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建国祭①
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渡されたのは、麻の紐に花の形に彫った木の飾りがついたネックレス。檜風呂のような、良い香りがする。
「母上が、俺のように鼻の利く獣人対策に、いつも身につけているものだ。魔力を含んだ強い香りで、感情や魔力の状態をわからなくする効果がある。お前の分もあるから、つけてみろ」
「へー」
別にアストルディアの言葉を疑うわけじゃないけど、初見アイテムだから念の為鑑定させてもらおう。
【キヒダの木のネックレス】
高い魔力を有しているキヒダの木の幹を使って作ったネックレス。魔力を含んだ強い香りで、獣人の嗅覚を誤魔化す為、セネーバの権力者から愛用されている。
煙草(アロマ)と違って、香り自体は獣人から好まれるものな為、安心して愛用していい。
……うん。概ねアストルディアの説明通りだけど、最後の一言。煙草(アロマ)の獣人に対する効果についてめちゃくちゃ誤魔化しまくって俺に実害与えた鑑定さんから言われると、何かイラッとするんだが。
味方ヅラしてるけど、最初獣人達から嫌われまくってアストルディアから怒られた原因には、間違いなく君が含まれてるからね? あれから俺鑑定のたびにめっちゃエアスクロールする癖ついたからね? 反省して?
心の中で鑑定さんに恨みごとを言いながら、渡されたネックレスを首にかける。
……うわあ、マジで檜風呂入ってるみたい。元日本人だからリラックスできるけど、じゃなきゃ結構キツそう。
「あとはフードを深くかぶれば問題ないだろう」
「え? それだけ? 俺もアストルディアみたいに髪を染めたり、つけ耳したりとかしなくてもいいの?」
「人化してエディのような金色の髪になるものは、珍しくないからな。碧眼のものも、一定数いる。つけ耳というのは聞いたことはないが、人間はそんなものを使うのか?」
「いや、人間側でも使うわけじゃないけど、人化した獣人に見せかけないといけない機会もあるかなって思って自作したものがあるんだ。……まあ、結局使ったことはないけど」
アストルディア以外の獣人、基本獣面だしな。人間状態でも、ケモミミ状態でも目立つなら変装の意味がない。
「……つけてみろ。エディ」
「え?」
「どれくらい獣人の人化した状態に似ているか、見てやる」
「……ええ。まあ、いいけど」
何故かとてもアストルディアの圧を感じるが、せっかく作ったからには一度くらい誰かに見せたいとは思ってはいた。亜空間収納から、目的の品物を探す。
変装ケモミミを自作するにあたってこだわったのは、いかに元の耳を自然に隠すかということ。元の世界では耳が4つあっても可愛らしいコスプレとしか思われなかったが、対獣人となるとそうもいかない。物を認識されなくする系の魔法はもれなく闇魔法の範疇なので、物理的な隠蔽を試行錯誤する必要があった。
髪を伸ばして元の耳を隠すのが一番ではあったけど、髪を伸ばしたら母親とそっくりな俺の容姿がさらに女性よりになるので却下。
耳が見える今の髪型で元の耳を隠すつけ耳は、と考えた末に行き着いたのが、垂れ耳だった。
「どうだ? アスティ。似合うか?」
装着したつけ耳は、ロップイヤータイプのうさ耳を意識したもの。
どんなつけ耳を作るか悩んでた時に襲いかかってきたのが、ちょうど俺の髪と同じ毛色のロップイヤー系ウサギモンスターだったので、そのままその耳を使わせてもらった。
切り取った耳の根元に強力なクリップを複数個縫い付け、腐らないように加工したうえで、重力魔法を付与して重さを無くし外れにくくした逸品だ。
魔物の耳をそのまま流用している時点で、剥製とか頭付きの毛皮が苦手な人なら悲鳴をあげそうな代物だが、特に俺は気にしないのでそのまま使用させてもらっている。……脈の感じとか、人造じゃ絶対再現できないしな。
「アスティ?」
「母上が、俺のように鼻の利く獣人対策に、いつも身につけているものだ。魔力を含んだ強い香りで、感情や魔力の状態をわからなくする効果がある。お前の分もあるから、つけてみろ」
「へー」
別にアストルディアの言葉を疑うわけじゃないけど、初見アイテムだから念の為鑑定させてもらおう。
【キヒダの木のネックレス】
高い魔力を有しているキヒダの木の幹を使って作ったネックレス。魔力を含んだ強い香りで、獣人の嗅覚を誤魔化す為、セネーバの権力者から愛用されている。
煙草(アロマ)と違って、香り自体は獣人から好まれるものな為、安心して愛用していい。
……うん。概ねアストルディアの説明通りだけど、最後の一言。煙草(アロマ)の獣人に対する効果についてめちゃくちゃ誤魔化しまくって俺に実害与えた鑑定さんから言われると、何かイラッとするんだが。
味方ヅラしてるけど、最初獣人達から嫌われまくってアストルディアから怒られた原因には、間違いなく君が含まれてるからね? あれから俺鑑定のたびにめっちゃエアスクロールする癖ついたからね? 反省して?
心の中で鑑定さんに恨みごとを言いながら、渡されたネックレスを首にかける。
……うわあ、マジで檜風呂入ってるみたい。元日本人だからリラックスできるけど、じゃなきゃ結構キツそう。
「あとはフードを深くかぶれば問題ないだろう」
「え? それだけ? 俺もアストルディアみたいに髪を染めたり、つけ耳したりとかしなくてもいいの?」
「人化してエディのような金色の髪になるものは、珍しくないからな。碧眼のものも、一定数いる。つけ耳というのは聞いたことはないが、人間はそんなものを使うのか?」
「いや、人間側でも使うわけじゃないけど、人化した獣人に見せかけないといけない機会もあるかなって思って自作したものがあるんだ。……まあ、結局使ったことはないけど」
アストルディア以外の獣人、基本獣面だしな。人間状態でも、ケモミミ状態でも目立つなら変装の意味がない。
「……つけてみろ。エディ」
「え?」
「どれくらい獣人の人化した状態に似ているか、見てやる」
「……ええ。まあ、いいけど」
何故かとてもアストルディアの圧を感じるが、せっかく作ったからには一度くらい誰かに見せたいとは思ってはいた。亜空間収納から、目的の品物を探す。
変装ケモミミを自作するにあたってこだわったのは、いかに元の耳を自然に隠すかということ。元の世界では耳が4つあっても可愛らしいコスプレとしか思われなかったが、対獣人となるとそうもいかない。物を認識されなくする系の魔法はもれなく闇魔法の範疇なので、物理的な隠蔽を試行錯誤する必要があった。
髪を伸ばして元の耳を隠すのが一番ではあったけど、髪を伸ばしたら母親とそっくりな俺の容姿がさらに女性よりになるので却下。
耳が見える今の髪型で元の耳を隠すつけ耳は、と考えた末に行き着いたのが、垂れ耳だった。
「どうだ? アスティ。似合うか?」
装着したつけ耳は、ロップイヤータイプのうさ耳を意識したもの。
どんなつけ耳を作るか悩んでた時に襲いかかってきたのが、ちょうど俺の髪と同じ毛色のロップイヤー系ウサギモンスターだったので、そのままその耳を使わせてもらった。
切り取った耳の根元に強力なクリップを複数個縫い付け、腐らないように加工したうえで、重力魔法を付与して重さを無くし外れにくくした逸品だ。
魔物の耳をそのまま流用している時点で、剥製とか頭付きの毛皮が苦手な人なら悲鳴をあげそうな代物だが、特に俺は気にしないのでそのまま使用させてもらっている。……脈の感じとか、人造じゃ絶対再現できないしな。
「アスティ?」
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