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第二章

ティファ二人を見送る

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「よろしくティファ。女騎士同士仲良くしましょ?」

「はぁ。どうも」

ベロニカと再会した時、とても驚きました。
瀕死の状態だった彼女がたった一年でピンピンしていたので、ちょっと不安にもなったんですよ?あの薬やっぱヤバいやつだったんでしょうか?でも、観察していても特に異常は見られなかったので問題なかったんだって私ホッとしました!それよりも、その時の問題はベロニカが私を追ってこんな所まで来てしまった事でした。ここ凄く危険なのに・・・・。

だから、私ベロニカを無理を承知で私の部下にして側に置いたんです。でも彼女、キツイ筈なのに歯を食いしばりながら私についてくるんですよ?なんだか、可哀想になってきました。なんとか騎士を辞めさせる方法はないのでしょうか?

あ!そうですね?ベロニカも一緒に逃げればいいんですよ!!そうしましょう?それで一緒に料理店開きましょう?

「何で、見捨てて逃げなかった?あんたなら逃げられた筈でしょ?」

「うーーーん。でも、そうしたらベロニカ殺されちゃいますし」

「私も騎士の端くれよ。そんな簡単に殺されたりしない」

一緒に逃げなければ意味がないじゃないですか?
私の野望とベロニカの安全確保の為にもここは二人で脱出しなければ!

「え?ベロニカはか弱い女の子でしょ?ちょっと夢見がち過ぎてドン引きですけど?騎士なんて向いてないです!」

そうですよ!ベロニカは可愛い服を着て美味しい料理を運んでいる方がお似合いですから!!
私と一緒にお店を開きましょう?絶対騎士なんかよりそっちの方が・・・・・。

「うっさい馬鹿女!!死んどけ!」

「ふぇ?」

「な!?おい!お前何を・・・・」

崖から落ちながら、私、結構自惚れていたんだと思いました。ベロニカ私の事を嫌がっている風でしたが、本気で嫌われてるとは思わなかったんです。私、本当に鈍いんですかね?ちょっと、かなり、ショック。

サンチコアの宿舎でベロニカに再会した時はホッとしたのと同時に、もう私はベロニカに構わない方がいいのかなとか、色々考えました。でも、ベロニカ一人になろうとするんですよ?ここに来てまで、そんなの駄目ですよ?ここの人達皆優しいです!美味しいもの食べて皆で楽しく暮らしましょう?

[可哀想に、あんなに可愛いレディなのに、命の灯火が消えかかっているね?あの子は一度死んだのだね?]

私、なんでもっとちゃんと考えなかったんでしょう。
あんなに、しつこくメリルに注意されたのに。
私がした事ってもしかしてベロニカを苦しめただけなんでしょうか?私って最低です?

「ティファ!ベロニカ宿舎に戻ったって!フィクスが医療所に連れて行った!」

「・・・・そうですか。」

「ティファーーーー!!!」

「「え?」」

ドスーン!!何か飛び込んできましたが?ん?デズロさんと・・・・ありゃ?陛下?

「良かった!まだ国を出てなくてぇぇ!!僕慌てて宮廷を飛び出して来ちゃったよーーー?」

あ、そういえばラット、話だけ聞いてサッサとそちらへ向かってましたね?どうしましょうか?今それどころではない事態発生中ですが?ドッキリ中止ですかね?

「それで?今はベロニカを追いかけてたの?僕の娘を迎えに行ってたの?」

「・・・ベロニカを。すみません、まだ、連れて来れてないんです」

「・・・・そんな事しなくてもいいよ?後、ベロニカの事だけど。ここの医療機関じゃ治せないよ?」

はい。分かってます。原因も分かってますから。

「実は僕、知り合いになんとか出来そうな人知ってるんだよね?ちょっとその人連れて来るから待っててくれる?」

「はい?デズロ様この国から出られないのでは?」

そうですよ?それにさっきから何気なく隣にいる陛下がとても気になります!!この人何故こんな所に?こんな所に居て大丈夫なんです?

「大丈夫だよ。エルハドも一緒だから!息子に帝位を譲ったから僕達二人は晴れて自由の身だよ?」

「え?そんな簡単なんですか?普通もっと色々ありません?」

「あるよ。正式に国民に報せる行事や式典が沢山、まさか、全部投げ出して行くつもりですか?」

「私は今日から身体を悪くして伏せっている!だから表には出て行かない!」

いやいや、バリバリ元気ですよね?
寧ろ生命力溢れまくりです。いつもより何故か元気ですよ?

「あの?でも、多分あの子の身体があんな風になったのは、私の妹の薬のせいで・・・・」

「うん?だから、その子とその子の父親に会ってくるよ?それで特効薬か、若しくは本人達を掻っ攫ってくる!」

ええええええ!!そ、それは無理です!やめて下さい!

「あ、あ、あ、あの?お父さんは結構頑固で・・・簡単には来てくれないと思います。それにメリルもです。ここに連れて来るのは難しいかも知れないですが?」

「そう?じゃあその時はベロニカをあちらに連れて行くよ。ティファはそれまでここで待ってて?」

え?ちょ?何故デズロ様と陛下が?カスバール敵国ですよ?危ないんですけど?

「お二人共。ただ遊びに行きたいからじゃ、ないでしょうね?」

「・・・・・そんな事はないぞ?ちゃんとした目的があるからな?」

んん?怪しいです。そのウキウキした顔は絶対旅行気分ですね?真面目に取り組んで頂けますか?

「ティファー!暫く会えなくて寂しいだろうからハグしてあげようか?ほらほら!」

「・・・・・・・・・・」

デズロさん。お父さんに会いに行くんですね?
実はもう二度と会えないとか思ってませんでした?私とも?

じゃあ、是非会って来て下さい!!えい!!

「え?ティ、ティファ?どうしたの?」

そういえば私。お父さんやお母さんに抱っこされた覚えがありません。多分本当に小さい頃しか・・・・。
こんな感じなんですね?

「兄弟喧嘩、しないで下さいね?お父さんすぐ怒るから。でも、悪い人じゃないんです」

「・・・・・うん。そうなんだね?分かった、頑張る!ティファそれまで皆を宜しくね?」

気付いてませんね?私もう分かってるんですけど?

「はい!!お父さんが帰って来るのちゃんと待ってます!!行ってらっしゃい!」

「うん!・・・ん?今、なんて・・・・」

「じゃあ私ベロニカを叱らなくてはいけないので!気をつけて行って来て下さいね!」

まだ少し恥ずかしいので、このまま私はベロニカの所へ直行します!!では!御機嫌よう!!

「エルハド様!羽目を外し過ぎないようにして下さい。後処理が面倒なので!!失礼します!」

「ま、待ってティファ!今僕の事・・・・・・」

「あれは、言い逃げされたな。お前、ティファに気付かれてたんだな?・・・成る程。やはりお前に似ている」

次です!帰って来たら思いっきり泣かせますので!!
今日はこのくらいで勘弁してあげますから!!
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