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第二章

彼は自己紹介したい

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「プキュ、プキュプキュプキュー?」

全世界のマドモアゼルご機嫌よう?
私は先日美しいお嬢さん達に助けられた者。
私は人間ではないが、やはり種族関係なく女性は良い。
とても柔らかいし良い香りがして癒される。

「あら、竜様どうしたのです?お腹空きました?」

「プキュ!」

ご心配なくセラ。
私の主食は魔力なので人間の様に小まめに食事をする必要ないのだよ?心遣い感謝する。

「プキュキュー」

「うふふ。今日はティファ様の所に行きましょう。やっと外出許可が下りたので」

それは有難い。私もそろそろ彼女に会いたいと思っていたのだよ?あれ以来会っていないからね?

「ティファ様に貴方の名前をつけて頂きましょうね?竜様私が考えた名前気に入って下さらないんですもの」

私はこれでもいい歳の紳士なのでね?
プキュちゃんやぷにちゃんは御免被りたい。
せめて普通の名前にして頂けないかい?レディ?

「プキュ!プキュプキュプキューーー!!」

「はい。皆でいい名前、考えて貰いましょうね?」

本当に物分かりのいいレディで助かるよ。
ずっと君の胸の中で幸せな日々を過ごす生活にも惹かれるが私は故郷に帰らねばならないのでね?ソーリー?

「プッキュ!!」

「あれ?セラ嬢?もう体は大丈夫なのか?」

「はい!あの、ギャド様いらっしゃいます?」

恋する女性は可愛らしいね。
ギャドとは確か魔術師の男に思い切りはっ倒されていた者だね?成る程、人間も我々同様個体の大きい者を好むんだね?良い事だ。

「セラ!お前一人で来たのか?大丈夫か?」

「はい。もうスッカリ良くなりました。ティファ様にお礼を伝えたくて、ティファ様お加減いかがです?」

「ああ、ハイトが軟禁してる」

「あーー。そうですのね?」

それは穏やかではないね?女性を独占欲で縛りつけるなど紳士にあるまじき行為だよ?

「今、丁度アイラ嬢も見舞いに来てるから会ってこいよ」

「はい!あの、ギャド様は・・・・」

「今日は急ぎの用事はないからな、待ってる」

ゴホン。君達?私を無視するのはやめたまえ。
そういう空気は二人きりの時に出してもらえないかな?

「失礼致します。セラです」

「あ!セラさんと・・・・・」

おや?ちゃんと私を覚えてくれていた様だね?
そんなに警戒しなくても大丈夫だよレディ?

「まぁあ!可愛らしいですわ!!その子が噂の竜の子供ですの?」

おや?初めまして可憐なお嬢さん?
君のお名前を教えてもらえるかな?

「プキュキュ?」

「アイラさん、気をつけて下さいね?彼はいい歳の男性ですからね?」

「ティファ?貴方、何言ってますの?やはりまだ瘴気の影響が?」

おやおや?
では私はレディ達の邪魔をしないように隅で大人しく微睡んでいるとしよう。失礼?アイラ?

「やーん!もっと抱っこしたいですわ!」

私も残念だよ。
是非また後で今度は君の膝で微睡みたいものだね?

「ティファ様?どうしました?そんな目であの子をジッと見て」

「紳士にあるまじき事を考えてませんかね?あの人」

「だから、あの子は竜の子供ですから。紳士じゃないですから」

ふふ。可愛らしい小鳥達だね。私に構わずどうか話を続けたまえ。

「ティファ様その節はご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」

「いいえ。私が勝手にした事です。気にしないで下さい。事情も聞いてますし。セラさんが気にする事、ないんですよ?」

「とにかく無事で良かったですわ。ティファは女性なのですから、お嫁に行けなくなってしまいますわよ?まぁ、不要な心配かも知れませんが?」

そうだ。私もあの時は正直焦ったよ?まさかティファがあれ程強い女性だとは思わなかった。まぁ、だからこそ彼女に賭けたのだがね?

「酷いですアイラさん。私だって結婚できる可能性くらい、きっとありますよ?不要ではないです!」

「え?ですから、ティファにはちゃんと相手がおりますでしょう?」

「・・・・・・はい?」

「そうですわね。とてもティファ様を大事にして下さる方がいらっしゃいますもの。安心ですね」

ほう?ティファには既に決まった相手がいるのだね?
あれかな?ティファがこちらに帰って来た時、必死で彼女に声を掛けていた男の事かな?君ほど美しいのであれば相手など星の数ほどいるだろうがね?

「あの?私いつからそんな人が?何か勘違いしてません?」

「・・・・え?流石に冗談ですわよね?」

「今、この状況でその台詞はないと思います」

おや?もしやティファに心当たりはないのかな?
罪作りなんだね?レディ?

「え?誰の事言ってます?」

「「ハイト様です」」

「・・・・・・・・・・・・え!?」

おやおや、微笑ましいじゃないか?
もしかして私はお邪魔かな?

「あ、あの?ハイトさんとは、そんなんじゃ・・・」

「貴方にその気がなくても、ハイト様はそのつもりだと思いますわよ?いくらなんでも、友人の枠を超えた接触だと気付いておりますわよね?」

「うぐ!!」

これ以上は、私は聞かない方がいいだろう?この部屋から出て行くとするよ。セラ?

「あ!外に出たいのですか?そういえば、この子の名前をティファ様につけてもらいたいのですけど」

「ふぇ?あ、その人の名前ですか?私がつけていいんですか?」

「はい。どうも私のつける名前が気に入らない、らしく。呼んでも振り向いてくれなくて・・・」

ティファ。きっと君なら私に相応しい名前を付けてくれるだろう?まぁ君は私の契約主だから、どんな名前でもうけいれる覚悟はあるよ?

「ゴルドです。」

「「は?」」

「彼の名前はゴルド。中年紳士に相応しいと思いませんか?」

「渋い!!だから、この子は中年紳士ではなく竜の子供なのですけれど!?」

ゴルド。ゴルドか。

「ま、まぁ一応呼んでみましょう?せっかくティファ様が付けて下さった名前ですもの?ねぇ?ゴルド?」

「キュフーーーン!」

「「え?」」

気に入った!!流石私のティファ!
私にピッタリな名前じゃないか!!

「通称エロ紳士の名前です。(ボソリ)」

私の名はゴルド!
世界各地のマドモアゼル、是非お見知り置きを。
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