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三番目の攻略対象
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【ドラゴン舎】
「……ああ、来たか」
セルドアに連れられるがままに、家畜舎と変わらない大きさの建物に入ると、先客がいた。
「……ルート。卵を置いたら、帰って下さって良かったのに」
「そうもいかないだろう。これまでずっと、卵の孵化を見守り続けたのは、俺だ。引き継ぎの義務がある」
藁に置いたドラゴンの卵の前にしゃがみ込んでいた、短く刈った赤髪の男の人は、そう言ってぬっと立ち上がった。
……で、でっかい。
パックさんも背が高いと思ったけど、この人は下手したら2m近くあるんじゃないか。
そして父さんや、ハムルさんと同じ、マッチョだ。肩幅がっちり。目に見えて、分かる筋肉質な体。
……こう見ると、セルドアって貧相に見えるよね。
一応私を軽々お姫様だっこできるくらいは筋肉ついてるはずなんだけど、見た目もやしだし。
身長、多分170㎝代だと思われるし。
「……リッカ。今、失礼なことを考えませんでした?」
「イイエ。マサカ」
……何故、ばれた。察しが良すぎるぞ。
「この娘に、ドラゴンの卵を任せるのか……また、随分と小柄だな」
あんたに比べれば、そりゃあ誰だって小柄でしょうよ。と、内心で突っ込みながら、首が痛くなるくらい高い位置にあるその顔を見上げる。
……そして、後悔した。
「どうした? 俺の顔に何かついているか」
「……いえ、何でも」
表情は乏しいけど、涼しげな目元の男前ですね! 格好良いと思いますよ!
……顔の横に、黒いハートマークが見えなければ、もっと良かったんですけどね!
「俺の名前は、ルート・フーバー。騎士団に所属し、ドラゴンの世話の総責任者をやらせてもらっている」
「……リッカ・カートと申します。養コカトリス場で生まれ育って、ずっとコカトリスの世話をして来たのを、セルドア様に見込まれてスカウトされました」
「そうか。小柄だが、しっかり筋肉はついていると思ったのは、そういう訳だったんだな。コカトリスの世話ができる乙女ならば、ドラゴンの卵を任せるにあたって心強い」
……おお。この人、密かに私の引き締まった筋肉に気づいていたぞ。見た目じゃ全然分からないのに。
ちょっと、結構、嬉しい。……パックさんに引き続き、この人も良い人かもしれない。
「……ああ、来たか」
セルドアに連れられるがままに、家畜舎と変わらない大きさの建物に入ると、先客がいた。
「……ルート。卵を置いたら、帰って下さって良かったのに」
「そうもいかないだろう。これまでずっと、卵の孵化を見守り続けたのは、俺だ。引き継ぎの義務がある」
藁に置いたドラゴンの卵の前にしゃがみ込んでいた、短く刈った赤髪の男の人は、そう言ってぬっと立ち上がった。
……で、でっかい。
パックさんも背が高いと思ったけど、この人は下手したら2m近くあるんじゃないか。
そして父さんや、ハムルさんと同じ、マッチョだ。肩幅がっちり。目に見えて、分かる筋肉質な体。
……こう見ると、セルドアって貧相に見えるよね。
一応私を軽々お姫様だっこできるくらいは筋肉ついてるはずなんだけど、見た目もやしだし。
身長、多分170㎝代だと思われるし。
「……リッカ。今、失礼なことを考えませんでした?」
「イイエ。マサカ」
……何故、ばれた。察しが良すぎるぞ。
「この娘に、ドラゴンの卵を任せるのか……また、随分と小柄だな」
あんたに比べれば、そりゃあ誰だって小柄でしょうよ。と、内心で突っ込みながら、首が痛くなるくらい高い位置にあるその顔を見上げる。
……そして、後悔した。
「どうした? 俺の顔に何かついているか」
「……いえ、何でも」
表情は乏しいけど、涼しげな目元の男前ですね! 格好良いと思いますよ!
……顔の横に、黒いハートマークが見えなければ、もっと良かったんですけどね!
「俺の名前は、ルート・フーバー。騎士団に所属し、ドラゴンの世話の総責任者をやらせてもらっている」
「……リッカ・カートと申します。養コカトリス場で生まれ育って、ずっとコカトリスの世話をして来たのを、セルドア様に見込まれてスカウトされました」
「そうか。小柄だが、しっかり筋肉はついていると思ったのは、そういう訳だったんだな。コカトリスの世話ができる乙女ならば、ドラゴンの卵を任せるにあたって心強い」
……おお。この人、密かに私の引き締まった筋肉に気づいていたぞ。見た目じゃ全然分からないのに。
ちょっと、結構、嬉しい。……パックさんに引き続き、この人も良い人かもしれない。
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