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ハミルさんは何者なんだ
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「……まあ、色々あったんですよ。色々」
とりあえず適当に濁すと、電話越しでハミルさんが苦笑する声が聞こえてきた。
『……とりあえず、今はリッカちゃんの言葉を信じておくけど、魔術師長にはくれぐれも気をつけてね。手を出されそうになったりしたら、一人で抱え込まずに、必ず俺や家族に言うんだよ。その時は俺が代わりに王宮に訴えてあげるから』
……ハミルさん、貧乏貴族の末っ子だとか言ってたけど、そんな約束して大丈夫なのかしら。
セルドアは家柄こそ背負ってないけど、バックに魔術師協会とかいう胡散臭い人身売買組織がついてるからなー。騎士の仕事を辞めるハミルさんはともかく、ご実家には迷惑かかりそうな気するけど。
……まあ、言っても、セルドアが私に変なことを企んでいるとも思えないし、私がそんなことハミルさんに相談するはずもないから、心配するだけ時間の無駄か。適当にお礼を言っておこう。
「ありがとうございます。大丈夫だとは思いますけど、いざと言う時は頼らせて頂きますね」
『約束だからね。俺は身分自体はそう高くなかったけれど、王宮内での発言力はあるんだ。頼み込めば、陛下にだって直訴できるから、相手が魔術師長でも遠慮なく頼っていいんだよ』
……え、と……これは、ハミルさんなりのジョークなのだろうか。
王様に直訴だなんて、普通よほど高い身分の騎士でもない限り難しいと思うけど。
これは突っ込む所? それとも聞かないで置いた方がいい?
反応に困っているうちに、いつの間にか通信機器の受話器は再び姉さんに戻されていた。
『というわけだから。何かあったら、必ずすぐに私達に相談するのよ』
「あ……うん」
『それじゃあ、今日は流石のリッカも慣れない環境で疲れたでしょうから、切るわね。あまり長く通信機器を独占していると、他の侍女さん達にリッカが叱られるかもしれないし。温かくして、ゆっくり休んでね』
とりあえず適当に濁すと、電話越しでハミルさんが苦笑する声が聞こえてきた。
『……とりあえず、今はリッカちゃんの言葉を信じておくけど、魔術師長にはくれぐれも気をつけてね。手を出されそうになったりしたら、一人で抱え込まずに、必ず俺や家族に言うんだよ。その時は俺が代わりに王宮に訴えてあげるから』
……ハミルさん、貧乏貴族の末っ子だとか言ってたけど、そんな約束して大丈夫なのかしら。
セルドアは家柄こそ背負ってないけど、バックに魔術師協会とかいう胡散臭い人身売買組織がついてるからなー。騎士の仕事を辞めるハミルさんはともかく、ご実家には迷惑かかりそうな気するけど。
……まあ、言っても、セルドアが私に変なことを企んでいるとも思えないし、私がそんなことハミルさんに相談するはずもないから、心配するだけ時間の無駄か。適当にお礼を言っておこう。
「ありがとうございます。大丈夫だとは思いますけど、いざと言う時は頼らせて頂きますね」
『約束だからね。俺は身分自体はそう高くなかったけれど、王宮内での発言力はあるんだ。頼み込めば、陛下にだって直訴できるから、相手が魔術師長でも遠慮なく頼っていいんだよ』
……え、と……これは、ハミルさんなりのジョークなのだろうか。
王様に直訴だなんて、普通よほど高い身分の騎士でもない限り難しいと思うけど。
これは突っ込む所? それとも聞かないで置いた方がいい?
反応に困っているうちに、いつの間にか通信機器の受話器は再び姉さんに戻されていた。
『というわけだから。何かあったら、必ずすぐに私達に相談するのよ』
「あ……うん」
『それじゃあ、今日は流石のリッカも慣れない環境で疲れたでしょうから、切るわね。あまり長く通信機器を独占していると、他の侍女さん達にリッカが叱られるかもしれないし。温かくして、ゆっくり休んでね』
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