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選択肢、選ばなければ駄目ですか?

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「グリフィン! すごい、グリフィンを懐かせられる人間なんて、この世にいるんですね!」

 凶暴な鳥が大大大好きな私が、密かに憧れている上半身は鷹で、下半身はライオンの魔物グリフィン。
 
 知能もプライドも高く、コカトリス以上に滅茶苦茶凶暴だから、卵から孵したとしても人の手では飼育は不可能だって聞いていたのに、パックさんはてなづけることができるんだ……。すごい特異体質だな。

「と言っても僕は、今家畜場で飼育している番の個体しか知らないから、グリフィン全般に通用するかは分からないけどね」

「え、パックさんの家畜場にグリフィンがいるんですか?」

「うん。いるよー。今、繁殖出来ないか色々試している所。番だから仲良くして欲しいのに、お互いより僕にべったりだから弱っちゃうよね。……リッカちゃん、見てみたい?」

「見たい、見たいです!」

「じゃあ、今度僕の家畜場案内するね。グリフィンやコカトリスの他にも、色々凶暴で珍しい生き物がたくさんいるから、リッカちゃんなら楽しめると思うよ?」

「是非是非! 遊びに行かせて下さい!」

 わーい。わーい。生グリフィンと対面できるー。
 絶対私を殺す気で嫌がられるだろうけど、何とかしてお触りはできないだろうか。
 他にも、凶暴な生き物たくさんいるみたいだし、遊びに行くの楽しみだなー。

 家畜場にコカトリスを誘導するパックさんの横で浮かれていると、パックさんは小さく苦笑いをした。

「……リッカちゃんは、俺のこういう体質羨ましいと思う?」

→【羨ましい】
 【そうは、思わない】

 ……あれ。なんかまた、謎の選択肢出て来たぞ。
 これ、パックさんにとって重要な質問か何かなの?

 というか、二択って。
 羨ましいか、羨ましくないかのどっちか選べって、おかしいでしょう。
 選択肢、別に無視して良いよね?

「……グリフィンに懐かれるって点では、純粋に羨ましいですよ。人慣れしない、貴重な種ですから、どんな状態だとしても生かす選択ができるじゃないですか」

「…………」

「でも、コカトリスとか、他の種に関しては正直微妙ですね。懐かれた方が世話は楽になるかもしれませんが……つぶす時、罪悪感半端無さそうじゃないですか」
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