5 / 8
引退試合後
しおりを挟む
私達の引退試合は、1セット目23対25で負け、2セット目24対26で、負けた。しかし、私達にとっては大きな成果だった。私のチームはホントの弱小チームで、勝った数より負けた数のほうが多い。そんな私達が、そこそこ強めのチームに2点差まで、ゲームを持ち込めている。嬉しいようで、とても悔しかった。
そして、私達は先生のもとへ集合した。今まで見てくれた先生に感謝を言おう、みたいな流れになっていて、自分は言うことないなと思っていた。
「先生今まで、ありがとうございました!」
「「ありがどうごさいまきた!」」
皆は心からだろうが、私だけは言わなければならないなら言う、と言う漢字だった。
1、2年と別れたあと、私達は先生のもとにまた集まった。私は何をするのかと疑問に思っていたのだが、その疑問はチームメイトの発言によってかき消された。
「先生…ほんと…私はレシーブが下手で…そして、わがままで本当にすいませんでした…………今までありがとうございました………」
彼女の涙を浮かべながら発した言葉を聞いて、川崎先生は涙1つも見せずに、いつもの顔で普通に受け答えしていった。ついに、私の番が来てしまった。どうしたものか…。私は考えに考え抜いてこう答えた。嘘泣きを混ぜつつ…。
「先生、今までたくさん迷惑かけてしいませんでした。これから、1、2年生をよろしくおねがいします……」
そう、自分のことにはあまり触れず、しかし、反省しているようにも聞こえる。これこそ、一番いい答え方ではないだろうか。まぁ、知らんけど。
そして、川崎先生が私の言葉に対して返答しようとしている。どんな返答をするのか少し気になった。彼女は私にどのような思いや、感情をいだいて見ていたのか…。それが無性に気になってしまった。そして、川崎先生の返答を聞いて私は言葉を失った。
「輝は、私から見てバレー好きじゃないのかなって思った。でも、一生懸命がんばれてたし、よかったと思う」
私は頭に血が登るのを感じた。なんでそう思うのだろうか…。チームの誰よりも部活に参加して、誰よりも新しいことに挑戦して、それでバレー好きじゃないなんていえるのか!?川崎先生は、やっぱり私のことなど見ていなかったたのだ。私は最後まで、川崎先生のことを好きにはなれなかったようだ。皆は、少しは先生のことが好きだったのか別れを惜しんでいた。私は、彼女らの思考が理解できなかった。憎んでいた相手に何故、礼を言うのだろうか。言って何になるのだろうか…。様々なことが、自分の頭に浮かんでは消え、また新しいことが更新されて行く…。こんな、自分はどうかしているのだろうか…。
そして、私達の中学校でのバレーボール人生は幕を閉じた。
そして、私達は先生のもとへ集合した。今まで見てくれた先生に感謝を言おう、みたいな流れになっていて、自分は言うことないなと思っていた。
「先生今まで、ありがとうございました!」
「「ありがどうごさいまきた!」」
皆は心からだろうが、私だけは言わなければならないなら言う、と言う漢字だった。
1、2年と別れたあと、私達は先生のもとにまた集まった。私は何をするのかと疑問に思っていたのだが、その疑問はチームメイトの発言によってかき消された。
「先生…ほんと…私はレシーブが下手で…そして、わがままで本当にすいませんでした…………今までありがとうございました………」
彼女の涙を浮かべながら発した言葉を聞いて、川崎先生は涙1つも見せずに、いつもの顔で普通に受け答えしていった。ついに、私の番が来てしまった。どうしたものか…。私は考えに考え抜いてこう答えた。嘘泣きを混ぜつつ…。
「先生、今までたくさん迷惑かけてしいませんでした。これから、1、2年生をよろしくおねがいします……」
そう、自分のことにはあまり触れず、しかし、反省しているようにも聞こえる。これこそ、一番いい答え方ではないだろうか。まぁ、知らんけど。
そして、川崎先生が私の言葉に対して返答しようとしている。どんな返答をするのか少し気になった。彼女は私にどのような思いや、感情をいだいて見ていたのか…。それが無性に気になってしまった。そして、川崎先生の返答を聞いて私は言葉を失った。
「輝は、私から見てバレー好きじゃないのかなって思った。でも、一生懸命がんばれてたし、よかったと思う」
私は頭に血が登るのを感じた。なんでそう思うのだろうか…。チームの誰よりも部活に参加して、誰よりも新しいことに挑戦して、それでバレー好きじゃないなんていえるのか!?川崎先生は、やっぱり私のことなど見ていなかったたのだ。私は最後まで、川崎先生のことを好きにはなれなかったようだ。皆は、少しは先生のことが好きだったのか別れを惜しんでいた。私は、彼女らの思考が理解できなかった。憎んでいた相手に何故、礼を言うのだろうか。言って何になるのだろうか…。様々なことが、自分の頭に浮かんでは消え、また新しいことが更新されて行く…。こんな、自分はどうかしているのだろうか…。
そして、私達の中学校でのバレーボール人生は幕を閉じた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
うちの家のイタズラ好きなユーレイさん達~実話
笑子
エッセイ・ノンフィクション
本当に!本当に!!
実話なんです(泣)
うちの家のユーレイさん。
笑顔全開で、おイタが過ぎます。
他の人もこんなユーレイに振り回されたりしてるんかなぁ?
君たち!
ユーレイだからって、好き放題しないでよ!
ホント、ビビリなんで、止めて!
心臓キュンとなるんで、お願いだから止めてください!
天空からのメッセージ vol.28 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある 天空からの情報を自我で歪めず 伝え続けます それがそのため
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
五十の手習い
赤羽律紀
エッセイ・ノンフィクション
12月で50歳になります。
そこで僕のこれまでの人生を
エッセイとして綴りたいと思います。
故郷のことや僕の人生のことを
じっくり書きたいと考えております
笑顔のぼく!
雀と猫と狐と何か
エッセイ・ノンフィクション
作者が実際にノートに書いている文章をつらつらと書き残すだけ。小説では無い
誰かの日誌のような感覚で読めば恐らく分かりやすい
全体的に真っ暗。ハッピーエンドなんて存在しないのかもね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる