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-かつてハイレヌの国を治めた
天人セレバ・エレメスも病には勝てなかった-
「あぁ…セルバポスはおるか…」
「父上ここにおりますぞ」
「あぁ…」
「セルバポスよ…ハイレヌの国…そして母さんを任せたぞ…」
「ははっ!この命に変えてもこの国…そして母上を守ります」
「エレメス様…」
-冷たいエレメスの手とは対極の暖かいアルスの手を握る-
「アルスよ…」
「はい…ここにいます…エレメス様」
「…アルスには迷惑をかけたな…」
「いえ…迷惑だとは一度も…!」
「ふふ…我は逞しく優しい良き妻を持ったな…」
「来世も…」
「また…一緒に…」
「はい…エレメス様…」
目を瞑るといくつもの記憶が見えた
戦による荒廃した国
そこからの発展の軌跡
家族 家来 国民達の笑顔
そして先に逝ってる仲間達
もう迎えがきたみたいだ
「あぁ」
-細くなった腕を上に掲げる-
「我が人生…いっぺんの悔いも…ない…」
「エレメス様ぁ!!」
アルスや国民が泣き叫ぶ声が聞こえる
意識が現世から遠のいていくのがわかる
-ハイレヌ王セレバ・エレメス享年31歳
彼は戦に負けたことなく敵に
魔天セレメス
と恐れられていた
その反面国民を愛し.国民に愛され
この世を去っていった-
2024年10月25日 17時23分
私たち夫婦に赤ちゃんが生まれた
名前は光 相沢光だ
とっても小さくとっても可愛い
年齢が上がっていくにつれ
その可愛さも増していった
だが…
「母上!よくぞおいでなさいました!」
「こら!女の子らしい喋り方しなさいって言ったでしょお?」
「はっ!申し訳ございませぬ!」
何に影響されたのかわからないけど昔の人みたいな喋り方をする
「光ちゃんなにその話し方ぁー」
-光と同い年の子が笑いながら話しかけてきた-
「これか?この喋り方は我らを産んでくれた両親や目上の方々につかうものだ!」
「へぇ…何かかっこいい!」
「ふっふそうであろう!」
「もう…光ちゃん!帰ったら女の子らしい喋り方の練習するよ」
「ははっ!」
そして小学校…
「光ちゃん!教室でトランプしようよ!」
「あぁ…したいのは山々なのだが今日はあやつらと真剣勝負をする予定なのだすまんが明日にしてくれ」
中学校…
「大王様…すまぬが小便に言ってもよろしいだろうか…」
「あ…あぁ別に言いが…俺は大王様じゃなくて先生だ」
「あぁ!次からは気をつけますぞ!大王様!」
高校…
「ダメだった…」
「母上ー!我の服すごいですぞ!」
スカートをヒラヒラさせながら光が言った
「光ちゃん!パンツ見えてるわよ!」
「このくらい気にすることはないですぞ母上!」
「光ちゃんが気にしてなくてもねぇ…」
周りの男子生徒が光ちゃんをジロジロと見ているのがわかる
「光ちゃんは可愛いんだからあんまりパンツとか見えるように動いちゃダメなのよ」
「気にしなければ良いのだがのぉ」
「気になっちゃうのよっ!」
キーンコーンカーンコーン
新入生を迎える為のベルが聞こえた
「それじゃぁ行ってまいります」
「えぇ気をつけなさいね」
後ろを振り向いた時光の白くて綺麗な長い髪がなびいた
「ほんっと…見た目だけは可愛いのねぇ…」
我の名は相沢光 本名はセレバ・エレメスだ
我が死んだ後…天界に行くと思っていたのだが
なぜか知らない国の娘になっていた
場所は日本というらしい
この国はハイレヌより発展していて
ハイレヌでは入手が困難だった水も蛇口というのをひねれば一瞬ででてくる
この国は素晴らしいと思うが…
この体は生きづらすぎる
話し方も変えなければならない
人々はスマホというのを見ながら生きている何が楽しいのだろうか
我には窮屈すぎる
いっそすぐにでも死んでやろうとでも思ったくらいだ
だが…
生まれたからには必ず使命があるはずじゃ
今はその使命を探すために仕方なく生きている
「おっはーっ!!」
この廊下に声が響きわたった
こやつは我に付きまとってくる変人・蒼じゃ
「なんじゃお主もここなのか」
「当たり前でしょう!なんたって私はセレメスちゃんの保護者なのだからねっ!」
「ホゴシャ…」
「いい?セレメスちゃん」
「我はエレメスだ」
「高校は最初が肝心なのよ!」
「ほお」
「たとえば何かって聞いてよ!」
「はぁ…たとえばなんなんじゃ」
「よくぞ聞いてくれたっ」
「それは」
蒼が教室のドアを思いっきり開けた
おはようっっっ!
騒がしかった教室は蒼の登場によって一気に静まり返った
戸惑いながら蒼が言った
「あれみんな緊張しているのかな?」
「急に変人がはいってきたらだれでもびっくりするであろうが」
「…??」
その視線蒼一人に向けられているのではなく
二人に向けられていることに気づいた
「なんじゃこやつら…」
咄嗟にそんな言葉が出てしまった…
天人セレバ・エレメスも病には勝てなかった-
「あぁ…セルバポスはおるか…」
「父上ここにおりますぞ」
「あぁ…」
「セルバポスよ…ハイレヌの国…そして母さんを任せたぞ…」
「ははっ!この命に変えてもこの国…そして母上を守ります」
「エレメス様…」
-冷たいエレメスの手とは対極の暖かいアルスの手を握る-
「アルスよ…」
「はい…ここにいます…エレメス様」
「…アルスには迷惑をかけたな…」
「いえ…迷惑だとは一度も…!」
「ふふ…我は逞しく優しい良き妻を持ったな…」
「来世も…」
「また…一緒に…」
「はい…エレメス様…」
目を瞑るといくつもの記憶が見えた
戦による荒廃した国
そこからの発展の軌跡
家族 家来 国民達の笑顔
そして先に逝ってる仲間達
もう迎えがきたみたいだ
「あぁ」
-細くなった腕を上に掲げる-
「我が人生…いっぺんの悔いも…ない…」
「エレメス様ぁ!!」
アルスや国民が泣き叫ぶ声が聞こえる
意識が現世から遠のいていくのがわかる
-ハイレヌ王セレバ・エレメス享年31歳
彼は戦に負けたことなく敵に
魔天セレメス
と恐れられていた
その反面国民を愛し.国民に愛され
この世を去っていった-
2024年10月25日 17時23分
私たち夫婦に赤ちゃんが生まれた
名前は光 相沢光だ
とっても小さくとっても可愛い
年齢が上がっていくにつれ
その可愛さも増していった
だが…
「母上!よくぞおいでなさいました!」
「こら!女の子らしい喋り方しなさいって言ったでしょお?」
「はっ!申し訳ございませぬ!」
何に影響されたのかわからないけど昔の人みたいな喋り方をする
「光ちゃんなにその話し方ぁー」
-光と同い年の子が笑いながら話しかけてきた-
「これか?この喋り方は我らを産んでくれた両親や目上の方々につかうものだ!」
「へぇ…何かかっこいい!」
「ふっふそうであろう!」
「もう…光ちゃん!帰ったら女の子らしい喋り方の練習するよ」
「ははっ!」
そして小学校…
「光ちゃん!教室でトランプしようよ!」
「あぁ…したいのは山々なのだが今日はあやつらと真剣勝負をする予定なのだすまんが明日にしてくれ」
中学校…
「大王様…すまぬが小便に言ってもよろしいだろうか…」
「あ…あぁ別に言いが…俺は大王様じゃなくて先生だ」
「あぁ!次からは気をつけますぞ!大王様!」
高校…
「ダメだった…」
「母上ー!我の服すごいですぞ!」
スカートをヒラヒラさせながら光が言った
「光ちゃん!パンツ見えてるわよ!」
「このくらい気にすることはないですぞ母上!」
「光ちゃんが気にしてなくてもねぇ…」
周りの男子生徒が光ちゃんをジロジロと見ているのがわかる
「光ちゃんは可愛いんだからあんまりパンツとか見えるように動いちゃダメなのよ」
「気にしなければ良いのだがのぉ」
「気になっちゃうのよっ!」
キーンコーンカーンコーン
新入生を迎える為のベルが聞こえた
「それじゃぁ行ってまいります」
「えぇ気をつけなさいね」
後ろを振り向いた時光の白くて綺麗な長い髪がなびいた
「ほんっと…見た目だけは可愛いのねぇ…」
我の名は相沢光 本名はセレバ・エレメスだ
我が死んだ後…天界に行くと思っていたのだが
なぜか知らない国の娘になっていた
場所は日本というらしい
この国はハイレヌより発展していて
ハイレヌでは入手が困難だった水も蛇口というのをひねれば一瞬ででてくる
この国は素晴らしいと思うが…
この体は生きづらすぎる
話し方も変えなければならない
人々はスマホというのを見ながら生きている何が楽しいのだろうか
我には窮屈すぎる
いっそすぐにでも死んでやろうとでも思ったくらいだ
だが…
生まれたからには必ず使命があるはずじゃ
今はその使命を探すために仕方なく生きている
「おっはーっ!!」
この廊下に声が響きわたった
こやつは我に付きまとってくる変人・蒼じゃ
「なんじゃお主もここなのか」
「当たり前でしょう!なんたって私はセレメスちゃんの保護者なのだからねっ!」
「ホゴシャ…」
「いい?セレメスちゃん」
「我はエレメスだ」
「高校は最初が肝心なのよ!」
「ほお」
「たとえば何かって聞いてよ!」
「はぁ…たとえばなんなんじゃ」
「よくぞ聞いてくれたっ」
「それは」
蒼が教室のドアを思いっきり開けた
おはようっっっ!
騒がしかった教室は蒼の登場によって一気に静まり返った
戸惑いながら蒼が言った
「あれみんな緊張しているのかな?」
「急に変人がはいってきたらだれでもびっくりするであろうが」
「…??」
その視線蒼一人に向けられているのではなく
二人に向けられていることに気づいた
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