも)やぶさかじゃないですけど、理由が分かりません」
「だって、リッカちゃん。僕のこと、すごく良く理解してくれてるから」
にこにこと嬉しそうに笑いながら、パックさんはコカトリスを小屋の仕切られた部屋の中に入れる。
「僕も、リッカちゃんだいたい同じ考えなんだ。この体質は色々便利だけど、やっぱり懐いている子を殺さなきゃいけない時は罪悪感がすごいからさ。こんな能力ない方がよかったかもって、時々思うよ」
「……でも、それでよく、家畜を育てる仕事を選びましたね」
「うん。それでも、使える特技は使っておきたいし……やっぱり生き物が好きだからさ。リッカちゃんなら、分かるだろ?」
それは、その媚びない生き方を美しいと思うからというのもあるけれど、向こうが歯向かってくれれば歯向かってくれるほど、こちらも遠慮なく命のやり取りができるからという部分が大きい。
家畜は、ペットじゃない。利益をもたらしてこそ、なんぼな生き物だ。
利益が維持費より下回るようになれば、処分しなければならない。
遠い遠い昔はそんな人間の残酷な原罪に苦悩したこともあったけど、今はそれこそが「生きる」ことだと思っている。
命を奪い、命を食らい、私達は生きている。その事実を身に染みて知れたことを、私は寧ろ誇りに思う。
だからこそ、私はパックさんに同情を抱かずにはいられない。
育てたコカトリスを、「僕は食べるけど」と言える人だから。
「……まいったな」
パックさんは少しの沈黙の後、パックさんは小さく苦笑いを浮かべて、頬をかいた。
「僕、リッカちゃんのこと、すごく好きになっちゃいそうだ」
………………え。今の流れで、何でそうなるの。
てか、ハート。
ハートの色が、青く変わってない!?
「……えーと。パックさんに気に入ってもらえるのは(家畜のランクを上げてもらう為にも)やぶさかじゃないですけど、理由が分かりません」
「だって、リッカちゃん。僕のこと、すごく良く理解してくれてるから」
にこにこと嬉しそうに笑いながら、パックさんはコカトリスを小屋の仕切られた部屋の中に入れる。
「僕も、リッカちゃんだいたい同じ考えなんだ。この体質は色々便利だけど、やっぱり懐いている子を殺さなきゃいけない時は罪悪感がすごいからさ。こんな能力ない方がよかったかもって、時々思うよ」
「……でも、それでよく、家畜を育てる仕事を選びましたね」
「うん。それでも、使える特技は使っておきたいし……やっぱり生き物が好きだからさ。リッカちゃんなら、分かるだろ?」
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