5 / 8
良美がどうして?
しおりを挟む
ある日の夜、良美がしくしくと泣いていた。
どうしたのか尋ねてみても、何も答えない。
すると百合が半ば投げやり気味に告げた。
「良美は東京の叔父さんの家にもらわれることになったんだよ」それを聞いていた良美がさらに嗚咽を漏らしながら泣き出した。
そうなの?と聞くと、「共子さんってお父さんからなんにも聞いてないんだね」と言い捨て、二階に走り去っていった。
「良美ちゃん、きっと何かの間違いよ、今夜お父さんに聞いてみるから。とにかく大丈夫だから」と良美の頭をなでた。
良美は泣き疲れたのか、力なく頷いた。
良美は素直な性格の上、前妻の顔を見たことはないが、百合と良美は似ていない。
つまり、良美は前妻とも似ていないということだろう。
息子をひとりもうけたことで、良美に対しては率直に可愛いという母性が芽生え始めていた。
そのぶん、百合が言ったことが事実であるならば、私としてもショックだった。
どうしたのか尋ねてみても、何も答えない。
すると百合が半ば投げやり気味に告げた。
「良美は東京の叔父さんの家にもらわれることになったんだよ」それを聞いていた良美がさらに嗚咽を漏らしながら泣き出した。
そうなの?と聞くと、「共子さんってお父さんからなんにも聞いてないんだね」と言い捨て、二階に走り去っていった。
「良美ちゃん、きっと何かの間違いよ、今夜お父さんに聞いてみるから。とにかく大丈夫だから」と良美の頭をなでた。
良美は泣き疲れたのか、力なく頷いた。
良美は素直な性格の上、前妻の顔を見たことはないが、百合と良美は似ていない。
つまり、良美は前妻とも似ていないということだろう。
息子をひとりもうけたことで、良美に対しては率直に可愛いという母性が芽生え始めていた。
そのぶん、百合が言ったことが事実であるならば、私としてもショックだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
蠍の舌─アル・ギーラ─
希彗まゆ
ミステリー
……三十九。三十八、三十七
結珂の通う高校で、人が殺された。
もしかしたら、自分の大事な友だちが関わっているかもしれない。
調べていくうちに、やがて結珂は哀しい真実を知ることになる──。
双子の因縁の物語。
前世の記憶から引き出された真実
ゆきもと けい
ミステリー
前世の記憶があるという少年。事故で亡くなったという前世の記憶。それは本当なのか、確認する為に旅行に出た親子だが、その真実を知った時、本当の恐怖が始まることになる。
この満ち足りた匣庭の中で 三章―Ghost of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
幾度繰り返そうとも、匣庭は――。
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
その裏では、医療センターによる謎めいた計画『WAWプログラム』が粛々と進行し、そして避け得ぬ惨劇が街を襲った。
舞台は繰り返す。
三度、二週間の物語は幕を開け、定められた終焉へと砂時計の砂は落ちていく。
変わらない世界の中で、真実を知悉する者は誰か。この世界の意図とは何か。
科学研究所、GHOST、ゴーレム計画。
人工地震、マイクロチップ、レッドアウト。
信号領域、残留思念、ブレイン・マシン・インターフェース……。
鬼の祟りに隠れ、暗躍する機関の影。
手遅れの中にある私たちの日々がほら――また、始まった。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。
二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。
彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。
信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。
歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。
幻想、幻影、エンケージ。
魂魄、領域、人類の進化。
802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。
さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。
私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる