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クリスへの本音

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「クリス。お前もこれだけは忘れないでくれ。いつか袂を分かつ時が来ても、俺がお前を友だと思う気持ちは変わらない。だから便宜を図れとか、そう言うわけじゃなく……ただ、それだけは覚えていてくれ。覚えてて、欲しいんだ」
 
 素直な気持ちを伝えたくて、敢えて敬語は使わなかった。
 かつて原作エドワードが、親友であったアストルディアと袂を分かったように、クリスと俺も袂を分かたなければならない時が来るかもしれない。
 けれどその時が来たとしても、俺はけしてクリスのことを恨むつもりはない。だって最初からクリスは、その時が来れば俺を切り捨てると言ってくれていたから。それを知っていて、単に利害が一致した協力者と割り切るのではなく、クリスを「友」にカテゴライズしたのは俺自身だ。
 そして俺は、未来に何があったとしても、そのことを後悔はしないつもりでいる。

「お前に会えて、友人なれて、良かったよ。これは俺の本心だ」

 一瞬クリスの目が見開かれたと思ったら、すぐに繋いでいた手を無理やり引き剥がされて、その姿を背中に隠された。

「ーーさすがにこれは、許容範囲を超えてるかなあ。うちの主、誑かすのやめてくれない? エディがその気はないのは知ってるけど、もしエディがクリスに友人以上の感情を抱いてたら、俺、今の言葉だけでエディのこと殺してたよ」

 初めて聞いたジェフの声は、想像以上にイケボだった。

「……声、出てますよ」

「牽制の為に、わざと出してんのー。どうせ闇魔法発動しても、エディなら何とかできるでしょ」

 できるけど、めちゃくちゃメンヘラになるので、とてもやめて欲しい。エッチ以外で、もうアストルディアに情けなく泣きつきたくはない。……エッチはいいのかって? アストルディアが喜ぶからいいんだよ! あの、隠れサドめ。

「……ちなみに私は一応ジェフのことも、友人だと思ってますけどね」

「ああ、そう。俺は何とも思ってないー……わけじゃないけど、クリスに必要以上に踏み込むなら、あっさり殺せるくらいの薄っぺらい友情しか抱いてないよ。クリス以外の人間はゴミクズ同然だと思っている俺としては、破格の好意だから感謝してよね」

 ……この、クソヤンデレ野郎め。 



「……って、ことが昼間にあったんだ」

 後ろから抱き締められている体勢で、ベッドに寝転びながら、俺とクリス(ジェフも入れていいもんか)の友情劇の一幕を、アストルディアに報告する。
 ちなみに当然のように尻の穴にはアストルディアのちんこがズッポリ根元まではまったままだし、今も胎内には精液が出され続けている。……そろそろお腹パンパンなんだが、まだ終わらんかな。ポリネシアンセックス的なジワジワした気持ち良さがあって、散々出したちんこがまた反応しそうになるんだが。

「…………」

「アスティ?」

 何も、言わずに後ろから強く抱き締めてきたアストルディアの体は、何故か少し震えていた。

「どうした。アスティ。俺、何か変なことを言ったか?」

「いや……お前の話を聞いていたら、以前見た悪夢を、思い出しただけだ」

「悪夢?」

 俺とクリスのやり取りを聞いて思い出すような悪夢って、どんな悪夢だよ……ヤンデレ暴走したジェフが、俺や学校の生徒を殺しまくるとか、そう言うの?
 それにしても、アストルディア、何ヶ月と前に見た悪夢とかよく覚えているな。

「良かったら、どんな悪夢か話してみろよ。少し楽になるかもよ?」

「……嫌だ。話すことで、本当になったら怖い」

 あまりに子どもっぽい言い分に、思わず噴き出してしまった。
 ただの悪夢を何ヶ月も覚えていて、人に言えないくらい怯えてるアストルディアが、かわいい。

「大丈夫だよ。アスティ。夢はただの夢だ。本当になったりなんかしないよ」

「……本当にただの夢なら、良かったんだけどな」

「え?」
 
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