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わかっているけど
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寝支度をして、イソイソとお犬様状態のアストルディアとベッドに寝転ぶ。
ちなみにアストルディアは泊まる気満々だったようで、特に支度はいらなかった。お犬様状態で牙の歯磨きしてみたかったので、残念だ。……まあ、俺は歯磨き洗浄魔法で済ましてるけど。リシス王国の貴族学校では魔法が封じられてたから、セネーバにきて解禁されたズボラテクだ。
「さすがの獣人用ベッド……二人で入っても余裕があるんだな」
「種族によるから、そうも限らんぞ。ただ、留学生の分は全て俺のものと同サイズで用意するよう指定があったようだ」
……それって、獣人生徒のお嫁さん候補として、ある程度体格よくてもベッドでえっちい組体操ができるように、とかそういうわけじゃねぇよな。
俺とジェフはともかく、ガッツリ国賓なクリスに子どもを産んでくれと言う奴が普通にいる時点で、あり得そうで怖い。
問題が起きて、それで戦争起きたならそれはそれでって感じなんかなー……。両国民の意識だけを見ても、戦争回避への道は非常に険しいのが辛い。
「ほら、エディ。……おいで」
お犬様状態のアストルディアが、ゴロンとお腹をこちらに向けて、ベッドを尻尾でたしたししながら誘惑してくる。
……うーん。あざとい! 100億点満点!
あっさり誘惑に負けた俺は、ふわふわと胸毛に顔を埋めるようにして、ぴったりお犬様に密着した。ああ、幸せ。
「そういえば、何度も一緒に昼寝はしたけど、夜にこうやって眠るのは初めてだな」
「初めて会った時に一度しただろ」
「だって。あの時、朝起きたらアスティいなかったじゃん」
我ながら、子どもっぽい拗ねたような声が出た。
アストルディアの胸から腹にかけての毛を指でぐるぐるいじりながら、内心で苦笑する。
……あ、毛に埋もれた乳首発見。やっぱりこの状態のアストルディアは乳首たくさんあるんかな。他のも探してみるか。
指をスライドして乳首探索をはじめようとしたら、手首を甘咬みされた。……よくよく考えなくても、センシティブな部分でしたね。やめておきます。
「ネーバ山に行くから帰りは遅くなるとは伝えていたが、さすがに日をまたぐわけにはいかなくてな。迎えが来る前に城に戻る必要があったんだ」
「……あー。そりゃそうか。まだ8歳だったしな」
寧ろ8歳の王族が、供もつけずに単身であんなとこまで来れてることの方がおかしいのだ。8歳の俺の森篭もりを許すクソ親父も大概だと思ったが、セネーバの王家もなかなかにトチ狂っている。それだけ、アストルディアが規格外だったということだろうか。
「だが、同じ寮にいるなら、朝まで戻らなくても問題がない。何なら毎晩泊まりに来てもいいぞ」
「……毎晩、毎晩かー……」
お犬様なアストルディアと一緒に寝れるのは嬉しいんだけど、俺だって健全な男の子だから、生理的なゴニョゴニョをしたい時だってあるんですよ。だから毎晩だと、さすがにちと困る。
でも魅惑のモフモフとアストルディアの体温、居心地のよい魔力に全身を包まれて蕩けてる現状。とても抵抗できる状態ではないので、取り敢えず曖昧に誤魔化しておく。冗談で言ってるだけで、さすがに毎晩は来んだろ。
「……お犬様はあったかいねぇ……」
「だから、アスティと呼べと」
「……アスティはあったかいねぇ……あったかくて、幸せだねぇ……」
ああ、何だかすごく眠くなってきた。
お犬様のモフモフに顔を擦り寄せて、目をつぶる。
こうやってアストルディアの毛皮に包まれてると、すごく安心する。
……もう、大丈夫だ。
アストルディアは、俺の味方になってくれた。
きっと未来は変えられる。
戦争が起こらない明るい未来で、俺は悪役ではなく、アストルディアの親友として過ごすんだ。
もう、何も苦しまなくていい。
「……だから、今度こそずっと一緒にいようね……アスティ……」
ーー本当はわかってた。
アストルディアと親友になるのは原作通りで、未来は何も変わってやしないって。
それでもただ一人で戦わないといけないと思ってた俺の隣に、アストルディアという親友ができたことが嬉しくて。
今だけはその事実に目を背けて、安心感に包まれた眠りに落ちることにした。
ちなみにアストルディアは泊まる気満々だったようで、特に支度はいらなかった。お犬様状態で牙の歯磨きしてみたかったので、残念だ。……まあ、俺は歯磨き洗浄魔法で済ましてるけど。リシス王国の貴族学校では魔法が封じられてたから、セネーバにきて解禁されたズボラテクだ。
「さすがの獣人用ベッド……二人で入っても余裕があるんだな」
「種族によるから、そうも限らんぞ。ただ、留学生の分は全て俺のものと同サイズで用意するよう指定があったようだ」
……それって、獣人生徒のお嫁さん候補として、ある程度体格よくてもベッドでえっちい組体操ができるように、とかそういうわけじゃねぇよな。
俺とジェフはともかく、ガッツリ国賓なクリスに子どもを産んでくれと言う奴が普通にいる時点で、あり得そうで怖い。
問題が起きて、それで戦争起きたならそれはそれでって感じなんかなー……。両国民の意識だけを見ても、戦争回避への道は非常に険しいのが辛い。
「ほら、エディ。……おいで」
お犬様状態のアストルディアが、ゴロンとお腹をこちらに向けて、ベッドを尻尾でたしたししながら誘惑してくる。
……うーん。あざとい! 100億点満点!
あっさり誘惑に負けた俺は、ふわふわと胸毛に顔を埋めるようにして、ぴったりお犬様に密着した。ああ、幸せ。
「そういえば、何度も一緒に昼寝はしたけど、夜にこうやって眠るのは初めてだな」
「初めて会った時に一度しただろ」
「だって。あの時、朝起きたらアスティいなかったじゃん」
我ながら、子どもっぽい拗ねたような声が出た。
アストルディアの胸から腹にかけての毛を指でぐるぐるいじりながら、内心で苦笑する。
……あ、毛に埋もれた乳首発見。やっぱりこの状態のアストルディアは乳首たくさんあるんかな。他のも探してみるか。
指をスライドして乳首探索をはじめようとしたら、手首を甘咬みされた。……よくよく考えなくても、センシティブな部分でしたね。やめておきます。
「ネーバ山に行くから帰りは遅くなるとは伝えていたが、さすがに日をまたぐわけにはいかなくてな。迎えが来る前に城に戻る必要があったんだ」
「……あー。そりゃそうか。まだ8歳だったしな」
寧ろ8歳の王族が、供もつけずに単身であんなとこまで来れてることの方がおかしいのだ。8歳の俺の森篭もりを許すクソ親父も大概だと思ったが、セネーバの王家もなかなかにトチ狂っている。それだけ、アストルディアが規格外だったということだろうか。
「だが、同じ寮にいるなら、朝まで戻らなくても問題がない。何なら毎晩泊まりに来てもいいぞ」
「……毎晩、毎晩かー……」
お犬様なアストルディアと一緒に寝れるのは嬉しいんだけど、俺だって健全な男の子だから、生理的なゴニョゴニョをしたい時だってあるんですよ。だから毎晩だと、さすがにちと困る。
でも魅惑のモフモフとアストルディアの体温、居心地のよい魔力に全身を包まれて蕩けてる現状。とても抵抗できる状態ではないので、取り敢えず曖昧に誤魔化しておく。冗談で言ってるだけで、さすがに毎晩は来んだろ。
「……お犬様はあったかいねぇ……」
「だから、アスティと呼べと」
「……アスティはあったかいねぇ……あったかくて、幸せだねぇ……」
ああ、何だかすごく眠くなってきた。
お犬様のモフモフに顔を擦り寄せて、目をつぶる。
こうやってアストルディアの毛皮に包まれてると、すごく安心する。
……もう、大丈夫だ。
アストルディアは、俺の味方になってくれた。
きっと未来は変えられる。
戦争が起こらない明るい未来で、俺は悪役ではなく、アストルディアの親友として過ごすんだ。
もう、何も苦しまなくていい。
「……だから、今度こそずっと一緒にいようね……アスティ……」
ーー本当はわかってた。
アストルディアと親友になるのは原作通りで、未来は何も変わってやしないって。
それでもただ一人で戦わないといけないと思ってた俺の隣に、アストルディアという親友ができたことが嬉しくて。
今だけはその事実に目を背けて、安心感に包まれた眠りに落ちることにした。
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