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四話 魔法の練習
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「ウォーターストリーム」
家から少し離れた裏庭で新しく覚えた魔法の練習をする。
どうやらこの魔法は水を掻き回した時の状態をイメージすると良いようだ。そんなことを考えていると、そばでその様子を見ていたアリスが声をかけてきた
「ねえ、カインはそんな事して楽しいの?」
まずい、俺は転生者だからともかくアリスはまだ六歳の子供。こんな光景を見せられても何もおもしろくないだろう。
「うーん、面白いか面白くないかで言ったら面白くはないけれど、ためになるって感じかな~」
「そう、じゃあ私もやる。」
「え?今なんて」
「だから、私にも魔法教えて、って言ってるの」
そ、そうか。魔法はただの反復練習詠唱して、発動して、詠唱して、発動するの繰り返し。正直すぐ飽きると思うけど……
「わかった。でもつまんなくても怒んないでよ」
結論からいうと、アリスはかなりの長い間、魔法の練習を続けた。だが、僕みたいに魔法の技名を言うだけで、魔法ができないのに気がついて、拗ねてしまったようだ。
「いいかげん、機嫌直してよ」
「別に前から治ってるし」
「じゃあ、何でそんなに不貞腐れているの?」
「別に不貞腐れなんかないし」
これにはなにか言わなくてはと思った。
「いい?アリス、アリスは僕に魔法を教えてもらってる立場なわけじゃん」
アリスは、ハッとした顔をして、
「私がわるかった。ごめん、魔法教えて」
「僕も言い過ぎたかも、ごめん」
仲直りできてよかった。
アリスには回復魔法の適性があったようだ。僕が何度やっても出来なかったヒールを何度もやっている。でも、練習の成果を確かめたいからって、怪我させようとしてくるのは本当に怖い。
その間僕は、水魔法、その派生の氷魔法、そして何かと便利そうな火魔法を練習した。
ちなみに魔法にはそれぞれの属性に階級があって、下級、中級、上級、特級、そして王級に分類される様だ。
特級までその属性の魔法を覚えると、何かと尊敬されるような立場になるらしい。
僕は、水魔法は下級の水球、水撃、水壁、水弾、中級の水刃、水槍、上級の津波が使え、氷魔法は下級の氷壁、氷弾、中級の氷晶盾。火魔法は下級の火球、点火が使えるという感じだ。水魔法はもうそろそろ特級になるので、僕が六歳にして特級魔法を覚えた天才魔法術師として崇め奉られる日も近いだろう。
しかしそんなことを言っているが、実は水魔法の成長が伸び悩んでいる。
前に家庭教師を殴ってしまったから、魔術の先生はいないけれどやっぱり先生は必要だと思う。まあ、前の家庭教師みたいのはいない方が良いけど。
問題はお金のことだよなあ。
「ねえ、父さん。子供でもできるような簡単なことだけど収入のいい仕事ってありません?」
夕食の時間僕が父さんに問いかけるとギョッとした顔で答えてくれた。
「そんなものがあるなら、こんな暮らししているわけがないだろう。」
確かに。父さんがつづける。
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
少し口籠ってから答える。
「いやあの、魔術の勉強をしたいな~って思って」
「あ、ああ、前の家庭教師はいろいろあったからな」
「そ、そうですね。いろいろありましたね」
「ああだが」
急に真面目な顔になった父さんが続ける。
「魔術の勉強をしたいなら、冒険者になればいいんじゃないか」
「冒険者?」
そんなものがあるのか。まあここまで異世界っぽい世界だ。そんなものがあるのも不思議じゃない。
「ああ。魔物を狩ったりするやつだな。父さんも若い頃は冒険者になる!って言って、村を飛び出してきたんだぞ」
へえ、父さんにそんな過去があったのか。
「そこで母さんと出合っ……それはいいとして冒険者になるなら十三歳になってからだぞ。危ないからな」
そうかそれもいいかもしれない。お金を稼ぎながら、実践的な魔術の技も学べる。よし、
「父さん、僕十三歳になったら冒険者になります」
「そうか。頑張れよ」
父さんは、そうとだけ言って去っていった。
家から少し離れた裏庭で新しく覚えた魔法の練習をする。
どうやらこの魔法は水を掻き回した時の状態をイメージすると良いようだ。そんなことを考えていると、そばでその様子を見ていたアリスが声をかけてきた
「ねえ、カインはそんな事して楽しいの?」
まずい、俺は転生者だからともかくアリスはまだ六歳の子供。こんな光景を見せられても何もおもしろくないだろう。
「うーん、面白いか面白くないかで言ったら面白くはないけれど、ためになるって感じかな~」
「そう、じゃあ私もやる。」
「え?今なんて」
「だから、私にも魔法教えて、って言ってるの」
そ、そうか。魔法はただの反復練習詠唱して、発動して、詠唱して、発動するの繰り返し。正直すぐ飽きると思うけど……
「わかった。でもつまんなくても怒んないでよ」
結論からいうと、アリスはかなりの長い間、魔法の練習を続けた。だが、僕みたいに魔法の技名を言うだけで、魔法ができないのに気がついて、拗ねてしまったようだ。
「いいかげん、機嫌直してよ」
「別に前から治ってるし」
「じゃあ、何でそんなに不貞腐れているの?」
「別に不貞腐れなんかないし」
これにはなにか言わなくてはと思った。
「いい?アリス、アリスは僕に魔法を教えてもらってる立場なわけじゃん」
アリスは、ハッとした顔をして、
「私がわるかった。ごめん、魔法教えて」
「僕も言い過ぎたかも、ごめん」
仲直りできてよかった。
アリスには回復魔法の適性があったようだ。僕が何度やっても出来なかったヒールを何度もやっている。でも、練習の成果を確かめたいからって、怪我させようとしてくるのは本当に怖い。
その間僕は、水魔法、その派生の氷魔法、そして何かと便利そうな火魔法を練習した。
ちなみに魔法にはそれぞれの属性に階級があって、下級、中級、上級、特級、そして王級に分類される様だ。
特級までその属性の魔法を覚えると、何かと尊敬されるような立場になるらしい。
僕は、水魔法は下級の水球、水撃、水壁、水弾、中級の水刃、水槍、上級の津波が使え、氷魔法は下級の氷壁、氷弾、中級の氷晶盾。火魔法は下級の火球、点火が使えるという感じだ。水魔法はもうそろそろ特級になるので、僕が六歳にして特級魔法を覚えた天才魔法術師として崇め奉られる日も近いだろう。
しかしそんなことを言っているが、実は水魔法の成長が伸び悩んでいる。
前に家庭教師を殴ってしまったから、魔術の先生はいないけれどやっぱり先生は必要だと思う。まあ、前の家庭教師みたいのはいない方が良いけど。
問題はお金のことだよなあ。
「ねえ、父さん。子供でもできるような簡単なことだけど収入のいい仕事ってありません?」
夕食の時間僕が父さんに問いかけるとギョッとした顔で答えてくれた。
「そんなものがあるなら、こんな暮らししているわけがないだろう。」
確かに。父さんがつづける。
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
少し口籠ってから答える。
「いやあの、魔術の勉強をしたいな~って思って」
「あ、ああ、前の家庭教師はいろいろあったからな」
「そ、そうですね。いろいろありましたね」
「ああだが」
急に真面目な顔になった父さんが続ける。
「魔術の勉強をしたいなら、冒険者になればいいんじゃないか」
「冒険者?」
そんなものがあるのか。まあここまで異世界っぽい世界だ。そんなものがあるのも不思議じゃない。
「ああ。魔物を狩ったりするやつだな。父さんも若い頃は冒険者になる!って言って、村を飛び出してきたんだぞ」
へえ、父さんにそんな過去があったのか。
「そこで母さんと出合っ……それはいいとして冒険者になるなら十三歳になってからだぞ。危ないからな」
そうかそれもいいかもしれない。お金を稼ぎながら、実践的な魔術の技も学べる。よし、
「父さん、僕十三歳になったら冒険者になります」
「そうか。頑張れよ」
父さんは、そうとだけ言って去っていった。
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