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第二章

ハイトはティファに打ち明けられる

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「はーーい!野菜たっぷりぶっかけパスタでーす!」

「うおー!新作?新作なの?」

「あ、ちゃんと肉も載ってるじゃん?ローストビーフ?」

「スープと青菜の和え物もありますよ!あ、パンは三種類あるのでお好きな物どうぞ?」

相も変わらずティファの料理は最高です!

手作りのモチモチパスタに彩り鮮やかな野菜がトロミのあるソースと一緒にパスタに絡まって、それがまた、美味しいんだよね?どうしたらこんな物作り出せるんでしょうね?

「上に乗っているお肉はそのまま食べても美味しいですよ?味がちゃんとついてますから!勿論パスタと一緒に召し上がってもバッチリです!」

「ふぁ!美味い~!」

「日に日に料理がグレードアップしてるんだけど、どうなってるの?ここは本当に天国なの?このパンとか、めちゃ美味なんですけど?」

そうだよね?
僕もそう思ってた。
ティファが復帰してから益々絶好調で料理のスキルがグングン上がっているのは、料理を作れなかった反動でしょうか?抑制された欲望を解き放ったんでしょうか?
つまり結果的に僕は良い事をしたんですね?
それは良かった。皆、僕に感謝してもいいんだよ?

「あーーー美味かったぁ。ご馳走さん!」

「はい!ヨシュアさんは今日は何処かへ?」

「あーうん。アイラと会う予定があるな」

「それは初耳だな?よし!俺も同行しよう」

フィクス?往生際が悪いね?

アイラがご機嫌を悪くするからやめた方がいいよ。
どうせ二人で出掛ける程度で大して二人の仲が進展する事ないだろうしね?わかってるでしょ?

「俺は別に構わねよ?だけどアイラはお前が説得しろよ?お兄様?」

「うぐっ!」

これは完全に開き直ったヨシュアに遊ばれてるよね。
フィクス、君もう少し冷静になった方がいいよ?

「さて、今日僕休みだから、片付け手伝うよ。ベロニカ今日は買い物に出かけていないんでしょ?」

珍しいよね。あの子もティファと一緒であまり物を買ったりしたりしないのにね?それってやっぱり?

「いいんですか?せっかくのお休みなのに」

「うん。ティファと話したい事もあるから。作業しながらでいい?」

「・・・そうですか。構いませんよ?」

じゃあまず洗い物からいきますかね?
宿舎全員分の洗い物は結構多いんですよ?ティファはそれをベロニカが来るまでほぼ一人で片付けてました。
ティファは、とても働き者ですよね。僕毎回感心してます。

「じゃあ俺は行くわ!」

「じゃあ、俺も。ティファまた後でな?」

「はーい!行ってらっしゃい!」

皆それぞれの仕事や用事で出かけて行きましたね。

一年前は、食堂にこんなに人が集まるなんて誰も想像してませんでした。それが今や当たり前の風景になってます。

彼女が厨房に立たないと皆んな落ち着かないみたいで、それぐらいティファの存在はこの宿舎に根付いている訳です。

「ハイトさんご両親は健在ですか?」

「僕の両親?うん。元気だよ。」

「ハイトさんは、ご両親が自分の親ではないかもと疑った事ありますか?」

「うーーん?本気ではないかな?」

これは、もしかして僕が話そうとしている事、勘付いてる?
いや、そんなはずないよね?だってティファは知らない筈だから。

「私が初めてその事を疑ったのは12歳の時。私を可愛がってくれてた村の族長とその奥さんの会話からでした」

今までティファこんな風に自分の事話さなかったよね?
どうしたんだろう。

「私、家族の誰とも似てなかったんです。見た目も髪の色も瞳の色さえ。でも、その時まで一度だって疑った事、なかったんです。お父さんは厳しい人だったけど冷たくはなかったし、お母さんも優しかったです。ただ、私には妹がいて、二人とも妹にはとても気安かったんです。つまり、私に接する時、無意識に気を張っていたんです」

「へぇ?そうなんだ」

ティファ相手に緊張するって不思議だね?気が抜けるの間違いじゃなくて?変わったご両親なんだろうね?

「私のお父さんには兄弟がいるらしいんですが、もうずっと会っていないと言っていました。族長は伯父の事を知っていて偶にその人の話を聞かせてくれました。私は、その人に良く似ていたらしいです。だから、お父さんとも気が合わないんだと笑って教えてくれましたから」

ティファはお爺ちゃんかお婆ちゃんに似たのかな?
まぁそんな不思議な事ではないよね。親戚なんだし。
なんてね。もうわかってるんだね?

「・・・私、見つけたんです」

「ティファ」

僕もね、初めてその話を聞いた時、結構驚いた。
でも納得したんだよね。だっていくらなんでも話が上手く行き過ぎてたからさ?最初僕かなりそれで君の事、警戒してたでしょ?最初から教えてくれていれば君をあんなに不安にさせたりしなくて済んだのにね?

「いいよ?なんでも我儘きいてあげる。ティファはいつも頑張ってるから。たまにはご褒美をあげなきゃって、皆とも話してたんだ。特別になんでも聞いてあげるよ?」

だってティファ。未だに服も余り買わないし、オシャレだってそんなにしないよね?誘っても恥ずかしがってすぐ逃げるんだから、本当困るよ。

「え?なんでも、ですか?」

おっとー?食い付いたね?これは何かお願い事があるんですね?いいですよ?ティファのそんな顔、久々に見ました。もしかして、ワクワクしてる?

「私、デズロさんを泣かせたいです!」

・・・・・無邪気に言い放ったね?
それは僕達、命懸けになるな。でもいいよ。

「ティファは、なんで気付いたの?」

「前々からお父さんと見た目が少し似てるとは思ってたんです。それで、デズロさんの話を聞いて確信しました。あんな話をして本気で気付かないと思ったのでしょうか?もしや私、余程鈍いと思われているのでは?」

その可能性は大いにありますよ?
ごめんね?僕も正直そう思ってた。

「私皆が考えているほど鈍くないですよ?ちゃんと空気読めます」

ほう?じゃあ僕に対する今までの態度はどう説明するのかな?もしや、全て知った上の犯行なのかな?ティファさん?これは審議ですよ?デズロ様を大泣きさせたら、その後は君の番ですから?覚悟して下さいね。
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