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第三章
ヨシュアは久々の休暇である
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「あれ?ヨシュア様、久し振りだねぇ」
「おう!しばらく宮廷に缶詰め状態だったからな。明日は久々の休みだから・・・・やっと休める!!」
「帰るならティファちゃんにお礼言っておいてくれるかい?この間貰った温麺?とても美味しかったってさ!あの子の言う通り作ったらとても美味しく出来たんだよ?」
そりゃあ良かったな。
ティファの料理もこうやって徐々にサンチコアに広がってんのな?イノリも偶に友人を連れてティファの料理を見に来たりするから、それも大きいのかもな。
「あら?あの人達また戻って来たねぇ?もしかして道に迷ったのかしら?」
「ん?なんだ旅人か?見た事ない服装だな?」
「お!ヨシュア。お前も戻ってたのか?俺も今戻って来た」
「おう!ギャド!あ。ティファ。おばちゃん御礼言ってっぞ?温麺?上手く出来たってよ?」
「それは良かったです!!」
あんなに忙しくて宮廷から出られない状態の中、ベロニカ監視中のフィクスはともかく、なんでハイトはキッチリ宿舎に帰ってたのかな?お前、肩書き副団長だよな?あん?
「ん?何か言いたいことでも?」
「お前、まさかこっそり俺達に仕事押し付けたりしてねぇよな?」
「いくら死ぬ程忙しいからって変な難癖付けないでくれる?僕はちゃんと自分の仕事、片付けて帰ってたよ」
あ、そうですか。大変優秀なんですね?
最近は更に仕事の終わりが早いと聞いてるけど、やっぱ隣に立ってる、ティファのお陰なんですかね?ちゃんと話は聞いてるんだぞコラ。
「ん?なんだあの二人。さっきからフラフラしてんな?旅人か?ちょっと声かけてくるわ」
流石ギャド。不審者には敏感だな?それぐらいの察知力をセラ嬢にも発揮してやれよ。ヘタレ筋肉マン。
「珍しいですね?あの服カスバールでよく着られているタイプです」
「へぇ?もしかしてティファの知り合いだったりしてな?」
「あはははは?まさかぁ?」
お?ギャド戻って来たな?なんだよ、連れて来てんじゃん?ただ道に迷った訳じゃないのか?
「ギャド?どうしたの?そちらの方々は?」
「いや、それがよぉ」
「ぎゃひ!!!」
ぎゃひ?今どこからか聞いたことない様な鳴き声が聞こえたような・・・。
「・・・・やはりな。見間違える筈がない」
ん?なんだコイツ。もしかして本当にティファの知り合いとか?そんな偶然・・・・ティファ、お前なんつー顔してんの?鶏みたいな顔だけど?
「な、な、な、な、な、!!」
「ティファ!!!お前、今まで連絡も寄こさず、何をしていたんだ!!バカモン!!」
声でっか!!なんて声量してやがる!!通りすがりの子供が泣くレベルだぞ!え?本当に知り合いなのか?
あ、ティファ、ハイトの背中に隠れた!
「・・・人違いではないですか?私、貴方の事存じませんが?」
うわぁ。
ティファ。ティファ?目が死んでる、完全に光を失っている。片方は青筋立てて真っ赤になってるのにティファのこの冷めた態度。対比がすげぇ。
「また、そんなふざけた事を抜かして!!私達がどれだけ心配したと思ってるんだ!!」
「ですから。貴方の事、私知りません。勘違いです」
「お前!!」
「落ち着いて下さい。私はハイト・ゼクトリアム。この国の騎士です」
「・・はっ!失礼。私はテゼール。カスバール国民で、薬師を生業にしている者だ。こちらは妻のマリオーネ」
また、可愛らしい奥さんだな。
それにしても、この二人一体ティファのなんなんだ?
「実は、ずっとその子、ティファを探していたのです。昨年行方不明になった、私の娘を」
「「・・・・・え?」」
・・・・・え?ちょっと待てよ?じゃあ?もしかしてこの人。
「では、デズロ様のご兄弟?」
「やはり、あなた方はデズロの事を知っているのですね?アイツは宮廷に?」
「それが、話すと長くなるのですが、今カスバールにいる筈なのです。ティファは現在デズロ様の養女としてこの国の国民として暮らしています」
ティファよ。お前もいい加減ハイトの背中にくっ付いてないで話に加わってくれよ。俺混乱中。だってこの人達の故郷、確かデズロ様攻撃してたよね?もしかして村から出てて助かったのか?そうなると、物凄く、面倒だぞ?
「ティファ?いい加減、私達にちゃんと顔を見せて?ずっと探していたのよ?」
「誰もそんな事頼んでません。私あの家は出ましたから」
おおう?ティファ?頑な!!ど、どうしたんだ急に。
「ティファ!その方に失礼だろう?いい加減離れなさい!」
「いえ、お構いなく。いつもの事ですので。彼女はかなり、混乱しています。もう少し落ち着かせてから話を・・・」
「いいえ!そうやって甘やかすから調子に乗るのです!ティファ!来なさっ・・」
「彼女は僕の婚約者です。乱暴な真似はやめて頂きたい」
こ・ん・や・く・しゃ?
んー?はぁ?婚約者!?
いつの間に?ハイト?ティファがすげぇ間抜け顔で見てるぞ?何サラリと流れるように嘘を?
「ですから、彼女を勝手に僕の手の届かない所に連れて行かれては困ります。落ち着いて話が出来ないのであれば、お引き取りを」
「な!婚約者だと?君が?」
「あーーーーー。えっと、取り敢えずお二人共、長旅でお疲れでしょう?今日の宿屋はお決まりですか?」
「ええ。暫くこの街でティファを探すつもりでしたので」
「では、一度我々の暮らしている宿舎へお越し下さい。ティファも、夕飯の準備あるだろ?今日はこの人達の分も頼む」
「・・・・・・いやです」
え?ティファが料理を作るのを嫌がるなんて・・・。
もしかしてティファよ?親子喧嘩して家を飛び出したのか?なんか聞いてた話と違うんだけど?
「その人達、私の料理なんて好きじゃないんですから」
「・・・・・・ティファ」
こりゃ溝が深そうだな?あのさ、俺ゆっくり休む為に帰って来たんだけど・・・これ休めねぇな?もう俺開き直ったわ!!あはははは!しくしく。
「おう!しばらく宮廷に缶詰め状態だったからな。明日は久々の休みだから・・・・やっと休める!!」
「帰るならティファちゃんにお礼言っておいてくれるかい?この間貰った温麺?とても美味しかったってさ!あの子の言う通り作ったらとても美味しく出来たんだよ?」
そりゃあ良かったな。
ティファの料理もこうやって徐々にサンチコアに広がってんのな?イノリも偶に友人を連れてティファの料理を見に来たりするから、それも大きいのかもな。
「あら?あの人達また戻って来たねぇ?もしかして道に迷ったのかしら?」
「ん?なんだ旅人か?見た事ない服装だな?」
「お!ヨシュア。お前も戻ってたのか?俺も今戻って来た」
「おう!ギャド!あ。ティファ。おばちゃん御礼言ってっぞ?温麺?上手く出来たってよ?」
「それは良かったです!!」
あんなに忙しくて宮廷から出られない状態の中、ベロニカ監視中のフィクスはともかく、なんでハイトはキッチリ宿舎に帰ってたのかな?お前、肩書き副団長だよな?あん?
「ん?何か言いたいことでも?」
「お前、まさかこっそり俺達に仕事押し付けたりしてねぇよな?」
「いくら死ぬ程忙しいからって変な難癖付けないでくれる?僕はちゃんと自分の仕事、片付けて帰ってたよ」
あ、そうですか。大変優秀なんですね?
最近は更に仕事の終わりが早いと聞いてるけど、やっぱ隣に立ってる、ティファのお陰なんですかね?ちゃんと話は聞いてるんだぞコラ。
「ん?なんだあの二人。さっきからフラフラしてんな?旅人か?ちょっと声かけてくるわ」
流石ギャド。不審者には敏感だな?それぐらいの察知力をセラ嬢にも発揮してやれよ。ヘタレ筋肉マン。
「珍しいですね?あの服カスバールでよく着られているタイプです」
「へぇ?もしかしてティファの知り合いだったりしてな?」
「あはははは?まさかぁ?」
お?ギャド戻って来たな?なんだよ、連れて来てんじゃん?ただ道に迷った訳じゃないのか?
「ギャド?どうしたの?そちらの方々は?」
「いや、それがよぉ」
「ぎゃひ!!!」
ぎゃひ?今どこからか聞いたことない様な鳴き声が聞こえたような・・・。
「・・・・やはりな。見間違える筈がない」
ん?なんだコイツ。もしかして本当にティファの知り合いとか?そんな偶然・・・・ティファ、お前なんつー顔してんの?鶏みたいな顔だけど?
「な、な、な、な、な、!!」
「ティファ!!!お前、今まで連絡も寄こさず、何をしていたんだ!!バカモン!!」
声でっか!!なんて声量してやがる!!通りすがりの子供が泣くレベルだぞ!え?本当に知り合いなのか?
あ、ティファ、ハイトの背中に隠れた!
「・・・人違いではないですか?私、貴方の事存じませんが?」
うわぁ。
ティファ。ティファ?目が死んでる、完全に光を失っている。片方は青筋立てて真っ赤になってるのにティファのこの冷めた態度。対比がすげぇ。
「また、そんなふざけた事を抜かして!!私達がどれだけ心配したと思ってるんだ!!」
「ですから。貴方の事、私知りません。勘違いです」
「お前!!」
「落ち着いて下さい。私はハイト・ゼクトリアム。この国の騎士です」
「・・はっ!失礼。私はテゼール。カスバール国民で、薬師を生業にしている者だ。こちらは妻のマリオーネ」
また、可愛らしい奥さんだな。
それにしても、この二人一体ティファのなんなんだ?
「実は、ずっとその子、ティファを探していたのです。昨年行方不明になった、私の娘を」
「「・・・・・え?」」
・・・・・え?ちょっと待てよ?じゃあ?もしかしてこの人。
「では、デズロ様のご兄弟?」
「やはり、あなた方はデズロの事を知っているのですね?アイツは宮廷に?」
「それが、話すと長くなるのですが、今カスバールにいる筈なのです。ティファは現在デズロ様の養女としてこの国の国民として暮らしています」
ティファよ。お前もいい加減ハイトの背中にくっ付いてないで話に加わってくれよ。俺混乱中。だってこの人達の故郷、確かデズロ様攻撃してたよね?もしかして村から出てて助かったのか?そうなると、物凄く、面倒だぞ?
「ティファ?いい加減、私達にちゃんと顔を見せて?ずっと探していたのよ?」
「誰もそんな事頼んでません。私あの家は出ましたから」
おおう?ティファ?頑な!!ど、どうしたんだ急に。
「ティファ!その方に失礼だろう?いい加減離れなさい!」
「いえ、お構いなく。いつもの事ですので。彼女はかなり、混乱しています。もう少し落ち着かせてから話を・・・」
「いいえ!そうやって甘やかすから調子に乗るのです!ティファ!来なさっ・・」
「彼女は僕の婚約者です。乱暴な真似はやめて頂きたい」
こ・ん・や・く・しゃ?
んー?はぁ?婚約者!?
いつの間に?ハイト?ティファがすげぇ間抜け顔で見てるぞ?何サラリと流れるように嘘を?
「ですから、彼女を勝手に僕の手の届かない所に連れて行かれては困ります。落ち着いて話が出来ないのであれば、お引き取りを」
「な!婚約者だと?君が?」
「あーーーーー。えっと、取り敢えずお二人共、長旅でお疲れでしょう?今日の宿屋はお決まりですか?」
「ええ。暫くこの街でティファを探すつもりでしたので」
「では、一度我々の暮らしている宿舎へお越し下さい。ティファも、夕飯の準備あるだろ?今日はこの人達の分も頼む」
「・・・・・・いやです」
え?ティファが料理を作るのを嫌がるなんて・・・。
もしかしてティファよ?親子喧嘩して家を飛び出したのか?なんか聞いてた話と違うんだけど?
「その人達、私の料理なんて好きじゃないんですから」
「・・・・・・ティファ」
こりゃ溝が深そうだな?あのさ、俺ゆっくり休む為に帰って来たんだけど・・・これ休めねぇな?もう俺開き直ったわ!!あはははは!しくしく。
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